2025/1/30 2025/3/4

外国人の不動産登記

外国人の不動産住所変更登記の必要書類や注意点、申請方法を解説

外国人の方が日本で不動産を所有している場合、住所変更登記には適切な手続きが求められます。特に外国人ならではの注意点や必要書類に関する情報は、事前に理解しておかなければなりません。

本記事では、外国人が不動産の住所変更登記を行う際の流れや必要書類、そして申請時の注意点について詳しく解説します。これから引っ越しを予定している方は、スムーズに手続きを進めるための参考にしてください。

今回の記事のポイントは以下のとおりです。


✓登記申請には、申請書住民票の写し印紙税(1物件につき1,000円)が必要
住民票のない外国人は、宣誓供述書とパスポートの写しが必要である2024年4月改正で、ローマ字氏名登記が必須となったが、住所変更登記では不要✓住所変更は、住所や氏名に変更があった日から2年以内の登記が義務化された

外国人の住所変更登記の手続きについて解説します

1.外国人が不動産の住所変更登記をする際の流れ

不動産の住所変更登記をする際の流れは、以下のとおりです。

  1. 登記申請書の作成
  2. 登録免許税の納付
  3. 作成した書類の提出
  4. 法務局での登記完了書類の受領

順を追って見ていきましょう。

1-1.登記申請書の作成

登記申請書の作成には、A4サイズの用紙が必要です。文字は、パソコンまたはワープロを使用して入力するか、黒色インクや黒色ボールペンで記載します。印刷する際は片面印刷でなければなりません。登記申請書が複数ページにわたる場合には、ホチキスで留めた各用紙のつづり目に契印をします。登記申請書の作成後、次の登録免許税の納付に進みます。

1-2.登録免許税の納付

不動産の住所変更登記を行う際には、登録免許税の納付が必要です。不動産(土地または建物)1物件につき、1,000円の登録免許税がかかります。この税額分の収入印紙を準備し、登記申請書とあわせて提出します。

収入印紙は、登記申請書に直接貼り付けるのではなく、別の白紙(台紙)に貼りましょうそして、台紙を登記申請書と一緒にとじ、登記申請書の裏面と台紙とのつづり目に契印収入印紙には押印しませんします。

1-3.作成した書類の提出

作成した登記申請書と必要な添付書類を、不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。提出方法は、直接窓口に持参する方法と郵送する方法の2通りがあります。

窓口に持参する場合は、法務局の受付時間午前9時00分から午後5時00分に注意し、必要な書類を忘れずに持参しましょう。郵送で提出する場合は、封筒の表面に「不動産登記申請書在中」と記載し、書留郵便で送付します。提出後は、法務局からの通知を待ちます。

1-4.法務局での登記完了書類の受領

法務局での不動産住所変更登記が完了すると、登記完了証が交付されますこの書類を受領することで、住所変更手続きは完了です。

受領方法は、以下の2通りがあります。

直接法務局の窓口で受け取る方法

登記申請書に押印したものと同じ印鑑を持参し、担当窓口で登記完了証を受け取ります。

郵送で受け取る方法

申請時に郵送希望を出しておくと、自宅に登記完了証が送付されます。その際、登記申請書に「郵送による受領を希望する旨」と「郵送先住所」を記載しましょう。さらに、宛名を記載した返信用封筒と郵便切手を登記申請書とともに提出する必要があります。

登記完了証の受領後は、内容に誤りがないかの確認をするようにしましょう。

参考:法務局 住所変更の登記を申請するために必要な書類と費用

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2.住所変更を行う際の登記申請の必要書類

住所変更を行う際の登記申請には、以下の書類が必要です。

  • 登記申請書
  • 住民票の写し
  • 住民票を持たない外国人の場合は、「宣誓供述書」と「パスポートのコピー

ここでは、「登記申請書」や「住民票の写し」、「宣誓供述書」について解説します。

2-1.登記申請書

住所変更のために必要な登記申請書は、法務局のホームページからダウンロードして作成できます。登記申請書に記入する主な情報としては、申請者の氏名や住所、変更後の住所、不動産の所在や地番、そして登記の目的などがあります。

情報に誤りがあると手続きが遅れるため、正確に記入しましょう。また、申請書には申請者の印鑑認印で可)を押す必要があります。事前に必要な情報を確認し、ミスのないよう慎重に作成しましょう。

2-2.住民票の写し

住所変更登記の申請には、マイナンバーが記載されていない住民票の写し(市区町村が発行した証明書の原本)を添付します。なお、登記申請書に住民票コードを記載することで、提出の省略が可能です。

この住民票には、不動産所有者の登記簿に記載された旧住所(移転前の住所)と現在の住所、さらに住所移転の日付が明記されていなければなりません。

複数回の住所移転がある場合、住民票の写しだけでは移転の履歴を証明できない場合があります。そのような場合には、戸籍の附票の写しなどを追加で提出し、旧住所から新住所への移転経緯を明確にしなければなりません。

ただし、外国人の場合は、次の「宣誓供述書」により旧住所から新住所への移転経緯を証明します。

2-3.宣誓供述書

日本に住所がない外国人の住所変更登記では、宣誓供述書が住所変更の証明書類として必要となります。宣誓供述書は、本人が自己の知りえた事実を書き記し、公証人の面前でその内容が真実であることを宣誓した上で署名し、公証人が認証を行う文書です。

以下では、不動産登記における宣誓供述書の具体的な内容や作成方法について解説します。

宣誓供述書の内容

宣誓供述書は、供述者の情報が事実であることを証明する文書です。宣誓供述書には、供述者の氏名や住所、生年月日などの個人情報や証明すべき内容の詳細が記載され、内容の真実性についての誓約も含まれます。

外国人の場合、母国や法人設立国の公証人が作成した宣誓供述書に署名を行い、公証人が署名を認証することで、文書は公的な信頼性と法的効力を有します。

不動産住所変更登記で用いる宣誓供述書には、以下の情報が必要です。

  • 氏名
  • 現住所
  • 前住所
  • 移転年月日
  • 生年月日

宣誓供述書の作成方法

宣誓供述書は以下のいずれかの方法で作成します。

  • 居住国の公証役場(NOTARY OFFICE)での公証人による認証
  • 日本における本国の大使館または領事館での認証

登記申請時にはパスポートのコピー(宣誓供述書が作成された日、または登記申請の受付の日において有効であることが必要)も必要です。さらに、宣誓供述書が外国語で作成されている場合は、日本語訳の添付も必要です。

なお、宣誓供述書には有効期限がないため、来日する前に居住国の公証役場で事前に準備をしておくのがよいでしょう。ただし、国によっては在日大使館や領事館で対応していない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

3.外国人の方が住所変更の登記を作成する際の注意点

外国人が住所変更登記を行う際には、いくつかの注意点があります。住民票に住所変更前の住所が記載されていないケースでの対応や、2024年4月1日に施行されたローマ字氏名の併記についても理解しておく必要があります。

3-1.住民票に変更前の住所が記載されない場合がある

外国籍の人に住民票が発行されるようになったのは、平成24年(2012年)7月9日からです。それ以前は「外国人登録原票」という書類が住所の証明書類として使用されていました。

そのため、平成24年7月9日より前に、登記した際の住所から住所変更を行った場合、住民票には変更前の住所が記載されていません。その場合、住所移転の経緯を証明するため、出入国在留管理庁に外国人登録原票の開示請求をする必要があります。

3-2.住所等変更登記申請が義務化

令和3年(2021年)の不動産登記法の改正により、令和8年(2026年)4月1日から住所等の変更登記申請が義務化されます。

この義務化により、不動産の所有者は、住所や氏名に変更があった日から2年以内に変更の登記を申請しなければなりません。

さらに、令和8年4月1日より前に住所や氏名の変更があった場合でも、変更の登記を行っていない場合は、令和10年(2028年)3月31日までに申請を完了する必要があります。

3-3.住所変更登記ではローマ字氏名の登記は不要

外国人の方が不動産の住所変更登記を行う際に、「ローマ字氏名の併記が必要か?」という疑問を持たれることがあります。しかし、住所変更登記自体では、ローマ字氏名の併記は必要ありません。

ただし、特定の事情や目的によっては、ローマ字氏名の併記を求められる場合もあるため、事前に確認しておくことが重要です。

2024年4月1日から外国人のローマ字氏名の登記が必要

2024年4月1日から施行された不動産登記法の改正により、外国人は不動産登記においてローマ字氏名の登記が必要になりました。この改正は、所有権の登記名義人を識別しやすくするためのものです。

外国人は、カタカナや漢字での氏名に加えて、ローマ字での氏名を併記することが求められます。ローマ字との併記により、登記手続きがより明確になり、外国人にとっても安心して不動産の住所変更が行えるようになります。

新しい規定に対応するためには、事前に必要な書類の準備や手続きの流れを確認しておくことが重要です。

ローマ字氏名併記が必要または併記されるケース

住所変更登記では不要とされるローマ字氏名の併記ですが、以下の場面では推奨または必要になることがあります。

所有権の保存登記や移転登記の場合

外国人が所有権の登記名義人として新たに登記される際、ローマ字氏名の併記が必要です。また、ローマ字氏名の登記申請がなされていない場合、ローマ字氏名は外国人名義人の同一性を確認するための重要な要素であるため、住民票や旅券にローマ字氏名が記載されている場合には、登記官から申出を促されることがあります。

本人からローマ字氏名併記の申し出があった場合

ローマ字氏名は外国人名義人の同一性を確認するための重要な要素であり、所有者である外国人からローマ字氏名併記の申出があった時には、ローマ字氏名の登記がされます。

令和6年4月1日の法改正により、ローマ字氏名併記の手続きが明確化されました。住所変更登記ではローマ字氏名の併記は不要ですが、所有権の識別性を向上させる目的で別途申出を行うことが可能です。

ローマ字氏名の併記が必要かどうかは、所有者の状況や登記官の判断により異なります。迷った場合には、専門家に相談し、適切に対応するようにしましょう。

4.まとめ

本記事では、外国人の不動産住所変更登記について解説しました。内容をまとめると、以下のとおりです。


✓登記申請には、申請書住民票の写し印紙税(1物件につき1,000円)が必要
住民票のない外国人は、宣誓供述書とパスポートの写しが必要である2024年4月改正で、ローマ字氏名登記が必須となったが、住所変更登記では不要

✓住所変更は、住所や氏名に変更があった日から2年以内の登記が義務化された

外国人の方が日本で不動産の住所変更登記を行う際には、必要書類や手続きの流れをしっかりと把握することが重要です。

例えば、住民票上で住所変更の履歴がつながっているかの確認や、宣誓供述書の作成、法務局での手続きなどがあります。

手続きに不安や疑問がある場合は、司法書士に相談することをおすすめします。専門家のアドバイスを受けることで、手続きをスムーズかつ安心して進められるでしょう。

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この記事の監修

斎藤 竜(さいとうりょう)

司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士

斎藤 竜(さいとうりょう)

相談実績5000件超、実務経験10年以上の経験を持つ司法書士。
海外にまつわる相続やビジネスに関する法律、契約書作成、コンプライアンスに関するアドバイスなど、幅広い分野に対応。近年は、当事者の一部が海外に移住するケースなど国際相続の相談が多く、精力的に取り組んでいる。

【主なサポート実績】
年間100件以上の会社設立、不動産・法人登記をサポート。
アメリカ、中国、韓国など、20カ国以上の外国人の不動産取引、起業を支援。
IT、飲食、貿易、コンサルティングなど、多岐にわたる業種の設立実績。

司法書士・行政書士として、会社設立の登記手続きから経営管理ビザの取得、その後の役員変更や増資まで、ワンストップでサポートできるのが強みです。まずはお気軽にご相談ください。

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