2023/12/21 2024/3/10

外国人ビザ

配偶者ビザの在留期間は?3年ビザを取るためのポイントを詳しく解説

配偶者ビザのうち、最初に付与される在留期間は通常1年です。その1年後の更新で在留期間3年を目指す方が多いです。3年の在留期間が付与されると、永住権の取得が見えてきます。

しかし、配偶者ビザの更新申請をしても、1年の在留許可しか得られないケースもあります。そのため、永住許可申請を将来的に検討しているのであれば、次の更新時にどうすれば3年ビザが取れるかを考えて対応する必要があります。

今回の記事のポイントは以下のとおりです。

✓配偶者ビザの在留期間は「6か月」「1年」「3年」「5年」の4種類がある

✓在留期間は基本的に1年から始まり、その後要件を満たすと3年、5年と長期の在留期間が付与されていく可能性がある

✓在留期間3年の配偶者ビザを取得するためのポイントは安定収入」「納税義務」「結婚生活の継続である

✓在留期間3年間の年配偶者ビザを取得した段階で、永住にチャレンジできるようになる

本記事では、配偶者ビザの在留期間が「6か月」「1年」「3年」「5年」の4種類それぞれの審査基準や更新に向けての対策についてまとめました。更新時に3年以上の配偶者ビザを取得するためのポイントについても紹介します。

配偶者ビザのそれぞれの審査要件を知り、将来的に永住権を取得できるよう計画的に準備をしておきましょう。

1.配偶者ビザの「在留期間」とは?

配偶者ビザの在留期間は「6か月」「1年」「3年」「5年」の4種類の期間が設定されています。

6か月の期間が適用されることは婚姻関係が実質的に破綻しているなどのケースが該当します。一般的には、配偶者ビザ取得後の在留期間は基本的に1年から始まり、その後3年、5年へとそれぞれの在留期間の要件を満たすと、付与される年数は順次増加します。このステップアップの過程で、日本における信用を築いていくことが重要です。

最初の更新で直ちに3年の許可を得ることは困難です。

配偶者ビザは”配偶者”という身分に該当していることが必要です。
配偶者ビザ取得時は日本での社会的地位や偽装結婚のリスクを考慮し、1年に1回の在留期間の更新において入国管理局の管理下でチェックされます。また、日本で疑わしい行動を繰り返すと、2回目の更新でも1年の在留期間になってしまうことがあるため注意は必要です。

2.配偶者ビザの各在留期間の基準

配偶者ビザ在留期間4種のうち、最初に付与される在留期間は通常「1年」ですが、多くの収入があるなどのケースでは、出入国在留管理局の判断により最初から3年の在留期間になることもあります。多くの場合、1年間の結婚生活を経て最初の更新時には3年の在留期間が付与されます。

しかし、毎更新時に1年の在留期間しか認められないケースもあります。出入国在留管理局が「在留状況を1年ごとに確認する必要がある」と判断しているためです。更新時の在留期間ごとの基準は以下のとおりです。

2-1.配偶者ビザ5年の基準

5年の配偶者ビザを取得するためには、下記の1~5の全ての条件を満たす必要があります。

1つでも欠けた場合には、5年ビザの許可は得られません。入管法に基づく届出義務や納税義務などの公的義務を期限内に適切に行うこと、また結婚後の同居期間が3年以上であることなどが5年ビザの取得要件です。

  • 住居地や住居地変更の届出、所属期間の変更の届出などの入管法上の届出義務を果たしてしていること
  • 各種の公的義務を果たしていること
  • 子供を小学校または中学校(インターナショナルスクールも含む)に通学させていること
  • 主たる生計維持者が納税義務を果たしていること
  • 家族構成、婚姻期間などからみて、結婚生活の継続が見込まれていること(婚姻後の同居期間が3年を超えること

3年の配偶者ビザの許可を得ている場合、永住権の申請が可能です。

そのため、3年ビザを取得した場合、上記の5年ビザの要件を満たし5年ビザの申請を待つことなく永住権申請を行うことも可能です。ただし、提出書類から税金の未納が明らかなことや、合理的な理由がないにも関わらず夫婦が同居していないことが判明した場合、更新は認められず突然許可が取り消されることもあります。

2-2.配偶者ビザ3年の基準

3年の在留期間の基準は、次のとおりです。
3年以上の許可が得られると、永住や帰化の申請が可能です。

  • 住居地や住居地変更の届出、所属期間の変更の届出などの入管法上の届出義務を果たしてしていること
  • 各種の公的義務を果たしていること
  • 子供を小学校または中学校(インターナショナルスクールも含む)に通学させていること
  • 主たる生計維持者が納税義務を果たしていること
  • 結婚生活の継続が見込まれること(同居期間3年以上は不要

前述の5年ビザとの要件の主な違いは「3年以上の同居実績があるかどうか」の有無です。結婚して3年の同居実績がなくても3年ビザは認められます。また、3年ビザの要件の全ての条件を満たしていない場合であっても、軽微な場合には許可が出る可能性があります。ただし、税金の滞納があるとほぼ不可能に近いです。

2-3.配偶者ビザ1年の基準

配偶者ビザのうち、最初に許可される在留期間は通常1年です。1年の更新基準として守らなければいけない要件は以下のとおりです。

  • 住居地や住居地変更の届出、所属期間の変更の届出などの入管法上の届出義務を果たしてしていること
  • 各種の公的義務を果たしていること
  • 子供を小学校または中学校(インターナショナルスクールも含む)に通学させていること
  • 主たる生計維持者が納税義務を果たしていること

上記4つの要件は3年更新の要件と同じですが、婚姻生活の継続性に疑問があったり、上記4つの要件の義務の一部に不履行があり、下記のケースに該当する場合が1年の更新となります。

①結婚生活の継続性を1年に1度確認する必要がある場合
②在留状況からみて、1年に1度その状況を確認する必要がある場合
③滞在予定期間が6か月を超え1年以内の人

1年の配偶者ビザを取得するには特に①と②について、年に1度確認する必要がない婚姻、生活状況であると審査官に理解を得られることが必要です。

2-4.配偶者ビザ6か月の基準

以下の①~③に当てはまる場合は、6か月となってしまいます。離婚調停中や離婚訴訟中の場合も6か月の在留期間です。入国管理局も未来が不確定な状況を考慮し、1年の在留許可を出すことは困難と判断しています。

①離婚調停または離婚訴訟が行われている(夫婦双方が婚姻継続の意思がなく、今後、配偶者としての活動が見込まれない場合を除く)
②夫婦の一方が離婚の意思を明確にしている
③滞在予定期間が6か月以下の場合

次回の更新時には、婚姻関係が回復しているかといったことや、婚姻関係が崩壊していないことを証明する必要があります。

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3.3年以上の配偶者ビザを取得するためのポイント

配偶者ビザの初回は1年であることが一般的です。その後、1年の更新をし、次の2回目の更新時に、審査官に”1年に1度、婚姻・生活状況を確認する必要がない”と判断されることで、3年ビザへとステップアップしていく(1年→1年→3年)のが理想です。

3年以上のビザを取得する際には、安定した収入や社会保険等の支払い、そして結婚生活の実態が重要なポイントです。これらを証明するためには、更新申請時に必要な書類だけでなく、強調したいポイントについては自分で申請理由書を用意してアピールすることも忘れてはいけません。

ただし、入国管理局に提出した資料は長期間保管されるため、収入等を大げさに見せるなどして疑義を生じてしまうと逆効果になってしまいます。資料の作成は慎重に行うようにしましょう。

3-1.安定した収入がある

3年以上の配偶者ビザを取得するためには、更新申請時に住民税の課税証明書と納税証明書が特に重要です。課税証明書と納税証明書に記載されている給与収入を基に、入国管理局が日本での安定した生活を維持できるかどうかを確認します。

大企業で長く勤務し高額な給与を得ている場合には、3年以上のビザを取得する可能性が高いです。さらに、日本人の配偶者との間に日本人の子供がいる場合、3年以上のビザが許可される可能性は高まります。

配偶者である日本人の収入がなくても構わない

配偶者等ビザは、日本国籍を持つ配偶者が必ずしも扶養者である必要はありません。家族の状況に応じて、外国籍の配偶者自身が世帯全体の家計を支える扶養者となる場合もあります。ここで大切なのは、夫婦や家族が共に安定した生計を営むことができるかどうか、収入や貯金を含む家庭の経済状況が評価の中心となります。

3-2.婚姻の継続性がある

結婚生活が続いていることは、配偶者ビザの審査において重要な要件です。審査官は、夫婦間の同居の有無を確認します。単身赴任などの場合には、申請理由書などで同居できない理由などの状況を詳細に説明すれば、審査がスムーズに進みます。

さらに結婚の安定性が重視されるため、安定した職に就いていることや夫婦で生活するための十分な収入があることは重要なポイントです。在留期間を3年以上に延ばすためには、仕事を継続し収入を確保することが重要です。さらに、勤続年数を増やし年収を上げられれば、それもプラス要素だといえます。

3-3.入管法上の届出・公的義務・納税義務を果たしている

入管法上の届出(住所地、住所地の変更等、在留カードに関する義務、配偶者に関する届出など)、各種税金・年金・健康保険等の支払いは期限内に支払うことが大切です。未納分がある場合は、ビザの更新申請を行う前に支払っておきましょう。未納がないということは、配偶者ビザの3年間の許可を得るためだけでなく、将来の永住申請の際にも重要な審査基準(住民税の納税証明書を原則5年分提出)です。

特に「住民税」は入国管理局でチェックされます。会社員の場合、住民税は給与から自動的に引かれるため問題ありませんが、個人事業主などの場合は未納がないように注意が必要です。支払いを忘れないように口座振替に設定し、自動的に支払いが行われるように調整しましょう。

4.まとめ

本記事では、配偶者ビザの在留期間の種類や更新3年以上のビザを取るためのポイントについて解説しました。内容をまとめると、以下のとおりです。

✓配偶者ビザの在留期間は「6か月」「1年」「3年」「5年」4種類がある

✓在留期間は基本的に1年から始まり、その後3年、5年と順次増加していく

✓更新のステップアップを踏まえて、日本における信用を築いていくことが重要である

✓3年配偶者ビザを取得するためのポイントは安定収入」「納税義務」「結婚生活の継続である

✓3年配偶者ビザを取得した段階で、永住にチャレンジできるようになる

配偶者ビザでは、結婚生活の継続性や安定性が求められます。その上で、納税義務を確実に果たし、届出などを忘れずに行なっていきましょう。配偶者ビザ3年を取得すれば、永住ビザ申請がみえてきます。

配偶者ビザの申請や更新にはさまざまな書類や要件が求められます。手続きが難しいと感じるときは、専門家に依頼するのもひとつの方法です。

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この記事の監修

斎藤 竜(さいとうりょう)

司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士

斎藤 竜(さいとうりょう)

相談実績5000件超、実務経験10年以上の経験を持つ司法書士。
海外にまつわる相続やビジネスに関する法律、契約書作成、コンプライアンスに関するアドバイスなど、幅広い分野に対応。近年は、当事者の一部が海外に居住するケースなど国際相続の相談が多く、精力的に取り組んでいる。

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