2024/10/30
2025/4/17
外国人ビザ
経営管理ビザでアルバイトはできる?許可されるケースと違反時の罰則を解説
経営管理ビザでアルバイトは可能なのでしょうか? 結論としては、原則として認められていません。経営管理ビザは、日本で事業の経営や管理業務に従事するための在留資格であるためです。ただし、例外的に許可されるケースも存在します。
今回の記事のポイントは以下のとおりです。
| ✓経営管理ビザでは、原則としてアルバイトや副業は認められていない。
✓許可なくアルバイトをした場合、罰則が科される可能性もある ✓例外的に、特定の条件下でアルバイトが認められるケースもあるが、事前に専門家へ相談が必要である。 ✓資格外活動を行う場合は、「資格外活動許可」を取得する必要がある。 |
本記事では、経営管理ビザでアルバイトが認められない理由や許可されるケース、無許可でアルバイトをしてしまった場合の罰則について詳しく解説します。
1.経営・管理ビザとは
経営管理ビザとは、日本で事業の経営や管理業務に従事するための在留資格です。外国人が、日本で起業する場合や日本国内の既存の会社で経営管理業務を行う場合には、経営管理ビザを取得しなければなりません。
ここでは、経営管理ビザでできる業務内容の範囲や取得するための要件について解説します。
1-1.経営管理ビザでできる主な業務内容活動の範囲
経営管理ビザは、日本で事業の「経営」または「管理」を行う外国人に対して許可される在留資格です。経営管理ビザを取得することで、事業の開始や経営に直接関与することが認められます。
具体的には、事業運営における重要事項の決定や業務執行など、代表取締役や取締役としての役割が「経営」です。一方、支店長や工場長、部長として、部下への指示や部署の統括を行う業務が「管理」に該当します。
ただし、アルバイトなど事業以外で収入を得る活動は、資格外活動とされ違法です。したがって、経営や管理業務に専念する必要があります。
1-2.経営管理ビザを取得するための要件
経営管理ビザの取得要件は、外国人が日本国内で起業する場合と、既存の会社の管理に従事する場合で異なります。それぞれの要件は、以下のとおりです。
1. 外国人が日本国内で起業する場合
- 日本における事業所の確保
- 常勤職員2名以上の雇用、または資本金が500万円以上
- 事業に適正性・安定性・継続性があること
- 経営管理ビザ申請者自身が、事業の経営に従事すること
2. 既存の会社で管理者として働く場合
- 事業の運営や管理に関する3年以上の実務経験(大学院で経営や管理関連の科目を専攻した期間も含む)
- 日本人と同等以上の報酬を受けること
- 申請者自身が事業の管理に従事すること
詳細な要件や申請の流れについては、関連記事をご覧ください。
2.経営・管理ビザでアルバイトや副業はできるのか
経営管理ビザでは、原則としてアルバイトや副業はできません。また、「資格外活動許可(注1)」を申請したとしても、現場作業や単純労働のアルバイトへの許可は得られないでしょう。
特別な例として、経営コンサルティング会社の経営者が特定の大学で客員教授としての活動を認められたケースがあります。しかし、このような例は極めて稀です。
注1:資格外活動許可とは、現在の在留資格に含まれない収益を伴う事業の運営や、報酬を得る活動を行う際に必要な許可です。
2-1.経営管理ビザでアルバイトや副業が許可されない理由
経営管理ビザで単純労働や現場作業などでのアルバイトや副業が許可されない理由は、経営管理ビザが事業の経営や管理を目的としているためです。アルバイトは経営や管理への関与ではなく、全く別の活動となるため、ビザの趣旨に反します。
留学生や家族滞在者のように、資格外活動許可を申請すれば可能になるのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、経営管理ビザの場合、上記の理由により単純労働や現場作業などのアルバイトでの資格外活動許可を得られることは、ほとんどないでしょう。
2-2.黙ってアルバイトした場合の罰則
経営管理ビザで許可なくアルバイトをした場合、厳しい罰則が科されます。
出入国管理法では、資格外活動を無許可で行った場合、「1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは200万円以下の罰金、あるいはその両方」と定められています(出入国管理及び難民認定法第73条)。
さらに、アルバイトが「専ら」であり、それが「明らかに認められる」場合には、罰則はさらに重くなってしまうため注意が必要です。入管法では、「3年以下の懲役もしくは禁錮もしくは300万円以下の罰金、あるいはその両方」と規定されています(出入国管理及び難民認定法第70条1項4号)。
このように、経営管理ビザで無許可のアルバイトを行うことは大きなリスクを伴うため、絶対に避けるべきです。
3.経営・管理ビザでアルバイト・副業が可能なケース
経営管理ビザでのアルバイトや副業は原則として認められませんが、例外的に可能なケースが存在します。それは以下のようなケースです。
【経営管理ビザで認められた特殊なケース】
経営コンサルティング会社の経営者が、特定の大学で客員教授としての活動を認められた例があります。ただし、このようなケースは極めて稀です。
【就労ビザからの移行】
技術・人文知識・国際業務ビザなどのビザで働きながら、副業で会社を設立し経営管理ビザに変更するケースがあります。この場合、以下の点に注意が必要です。
- 現在の勤務先の副業規定を確認する
- 「経営・管理をする」という資格外活動許可を取得する
【高度専門職ビザの活用】
高度専門職ビザ保有者は、法律上、自身のビザに関連する会社の副業的経営が認められています。ただし、以下の制限があります。
- 会社経営は副業であり、メインの活動ではないこと
- 自分のビザに関連する会社の経営であること
副業を検討する際は、事前に専門家に相談し、法的な問題がないかを確認することが重要です。
4.資格外の活動をするには資格外活動許可が必要
外国人がアルバイトなどの資格外活動を行う場合、「資格外活動許可」が必要です。この許可は、現在の在留資格に含まれない業務で報酬を得る際に求められ、留学生や就労資格を持つ人が主な対象となります。
資格外活動許可には「包括許可」と「個別許可」の2種類があり、経営管理ビザでは通常、個別許可が必要です。以下では、資格外活動許可の要件や申請方法について詳しく解説します。
4-1.資格外活動許可の要件
資格外活動許可とは、現在の在留資格に含まれない業務で報酬を得るために必要な許可です。「永住者」や「定住者」など就労制限がない在留資格の人は対象外です。
ここでは、「包括許可」と「個別許可」それぞれについて解説します。
4-1-1.包括許可
包括許可とは、特定の職場や仕事内容に縛られることなく、資格外活動を認める許可です。例えば、留学生がアルバイトをする場合、この許可を取得していればアルバイト先を変更しても新たな申請は不要です。ただし、包括許可が認められるのは「留学」や「家族滞在」、卒業した留学生が就職活動を行うための「特定活動」の在留資格に限られます。
経営管理ビザでは包括許可を申請することはできても、実際には許可されることがほとんどないため、資格外活動を行うには「個別許可」が必要です。
また、包括許可には活動時間の制限もあります。留学生の場合、通常は「週28時間以内」に限られますが、夏休みなどの長期休暇中は「1日8時間」まで認められます。これを超えると不法就労と見なされるため、十分な注意が必要です。
4-1-2.個別許可
個別許可とは、勤務先や職種などの条件を個別に審査し、資格外活動許可の一般的な要件をすべて満たした場合に認められる許可です。
包括許可の対象外となる活動や、現在の在留資格とは異なる就労系の活動を行いたい場合に申請が必要です。
ただし、在留資格を妨げると判断される場合は認められません。また、活動内容が変わるごとに、資格外活動許可の申請が求められます。例えば、大学で働く「教授」の在留資格を持つ外国人が、民間企業で語学講師のアルバイトをする場合などが該当します。
経営管理ビザの場合、個別許可により本業との関連性が強く、特定の機関と契約のうえ行う活動であれば、アルバイトが認められる可能性もあります。
4-2.資格外活動許可の申請方法
資格外活動許可の申請は、原則として本人が行いますが、法定代理人や所属機関の職員、行政書士も手続きを代行できます。
申請場所は、申請者の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署であり、手数料はかかりません。
申請には「資格外活動許可申請書」や雇用契約書、在留カード、パスポートなどが必要です。
審査期間は2週間から2か月ほどかかるため、早めに準備するようにします。許可は現在の在留資格が満了する日まで有効ですが、在留資格の更新時には再申請が必要です。
参考:出入国在留管理庁|資格外活動許可について
5.まとめ
本記事では、経営管理ビザにおいてアルバイトができるかどうかについて解説しました。内容をまとめると、以下のとおりです。
| ✓経営管理ビザでは、原則としてアルバイトや副業は認められていない。
✓許可なくアルバイトをした場合、罰則が科される可能性もある ✓例外的に、特定の条件下でアルバイトが認められるケースもあるが、事前に専門家へ相談が必要である。 ✓資格外活動を行う場合は、「資格外活動許可」を取得する必要がある。 |
経営管理ビザは、日本での事業経営や管理を目的とする在留資格であり、原則としてアルバイトや副業は認められていません。資格外活動の許可を申請しても、許可されないケースがほとんどです。
無許可でアルバイトを行った場合は、厳しい罰則が科されるため注意しなければなりません。
ただし、特定の条件下で例外的に許可されるケースも存在し、経営コンサルタントが大学で客員教授として活動するなどの稀な事例があります。
アルバイトを希望する場合には、事前に専門家に相談し、法的なリスクを回避しておくことが重要です。
この記事の監修
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士
斎藤 竜(さいとうりょう)
相談実績5000件超、実務経験10年以上の経験を持つ司法書士。
海外にまつわる相続やビジネスに関する法律、契約書作成、コンプライアンスに関するアドバイスなど、幅広い分野に対応。近年は、当事者の一部が海外に移住するケースなど国際相続の相談が多く、精力的に取り組んでいる。
【主なサポート実績】
年間100件以上の会社設立、不動産・法人登記をサポート。
アメリカ、中国、韓国など、20カ国以上の外国人の不動産取引、起業を支援。
IT、飲食、貿易、コンサルティングなど、多岐にわたる業種の設立実績。
司法書士・行政書士として、会社設立の登記手続きから経営管理ビザの取得、その後の役員変更や増資まで、ワンストップでサポートできるのが強みです。まずはお気軽にご相談ください。

