2023/12/21 2024/3/12

外国人ビザ

配偶者ビザの更新│必要書類や期間、不許可とならないための注意点を解説

日本人と結婚した外国人は、配偶者ビザを取得することで日本に滞在できます。配偶者ビザには在留期限があり、継続して滞在するには更新を行う必要があります。

今回の記事のポイントは以下の通りです。

✓配偶者ビザの更新手続きは、在留期間満了前の3か月前から申請でき、更新には単純更新と事情説明が必要な更新の2パターンに大きく分けられる

配偶者ビザの最初の在留期間は1年からスタートすることが多く、更新時には、5年、3年、1年、及び6ヶ月がある。3年、5年の在留期間が付与されるためには、その要件を満たす必要がある。

✓配偶者ビザ更新の審査のポイントは、在留資格に該当すること、婚姻関係が継続していること、収入状況が安定していること、素行が良好であること、納税や届出などの義務を履行していることなど複数ある

✓事情説明が必要な更新では通常の申請書類だけでなく理由書を提出し、状況を詳しく説明することでスムーズに審査される

✓経済的に安定して婚姻関係が継続している場合、在留期限が3年のビザを取得できる可能性が高まる

本記事では、配偶者ビザの更新手続きに必要な情報をまとめました。更新が許可されない場合を紹介し、必要な書類と審査のポイントについて解説します確実に配偶者ビザの更新を行うために、ぜひお役立てください。

1.配偶者ビザの更新手続きとは

配偶者ビザの更新手続きは、在留期間の満了日の3ヶ月前から開始することが可能です。

この手続きは、居住地を所轄する入出国管理局にて行います。ただし、入院や長期の出張など、特別な事情がある場合には、3ヶ月よりも早く申請することが認められることもあります。

配偶者ビザを更新する方法は、単純に書類を提出するのみの方法(単純更新)と、生活状況に大きな変化があり事情説明を伴う方法の2つに大きく分けられます。

ビザの更新時期は、運転免許証のようにお知らせが届くわけではありません。自分で在留期間を管理して期限までに更新手続きを行う必要があるため、忘れないように注意しましょう。

1-1.単純更新

前回の配偶者ビザの申請時から生活状況などが変化していない場合の更新方法です。たとえば、離婚や再婚をしていない、収入や就労状況に大きな変化がないという場合は、単純更新に該当します。

このようなケースでは、細かい事情の説明や理由書がなくても、更新が認められます。通常、配偶者ビザの在留期間は「1年、次に1年、その後3年」というパターンで設定され、結婚から3年が経過すると、3年間の在留が許可されるケースが多いです。

配偶者ビザにおいて3年間の在留期間を持つビザの更新が許可されることは、永住権を申請する際の重要な条件の一つです。そのため、3年間のビザを獲得するためには、在留の実績をしっかりと積み上げていくことが重要になります。

1-2.事情説明等が必要な更新

前回の配偶者ビザの申請時から生活状況(離婚、再婚、退職、失業など)が大きく変化している場合は、書類の提出に加えて事情の説明が必要です。

たとえば、前回配偶者ビザを取得したときの配偶者と離婚し、別の日本人と再婚しているケース、夫婦同居ができなくなり別居しているケースが挙げられます。失業などにより世帯の収入が大きく減少した場合もその1つです。

状況に変化のある場合は単純更新とは異なり、審査も厳しくなる傾向にあります。通常の申請書類だけでは、詳しい事情を説明しきれないことが多いものです。婚姻の安定性・継続性について理由書を加えて提出することで、更新許可の審査に対応する必要があります。

2.配偶者ビザの在留期間

配偶者ビザには、在留期間が5年、3年、1年及び6ヶ月の区分があります。

通常、初回のビザは1年間となるケースが多く、その後、結婚生活を継続し、更新手続きを経て、3年間のビザ取得を目指す流れになります。

日本人の配偶者に対して、配偶者ビザのそれぞれの在留期間が認められる基準としては、下記のように定められています。つまり、更新時にはそれぞれの定める要件を満たさないと、3年間、5年間のビザは認められないということになります。

2-1.在留期間5年

在留期間5年間の配偽者ビザを付与されるには、下記の定められた5つの条件を全て満たす必要があります。

  1. 申請人が入管法上の届出義務(住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変更の届出等)を履行しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない)
  2. 各種の公的義務を履行しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない)
  3. 学齢期(義務教育の期間をいう)の子を有する親にあっては、子が小学校又は中学校(いわゆるインターナショナルスクール等も含む)に通学しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない)
  4. 主たる生計維持者が納税義務を履行しているもの
  5. 家族構成、婚姻期間等婚姻を取りまく諸状況からみて、婚姻及び配偶者の身分に基づく生活の継続が見込まれるもの(婚姻については、婚姻後の同居期間が3年を超えるものに限る

もし、上記の条件の一つでも満たされなければ、5年間のビザの発行は認められません。

すでに3年間の配偶者ビザを持っている人は、永住権を申請することが可能となるため、多くの場合、在留期間5年に更新する前に永住権許可申請を選ぶことが多いです。

2-2.在留期間3年

在留期間3年は、次のいずれかに該当するものに付与されます。

  1.  5年の在留期間を決定されていた者で、在留期間更新の際に次のいずれにも該当するもの
    a 5年の在留期間の項の1から4までのいずれかに該当しないもの
    b 家族構成、婚姻期間等婚姻を取りまく諸状況からみて、婚姻及び配偶者の身分に基づく生活の継続が見込まれるもの
  2. 5年、1年または6か月の在留期間のいずれにも該当しないもの

「1.」は在留期間5年を保有している外国人が配偶者ビザの更新で、5年の要件である1~4のいずれかを満たさなくなった場合に在留期間5年から3年へランクダウンとなった場合です。

そのため、一般的に在留期間1年から3年へのステップアップを目指す場合には、「2.」を満たす必要があります。

在留期間3年の要件

在留期間3年の要件は規定上わかりづらいですが、配偶者としての身分に基づく婚姻及び生活上の継続が見込まれるという要件を満たしたうえで、さらに下記の要件を満たす必要があります。

  • 申請人が入管法上の届出義務(住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変更の届出等)を履行しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない
  • 各種の公的義務を履行しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない)
  • 学齢期(義務教育の期間をいう)の子を有する親にあっては、子が小学校又は中学校(いわゆるインターナショナルスクール等も含む)に通学しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない)
  • 主たる生計維持者が納税義務を履行しているもの

上記の4つの要件全てを満たしていることが望ましいですが、一部の要件が軽微な不履行であれば、在留期間3年の更新が認められる可能性があります。また、在留期間5年と異なり、3年以上の同居実績も問われません。

在留期間が1年、6か月となってしまうマイナスの評価がされる要件を満たさない状態となれば、永住権申請が可能となる在留期間3年に更新できる可能性があります。

2-3.在留期間1年

一般的に配偶者ビザを取得した際に付与される在留期間は1年です。多くの方が1年から3年へとステップアップを目指しています。

在留期間1年は、次のいずれかに該当するものが1年となります。

  1. 3年の在留期間を決定されていた者で、在留期間更新の際に5年の在留期間の項の1から4までのいずれかに該当しないもの
  2. 家族構成、婚姻期間等婚姻を取りまく諸状況からみて、婚姻及び配偶者の身分に基づく生活の継続性を1年に一度確認する必要があるもの
  3. 在留状況からみて、1年に一度その状況を確認する必要があるもの
  4. 滞在予定期間が6か月を超え1年以内のもの

「1.」の要件は、在留期間3年の外国人が配偶者ビザ更新時に1年へランクダウンする基準を定めています。

在留期間1年の要件

在留期間1年の要件も規定上わかりづらいですが、3年との違いは、配偶者としての身分に基づく婚姻及び生活上の継続が見込まれるか、見込まれないかという点です。下記の4つの要件(一部の不履行でも認められる可能性がある)については、在留期間3年と同じです。

  • 申請人が入管法上の届出義務(住居地の届出、住居地変更の届出、所属機関の変更の届出等)を履行しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない
  • 各種の公的義務を履行しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない)
  • 学齢期(義務教育の期間をいう)の子を有する親にあっては、子が小学校又は中学校(いわゆるインターナショナルスクール等も含む)に通学しているもの(上陸時の在留期間決定の際には適用しない)
  • 主たる生計維持者が納税義務を履行しているもの
審査官に1年に1度夫婦間の婚姻・収入状況を確認不要と判断させることがポイント

特に在留期間3年を目指す場合には、1年となってしまう要件である下記の夫婦間の婚姻状況、収入状況などの項目について、審査官が1年に1度、更新申請者を確認する必要がないと判断させることが必須です。

  • 家族構成、婚姻期間等婚姻を取りまく諸状況からみて、婚姻及び配偶者の身分に基づく生活の継続性を1年に一度確認する必要があるもの
  • 在留状況からみて、1年に一度その状況を確認する必要があるもの

「婚姻関係や配偶者としての生活が継続していることを示す家族構成や婚姻期間などの諸状況」や「在留状況等を考慮した上で」の記述から、夫婦間での実子の誕生、同居を伴う婚姻期間の長さ、経済的な安定、日本での在留実績などが、在留期間3年を目指すための申請書や添付資料を通じて適切に評価されることが重要とされています。

2-4.在留期間6か月

次のいずれかに該当してしまうと、在留期間は6か月となってしまいます。

  1.  離婚調停又は離婚訴訟が行われているもの(夫婦双方が婚姻継続の意思を有しておらず、今後、配偶者としての活動が見込まれない場合を除く)
  2.  夫婦の一方が離婚の意思を明確にしているもの
  3.  滞在予定期間が6か月以下のもの

婚姻の継続を続けるのが難しい状況になってしまうと、1年以下の在留期間となってしまいます。次回もこの状態が継続していると配偶者ビザの更新が難しくなります。

3.配偶者ビザ更新のタイミングや審査期間

配偶者ビザを更新するには、手続きのタイミングや審査にかかる期間、更新のためのチェックポイントを押さえておく必要があります。問題なく更新できるように、ぜひ把握しておきましょう。

3-1.更新手続きのタイミング

配偶者ビザの更新手続きは、在留期限の3か月前から申請ができます。在留期限の間際の申請でも問題はありません。在留期限が到来する前に申請が受理され、在留期限になっても審査結果が出ない場合は、在留期間が2か月自動的に延長されます。

ただし審査に追加書類を求められた場合は、自動延長された2か月が経過する前に準備しなければなりません。とくに仕事をしている場合は準備の時間が限られます。早めに更新の手続きをした場合でも、次のビザの在留期限が短くなるわけではないため、十分に余裕を持って手続きを行いましょう

3-2.更新審査に要する期間

更新の申請から審査結果が出るまでの標準処理期間は、2週間から1か月ほどです。ただし、ケースによっては早めに結果が出たり、長引いたりすることもあるなど、審査に必要な期間は一概に言えません

ビザの更新にあたって、入国管理局は疑わしい点が1つでもあれば徹底して調査します。そのため審査に時間がかかっても、調査によって疑わしい点がなくなれば問題なく更新されます。気長に審査結果を待ちましょう。

3-3.配偶者ビザ更新の際に審査されるポイント

出入国在留管理庁の「在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」によると、先述した各在留期間の要件に加えて、ビザの更新には以下の点が考慮されるとしています。

  • 外国人が現在有する在留資格に応じた活動を行っていたこと
  • 素行が不良でないこと
  • 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  • 納税義務を履行していること
  • 入管法に定める届出等の義務を履行していること

参考:在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン(出入国在留管理)

書類に不備がないことに加えて、上記に掲げた生活の状況や法的な義務の履行状況も審査されます。特に配偶者ビザ更新時には下記の点を満たす必要があります。

婚姻生活の状況

配偶者ビザを有する外国人は、日本人の配偶者としての身分を維持する期間に限って、在留が認められます。そのため、実質的な婚姻関係がないと、配偶者ビザの更新はできません。

配偶者ビザの更新には、婚姻が安定しており、夫婦が同居し、互いに支援し合い、共に生計を立てていることが必要です。しかし、週に1回のみの同居や、配偶者が海外に長期滞在しているなど、特殊な状況下でも、適切な理由があればビザの更新が許可されることがあります。

別居でも更新が認められる理由には、仕事による単身赴任、病気、本国の両親の介護などがあります。ただし、これらの理由があっても、それらを証明できなければビザの更新は認められません。証明書類には、単身赴任の移動記録(領収書やチケット)、両親の介護が必要であることの診断書、または日本人配偶者が服役している場合の在監証明書などが必要になります。

このように同居が基本要件であるものの、特別な事情で別居している場合(例:仕事、入院、家族の介護など)、その理由を説明し、適切な証拠を提出することで更新が許可されるケースもあります。しかし、必要な証明書類が不足している場合、婚姻が破綻していると見なされ、ビザの更新が拒否される可能性があります。

また、離婚手続き中でも、日本に滞在する必要がある場合(例えば離婚協議中や訴訟中)、関連する証拠を提出することで、離婚手続きが完了するまでの最大6ヶ月のビザ更新が可能です。

婚姻生活を営むための安定した収入

配偶者ビザの更新には経済的な基盤の証明が必要です。扶養する配偶者の収入が不足している場合や、夫婦共に無職の場合は、ビザ更新が却下されるリスクがあります。

ただし、日本国内の親族からの経済的支援を受けている場合や、一方の就職が決まり安定収入が見込める場合は、生活費援助の証明書や内定通知書などの書類を提出することで、ビザの更新が許可される可能性があります。

審査では、直近1年間の収入が、本人と被扶養者の人数に基づいて算出された最低金額(78万円×人数)以上であるかどうかが目安としてチェックされます。安定した収入の証明は審査において非常に重要です。特に、夫婦共に無職の場合は、生活費の出所や今後の収入計画を示す必要があります。夫婦2人暮らしの場合は、年間所得が200万円以上あることが望ましいとされています。

個人事業主の場合も注意が必要です。確定申告を行っていても、所得金額が100万円以下や住民税非課税対象者である場合は、生活資金の源泉や今後の計画について説明する必要があります。これは、所得金額が100万円以下の場合、年間で利用可能な資金が限られていることを意味するためです。

素行と納税義務

配偶者ビザの更新には、素行が不良でないことと納税義務の履行が求められます。

これには、法令遵守と公的な義務の履行、特に税金の支払いが含まれます。住民税の未払いなど、納税義務を怠っているケースはよく見られます。配偶者ビザ更新の際には、これらの公的義務の履行状況が確認されるため、事前に確認しておくことが重要です。

税金未納や犯罪履歴の有無については、特に注意が必要です。ここで言う「犯罪履歴」には法律違反だけでなく、税金未納も含まれます。入国管理局が特に注目するのは「住民税」です。会社員であれば給与からの特別徴収が一般的ですが、個人事業主など普通徴収の対象者は、未納がないように注意が必要です。

入管法に定める届出等の義務

入管法に基づく届出義務を遵守していることも審査項目の一つです。中長期在留者、配偶者ビザ保持者も含まれます。これには、在留カードの記載事項に関する届出や所属機関に関する届出が含まれます(入管法第19条の7~第19条の13、第19条の15、第19条の16)。

例えば、配偶者ビザ保持者が引越しをした場合、新しい住所地に変更があれば、変更日から14日以内に以前の住所地を管轄する役所へ転出届を、新しい住所地を管轄する役所へ転入届を提出する必要があります。

このような届出の履行はビザの更新審査においても考慮されます。配偶者ビザ保持者は、住所変更の際には、転出・転入届を適切に提出し、在留カードの裏面に新しい住所を記載する必要があり、これらの義務遵守が審査で確認されます。

前回の申請内容との整合

以前に提出した書類と今回の書類の内容に矛盾があると疑問が生じ、審査に影響を及ぼす可能性があります。日付や経歴などの詳細が一致しない場合、どの情報が正確か判断できず、審査の遅延を招くことがあります。

また、配偶者ビザの更新に際して不利な状況があるからといって、虚偽の内容を申請書類に記載することは決して許されません。実際、虚偽の申請が原因で更新が不許可となるケースは珍しくありません。例えば、配偶者との同居が実際にはないにも関わらず、この事実を隠して入国管理局に更新申請を行った場合、不許可となるリスクが高まります。

これまで述べた点が、配偶者ビザの更新時に審査されるポイントです。ただしこれらは審査における代表的な審査基準であり、すべてを満たしていてもあらゆる事情を総合的に考えたうえで、不許可になる場合もあるとされています。

4.配偶者ビザの更新が不許可になるケース

一度配偶者ビザを取得できても、更新が不許可となることはあります。公的な義務の履行や安定した生活状況がなければビザの更新ができず、帰国しなければならなくなる可能性もあります。配偶者ビザの更新が許可されない主なケースを以下で見ていきましょう。

4-1.税金の滞納や遅延

配偶者ビザの更新では、住民税の納税が滞納や遅延をすることなく行われているかどうかがチェックされます。申請の時期には納付が済んでいても過去に滞納や遅延の履歴があれば、更新が許可されない要因になりえます納税は日頃から遅滞なく行いましょう。

また、永住申請の場合は公的年金・公的医療保険の支払も審査の対象となっています。これらは現時点では配偶者ビザの審査対象ではありませんが、税金を含む公的な料金は確実に支払うよう心掛けておきましょう。

4-2.申請内容の矛盾や届出義務の不履行

申請書類に記載している内容に矛盾がある場合や、入管法で義務付けられている届出を怠った場合も、不許可となることがあります。申請内容の矛盾は、故意でなくても虚偽の申請とみなされる可能性があります申請書類は正直に記入し、誤りがないか入念にチェックしましょう。

また入管法では、配偶者との離婚や死別の場合に申請が必要とされていますが、そのことを知らずに手続きを行わない人もいます。ビザの更新時に不利になる場合があるため、大きな変化があれば必要な手続きを調べるなどの対応が必要です。

4-3.低収入や配偶者との別居

婚姻生活が安定していることを証明できない場合も、配偶者ビザの更新では不利になります。十分な収入が確保できていない場合や、配偶者と別居している場合は、不許可となる可能性があります。病気などで安定して働けない場合や、仕事によりどちらかが単身赴任となった場合など、正当な理由であってもシビアに審査されます

5.配偶者ビザの更新申請に必要な書類

配偶者ビザを更新するためには、必要な書類を知っておく必要があります。申請書のほかにも、現在の状況を証明する書類も必要です。

生活状況や婚姻状況が前回のビザ申請時から変わっている場合は、理由書を添えることでスムーズに審査が進むでしょう。以下では配偶者ビザの更新に必要な書類について紹介します。

5-1.単純更新に必要な書類

配偶者ビザを更新するには、以下の書類が必要です。

  • 在留期間更新許可申請書
  • 写真1葉
  • 申請人の配偶者(日本人)の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 住民税の課税(非課税)証明書・納税証明書(1年間の総所得・納税状況が記されたもの)
  • 申請人の配偶者(日本人)の身元保証書
    ※身元保証人には,日本に居住する配偶者(日本人)の方になってもらいます。

申請時には窓口でパスポートと在留カードの提示が必要です。

入国から間もないことや転居などによって課税(非課税)証明書と納税証明書がない場合は、預金通帳の写しや採用内定通知書など、日本での滞在費用が確保できていることを証明する書類が必要です。

参考:在留資格「日本人の配偶者等」(外国人(申請人)の方が日本人の配偶者(夫又は妻)である場合)(出入国在留管理庁)

5-2.事情説明が必要な場合に理由書を書く際のポイント

配偶者ビザの更新申請の際に、細かい事情や状況を説明するために理由書を提出することがあります。理由書とは、申請の重要な参考資料となる「質問書」の一部分であり、自由に作文形式で記載するものです。

前回の申請時から生活状況などが変わっていない場合は単純に更新を行えばよく、理由書は不要です。しかし、前回の申請後に離婚して別の日本人と再婚した場合など、生活状況や婚姻の状況が大きく変わっている場合には、審査のハードルが大幅に上がります。このような場合には、理由書の提出は義務ではありませんが、スムーズな審査のために提出するようにしましょう。

理由書には主に以下のような内容を記載します。

  • 夫婦関係の安定
  • 経済的な安定
  • 日本への定住性・貢献

日本で安定した生活を営んでいることと、今後も暮らしていく見通しがあることなどを文章で記載します。現在は同居しているが別居期間はあった場合も、合理的な理由や別居の開始・解消時期などを記載しておきましょう

生活状況に変化がなく、配偶者ビザの在留期間を1年から3年に延長したい場合にも、理由書を提出することでスムーズに審査されます。

6.在留期間3年の配偶者ビザを取得するためのポイント

配偶者ビザを初めて取得する場合は、ほとんどの場合、在留期間は1年です。1回目の1年更新を経て特に問題がなければ在留期間は3年、5年と延長されますしかし、問題や疑わしい点がある場合は、在留期間は1年のままの状態が続いてしまうことも少なくありません。

ここでは、在留期間が3年の配偶者ビザを取得するために、満たしておきたいポイントを紹介します。在留期間が3年の配偶者ビザを取得することは永住ビザの申請の条件でもあります。将来のことを考えて、ポイントを押さえましょう。

6-1.収入が安定している

本で生活していくための資金力や経済基盤があるかどうかは、審査の重要なポイントです。

安定した収入がなければ、今後の生活の見通しが立たないため、3年のビザを取得することは難しくなります。家庭によって状況が異なるため一概には言えませんが、年収の最低限の目安は約250万円です。

就労や収入の状況、預金額などのわかる資料を証拠として添付し、アピールすることも大切になってきます。年金保険料や税金を適切に支払っているかどうかも審査のポイントです。

6-2.結婚生活の継続性が証明できる

配偶者ビザを更新するためには、同居を伴う結婚生活が継続していることは原則です。単身赴任や介護などのために別居している場合は、その理由を説明する必要があります。

収入と同様に、理由を立証するための資料があると信頼性が高まるため、任意で資料を用意することも考えましょう。

6-3.入管法の届出義務と公的な支払い義務の遵守

入国管理法に基づく届出(例えば住所変更、在留カードに関する事項、配偶者の状況に関する報告)や、税金、年金、健康保険の期限内支払いは、ビザの更新プロセスにおいて非常に重要です。未払いがある場合は、ビザ更新申請前に全額を支払うことが必要です。これらの義務を果たすことは、配偶者ビザの3年更新の許可を得るだけでなく、将来的な永住権申請の際にも重要な審査ポイントとなります(例として、住民税の納税証明書は原則として過去5年分が必要です)。

入国管理局は特に「住民税」の支払い状況に注目します。会社員であれば給与から自動的に住民税が差し引かれますが、個人事業主などの場合は、未納がないように特に注意が必要です。支払いを忘れることがないよう、口座振替を設定し、自動的な支払いにすることが推奨されます。

7.まとめ

本記事では、配偶者ビザを更新するために必要な書類や審査のポイントについて紹介しました。内容をまとめると以下のとおりです。

✓配偶者ビザの更新手続きは、在留期間満了前の3か月前から申請でき、更新には単純更新と事情説明が必要な更新の2パターンに大きく分けられる

配偶者ビザの最初の在留期間は1年からスタートすることが多く、更新時には、5年、3年、1年、及び6ヶ月がある。3年、5年の在留期間が付与されるためには、その要件を満たす必要がある。

✓配偶者ビザ更新の審査のポイントは、在留資格に該当すること、婚姻関係が継続していること、収入状況が安定していること、素行が良好であること、納税や届出などの義務を履行していることなど複数ある

✓事情説明が必要な更新では通常の申請書類だけでなく理由書を提出し、状況を詳しく説明することでスムーズに審査される

✓経済的に安定して婚姻関係が継続している場合、在留期限が3年のビザを取得できる可能性が高まる

配偶者ビザを更新するためには、決められた期間のうちに申請書類を提出する必要があります。婚姻状況や生活状況に変化のあった場合は、理由書や立証資料を添付することで、スムーズに審査されます審査にかかる時間はケースによって異なり、追加の資料提出や説明を求められることもあるため、早めの申請を心掛けましょう。

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この記事の監修

斎藤 竜(さいとうりょう)

司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士

斎藤 竜(さいとうりょう)

相談実績5000件超、実務経験10年以上の経験を持つ司法書士。
海外にまつわる相続やビジネスに関する法律、契約書作成、コンプライアンスに関するアドバイスなど、幅広い分野に対応。近年は、当事者の一部が海外に居住するケースなど国際相続の相談が多く、精力的に取り組んでいる。

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