セミナー1.0から2.0へアップデートする

生前対策・家族信託コンサルタント、司法書士の斎藤です。
4月16日火曜日のNHKクローズアップ現代で家族信託の特集が放映されていました。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4270/index.html

この特集をきっかけに問い合わせが増え、これから自社や他の士業、金融機関、不動産会社などとコラボして、セミナーを行っていきたいと考えている士業・専門家もいると思います。

僕も、司法書士試験受験予備校のTAC(旧早稲田セミナー)で講師経験があり、開業後も不動産会社、金融機関、セミナー会社からセミナーをたくさんの依頼されるようになりました。アンケートを見ていても、大変参考になったといる声が多く好評でしたので、自分でも得意だとそれまでは勘違いしていました。

しかし、よくよく考えてみると、その後の講演依頼にはつながるものの、(主催者満足という点ではクリアです)その後の自分自身の個別相談など仕事につながらない、、、そういった現状がつづいていました。そこで、自分のセミナーのやり方を見直し取り組んだところ、参加者の個別相談やフロント商品誘導率を10%弱から60~70%前後大きく向上させることができました。
これからセミナーをやっていきたいと考えている方にはうってつけの記事です。

それでは、どうぞ(^^)/

情報提供か、顧客獲得か、セミナーのゴールを決める

士業・専門家などは、「自社でセミナーを主催して顧客を獲得する」というより、「金融機関、不動産会社、セミナー会社など主催者が企画したセミナーに呼ばれて講演する」という形式が非常に多く、どうしても、自分の持っているノウハウや専門知識を中心に話しをしてしまいがちです

僕自身も、TAC時代は自分で集客をしていないので、受講者がわかりやすく、満足いく講演内容にするという意識が中心となっており、わかりやすくノウハウを提供する、つまり情報提供が中心となっていました。このセミナー形式を情報提供型セミナーといいます。僕もこの罠に当初陥ってしまいました。

皆さんが、参加する士業団体の研修やセミナー会社でのセミナーも一般的にこの情報提供型です。この目的は受講者の高い満足度を得ることにつきます。

でも皆さんが一般向けのセミナーをやる際の目的ってなんでしょうか?

アンケートで高い満足度をとること??喜ばれること??これが目的であればそれで、構いません。でも、それだけでは事務所経営ってできないですよね。実際に講演内容に満足頂いた方から個別相談をもらい、実際の仕事につなげていくということがゴールのはずです。

どうしても僕らは、「お客さんに喜んでもらいたい」その気持ちで仕事をしているので、講演内容も伝えたいことを満載にわかりやすく、たくさんの情報を盛り込み過ぎな状態で情報を提供していることが多いです。僕自身も受験予備校の延長戦の情報提供型セミナーのまま、行ない続け、アンケートも高評価なので、ずっとそのやり方を続けてしまいました、、、

でも、実際に皆さんがセミナーに参加していて、それだけの情報って頭に残っていますか??
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスによって提唱された「エビングハウスの忘却曲線」という有名な話ご存知でしょうか?

エビングハウスは、無意味な音節を被験者に記憶させ、時間と共にどのくらい忘れたかを検証した人です。結果は以下のとおりです。人は何かを学んだとき、

・20分後には42%を忘れる
・1時間後には56%を忘れる
・1日後には67%を忘れる
・1週間後(7日後)には77%を忘れる
・1ヶ月後(30日後)には79%を忘れる

記憶してから1日経つまでに、なんと67%もの記憶が失われています。
その日に得た記憶はその日のうちにほとんど消え、一部分だけを継続して覚えているのが基本的な状況のようです
なので、皆さんが一生懸命セミナーで伝えた話も、翌日には、67%忘れられています。
そのため、高い満足度を誇るセミナーを開催しても、その時、満足した、いい話を聞いたという気持ちは受講者に残るものの、その後の仕事につながらない、、、そんなことになってしまう可能性があるのです。

しかも、その参加者に引き続き来てもらうために高い満足度を得るための毎回毎回新しいコンテンツを準備し、連続型セミナーにしていくそういうことを繰り返す必要がでてきてしまいます。

例えば、既に他社で集客済みの受講生がおり、皆さんが講演料をいただくような受験予備校やセミナー会社、士業団体のセミナーであれば主催者と受講者の満足度を上げることが目的なので情報提供型セミナーとして構成する。その方法は間違っていないので、これから話す顧客獲得型セミナーとの違いをよく認識しておいてくださいね。

セミナーのゴールをどこに置くのかとうい意識がすごく重要です

顧客獲得型セミナーとは何!?

情報提供型セミナーは受講者の高い満足度を得ることがゴールでした。一方、顧客獲得型セミナーは、その先生の個別相談やサービスに誘導することが目的です。

当然、専門知識やノウハウについても話しますそれは受講生が聞きたい内容だからです。だから、特定の部分とについては専門的に掘り下げて説明します。
例えば、家族信託セミナーであれば、家族信託の概要、家族信託の活用事例とかそういうことはちゃんと話します。そのことについて話さなければ、満足度をとれないので、個別相談につなげられないからですからね。

でも、専門的に話す部分は特定の一分野です。こうあるべきという理想の状態の話しをし、現実との乖離を認識してもらう、そして、その理想の結果を得るためのノウハウ、商品を少し見せて受講者の方から申し込みをしてもらうという構成をつくります。

ここに時間を使います。その現実を理解してもらうために、例えば、僕のB2C向け家族信託・生前対策セミナーでは成年後見制度の現状や年間の家庭裁判所での遺産分割調停数と遺言作成件数を紹介したうえで、意外と遺言すらつくられていない事実を伝えます。

参加者の家族間で、事前にそういった家族での話し合いができているのかということをワークしてもらう時間をつくり、本来あるべき理想と自分の家で対策全然できていないという現実を受講者自身に認識してもらい、これを機に個別相談を申し込もうという導線をつくっています。

ここまで見てきていただいたように、顧客獲得型セミナーでは、個別無料相談をとることが目的です。1日経つと、67%も人の記憶から忘れられるんです。だから、忘れられないうちにセミナー終了後にそのまま個別相談の予約を申し込んでいただくという導線を作りこむ必要があります。

そして、当日相談申込されない方も当然います。
家族信託で考えると、相談するタイミングがあるので、その方にとって適切なタイミングで相談いただくためにメールアドレスを獲得するなど、その後の関係構築をするために必要な導線も併せて作る必要があります

その他に大事なことは、セミナーの中で盛り込まなければならないポイント、それは、そもそも、なぜ、先生がそのサービスを伝えたいのかという想いです。

その先生が過去、こういった経験や挫折があり、それを乗り越えるために、これをやってきただから、そのノウハウを多くの人に伝えいたいという信念の部分です。今、FacebookやInstagramをはじめ、共感型、信用型が主流になりつつあります。
広告は邪魔なんですYouTubeつかっていて、右下に出てくる広告スキップボタン思わず何度も連打して早く飛ばしたくなりますよね(笑)

YouTubeやメルマガ、ブログをみていてもこの人誰って?いう人がどんなにいい情報を掲載していても、刺さらないですし、そもそも中身を読まないですよね。

そうなんです、コンテンツをつくっても中身を見てもらえないんです
だから、セミナーの冒頭の自己紹介のほか、セミナーのなかでそもそもなんでこのサービスをやっているのか、という想い、信念を伝え、この人に相談してみようと思っていただけるポジショニングをつくることが必要なんです

そうすると、セミナーの内容も真剣に聞いて頂けるし、その後のDM、メルマガなども〇〇先生からの情報だということで継続してみてもらえるようになります。

セミナー1.0から2.0にアップデートする

冒頭でも話しましたが、セミナーのゴールが何なのかを考えて構成することが大切です。

受講者・主催者の満足度を上げる→情報提供型セミナー
顧客を獲得する→顧客獲得型セミナー

目的に合わせて使い分けることが肝要です。せっかくいい満足度を得た講演内容を考えたのに、目的が達成できなければ、勿体ないです。

これって、飲食店とかと同じで、いくら技術がありおいしい料理をつくれても、実際に集客できないと、提供できないし、注文してくれなければ、サービスも提供できない、それと同じでセミナー参加していい話を聞いてよかったでは、僕らがやりたいサービスの提供ができません。

次回以降の記事で(GW挟むので、次回は5月7日です)、セミナーの中の自己紹介やポジショング、構成などの工夫の仕方についてお伝えしたいと思います。

次回もお楽しみに!!ここから先は、情報提供型セミナーの案内です(^^)/

信託を組んできた事例や失敗事例からの実務対応についてお話します

 

まだまだ、法務税務が確定していない家族信託・民事信託、、、常に最新の法務・実務を学び続けることが必要です
自分自身もこれまで100件超の信託を組んできて信託終了した事案もでてきました。
そのなかで、想定外の事情が発生し、信託設計時にこうしておけばもっとよかったなというような事例もでてきました。

その事例をまとめ上げ、ようやく先日、レジュメが完成!

ブログ・メルマガでは伝えきれない
・信託の組成方法
・実際の融資の取り扱い、
・契約の組み立て方
・出口戦略の考え方
などが盛り込まれています。

実は、この内容のセミナーを僕が主催する「家族支度・生前対策コミュニティー~LFT~」の毎月の定例会で時間が許す限りお話しする予定です。【5月8日13時半から東京八重洲ホール(東京駅より徒歩3分)】で、見落としがちな信託法務・税務に関するセミナーです。

LFT定例会では、LIVE形式で参加者同士ディスカッションしながら家族信託をはじめ、実際に生前対策スキームを構築します。

LFTってどんなところ??
実際にどのように多くの人はスキーム設計しているの??ということを実際に生で体験できます
ただ、当日は足を運べない、遠方の方等のために「WEB参加」というのもご用意しました!
ZOOMを活用した、動画配信になります。参加者同士の討論はできないのですが、オンラインで参加できます当日参加できない方にもテキストの他、後日、動画視聴ができます。

僕が主催する「家族支度・生前対策コミュニティー~LFT~」って何だろう??と思っている方も多いと思いますが、今回興味ある方は是非参加してみてください。
このコミュニティーを通じて、手続き代行ではなく、次の時代の顧客に高付加価値の本当の生前対策コンサルができる士業・専門家をたくさん増やしていきたいと考えています
セミナーでは、実際の事例をもとに斎藤が考える家族信託・生前対策スキームの設計方法などどのように行っていくのか、最新の信託実務などが学べます

LIVE参加、WEB参加ともにご興味ある方は、こちらより確認、お申込みください (^^)/

詳細はこちらから

※なお、参加希望の方は、同日9時半から開催する家族信託・生前対策提案力アップセミナーから参加したほうがお得です(^^)/次回をお楽しみに。


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