2024/8/28
2025/10/22
外国人ビザ
経営管理ビザの行政書士への報酬相場はいくら?依頼先の判断基準を解説
経営管理ビザの取得に際して、行政書士への報酬相場は気になる点です。特に外国人ビジネスパートナーを日本に招き、経営に参加させたい企業経営者にとって、ビザの取得は大きな関心事です。
今回の記事のポイントは以下のとおりです。
| ✓経営・管理ビザは、日本で会社を経営・管理する外国人が取得できる
✓ 2025年10月の法改正で経営管理ビザの要件が超難関となり、専門家の役割がより重要になった。 ✓ 資本金3,000万円、経営経験3年以上、専門家による事業計画確認など、行政書士がサポートすべき業務範囲が大幅に拡大した。 ✓ 旧来の報酬相場(20〜30万円)はもはや過去のもの。新制度では、業務の複雑化に伴い報酬相場も上昇している。 ✓ 行政書士を選ぶ際は、最新の法改正への対応実績と、他専門家との連携体制が最も重要な判断基準となる |
本記事では、経営管理ビザの概要から、専門家への依頼の必要性・費用相場・取得までの流れ、そして信頼できる行政書士の選び方まで詳しく解説します。
1. 経営管理ビザとは
経営管理ビザは、外国人が日本で事業の経営や管理に従事するために必要な在留資格です。ここでは、経営管理ビザの対象となる具体的な活動内容や、取得可能な在留期間について解説します。
1-1.経営管理ビザの対象になる活動・業務
経営管理ビザは、外国人が日本で事業の経営や管理に従事するために必要な在留資格です。このビザが対象とする活動には、会社の経営や重要な業務の意思決定、業務の執行および監査などが含まれます。
例えば、社長や取締役、監査役といった役員としての業務や、部長や工場長、支店長などの管理職としての活動がこれに該当します。ただし、弁護士など特定の専門職が行う経営・管理業務は、このビザの対象外であり、別の在留資格が必要です。
1-2.経営管理ビザで得られる在留期間
経営管理ビザの在留期間は、5年・3年・1年・4か月・3か月のいずれかに決定されます。この期間は、申請者の就労予定期間や希望する在留期間、経営する会社の規模や安定性を基に、出入国在留管理局が総合的に審査して決定されます。
最長の5年は、上場企業の経営者や、安定した事業を継続している管理者に許可されることが多い一方で、新規設立の会社の外国人経営者には1年の許可が下りることが一般的です。
2.経営管理ビザ取得は専門家に頼るべきか
経営管理ビザの取得を検討されている方の中には、申請の難易度や手続きの複雑さに頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。自分で申請することも可能ですが、専門知識や経験が不足すると書類作成や手続きに多くの時間と労力を費やしてしまいます。
結論からいうと、2025年10月の法改正により、経営管理ビザの取得は専門家のサポートなしでは事実上難しくなりました。その理由は、新設された要件が、単なる書類作成の範囲を超えているためです。ビジネスチャンスを逃さないためにも、ビザ取得の難易度はどのくらいなのか、行政書士とはどういう専門家なのかについて押さえておきましょう。
2-1.経営管理ビザ取得の「新しい難易度」
経営管理ビザは、経営・管理に関する在留資格の中で最も取得が難しいとされているビザです。特に、外国人が新たに会社を設立し、このビザを申請する場合、厳格な審査が行われます。
新制度の難易度は、以下の3点に集約されます。
- 申請資格の厳格化
「3年以上の経営経験」または「修士以上の学位」がなければ申請できません。 - 事業基盤の巨大化
「資本金3,000万円」と「常勤職員1名の雇用」が両方必須となりました。 - 計画の客観的証明
事業計画は、中小企業診断士など第三者の専門家から「実現可能」とのお墨付きを得る必要があります。
これらの要件は、申請者自身が法律を読み解き、一人で準備するにはあまりにもハードルが高すぎます。
審査では、事業の安定性や継続性、申請者の経営経験や資質が重要視されます。また、審査官の裁量による判断も影響するため、ビザ取得には高度な専門知識が求められることも多いです。そのため、申請は非常に難易度が高いといえます。
2-2.行政書士と他専門家の連携が不可欠に
経営管理ビザの取得には、専門的な知識と経験が必要です。そのため、多くの申請者が行政書士に依頼しています。特に、事業計画書の作成や会社設立、営業許認可の取得といった複雑な手続きが伴うため、専門家の支援が不可欠です。
新制度では、ビザ申請の専門家である行政書士と、会社設立登記の専門家である司法書士に加え、事業計画を評価する中小企業診断士・公認会計士・税理士との連携が必要不可欠となりました。
これらの複雑な手続きを、申請者が自ら指揮し、適切なタイミングで各専門家と連携するのは現実的ではありません。最新の法改正を熟知した行政書士がハブとなり、プロジェクト全体を管理することが、ビザ取得の成功に不可欠です。
3.経営管理ビザ取得にかかる費用
経営管理ビザの取得は、自分で手続きを行うか、専門家に依頼するかで費用が大きく変わります。自分で手続きする場合、主な費用は在留カードの交付手数料程度ですが、専門家に依頼する場合は報酬として20〜30万円程度が必要です。会社設立を行う場合は、会社設立登記費用も別途必要となるため、事前に費用計画を立てておきましょう。
3-1.自分で手続きする場合の費用相場:4,000円前後
経営管理ビザを自分で申請する場合、主な費用としては入国管理局への交通費などの諸経費や新しい在留カードの交付手数料(4,000円)がかかります。申請手続き自体は比較的低コストで済みますが、経営管理ビザの取得には高度な専門知識と時間が必要です。
自分で申請する場合の費用(4,000円)は変わりませんが、前述の通り、新制度下で自分で手続きをするのは現実的ではありません。
このため、多くの人が行政書士などの専門家に依頼することが一般的です。専門家の支援を受けることで、申請手続きの成功率が高まるため、検討する価値はあるでしょう。
3-2.専門家へ依頼する場合の報酬相場:25〜35万円前後
旧制度では20〜30万円が相場でしたが、新制度では、行政書士の業務に以下のような高度な専門性が求められるため、報酬もそれに伴って変動します。
- 申請資格のコンサルティング
申請者の経歴が「3年以上の経営経験」に該当するかを詳細にヒアリングし、証明方法を指導する。 - 専門家レベルの事業計画書作成サポート
中小企業診断士などの厳しい評価をクリアできるレベルの事業計画書作成を支援する。 - 他専門家との連携・調整
事業計画を評価する専門家(税理士など)との連携やスケジュール調整を行う。 - 膨大な証明書類の収集・作成サポート
資本金3,000万円の形成過程や、常勤職員の雇用証明など、証明すべき事項が格段に増えた書類の準備を支援する。
これらの業務内容の増加を考慮すると、新制度における経営管理ビザ申請の行政書士報酬は、最低でも25万円以上、案件の難易度によってはさらに高額になることが予想されます。
(注:これはあくまで目安であり、事業計画の評価を行う専門家への報酬は別途必要となる場合があります。)
4.経営管理ビザ取得までの流れ
経営管理ビザの取得は、会社設立からビザ申請、そして審査まで、いくつかの段階を踏まなければなりません。それぞれの段階には、必要な手続きや書類作成、そして期間も存在します。ここでは、経営管理ビザ取得までの流れを解説します。
4-1.会社の設立
経営管理ビザを申請する前に、まず会社設立を完了させる必要があります。会社設立には約1か月かかり、以下の費用が発生します。
| 項目 | 支払先 | 株式会社 | 合同会社 |
| 定款認証料 | 公証役場 | 32,000~52,000円
(定款謄本手数料を含む) |
0円 |
| 印紙税(公証役場) | 公証役場 | 40,000円
電子定款の場合は無料 |
|
| 登録免許税 | 法務局 | 150,000円 | 60,000円 |
|
合計 |
210,000〜242,000円 | 60,000~100,000円 | |
株式会社の場合、設立にかかる費用は約210,000〜242,000円です。一方、合同会社の場合は約60,000〜100,000円となり、初期費用を抑えられます。株式会社の方がコストは高いものの、メリットもあるため、どちらを設立するかは慎重に検討することが重要です。
専門家に依頼する場合は、上記金額にプラス10万円程度と想定しておきましょう。
4-2.外為法の届出
外国投資家(非居住者)が日本で会社を設立する場合、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づく届出が必要となります。外為法の届出には、事前届出と事後届出の2種類があります。
事前届出
国の安全や産業等に関わる特定の業種(指定業種)を営む場合に必要です。原則として、会社設立登記申請前に行います。提出時期は投資実行予定日の前の6か月以内です。
事前届出が必要な業種
事前届出が必要な業種には以下のようなものが含まれます。
- 武器製造業
- 航空機製造業
- 原子力関連産業
- 宇宙開発関連産業
- 重要インフラ事業(電気、ガス、通信、水道等)
- サイバーセキュリティ関連事業
- 先端技術関連産業
- 農業、林業、漁業
- 鉱業、採石業、 砂利採取業
- 製造業の一部
事後報告
事前届出が必要な業種以外の業種を営む場合に適用されます。届出は会社設立登記申請後に申請します。提出時期は投資実行後45日以内です。
外国投資家が日本で会社を設立する際は、事業内容を慎重に検討し、適切な届出手続きを行うことが重要です。不明な点がある場合は、専門家や日本銀行、財務省等の関係機関に相談することをお勧めします。
4-3.税務署への各種届出
税務署への各種届出は、法人設立後の重要な手続きの一つです。これには、「法人設立届」「給与支払事務所等の開設届」「源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書」の提出が含まれます。
これらの届出は、通常2週間程度で完了します。税務署への届出控えは、経営管理ビザ申請時に必要となるため、しっかりと保管しておくことが大切です。
4-4.営業許可などの許認可申請
経営管理ビザを取得する前に、事業内容によっては営業許可などの許認可が必要です。例えば、飲食店を経営する場合は、飲食店営業許可を取得する必要があります。
これらの許認可は、警察署・保健所・都道府県などの行政機関への申請が必要であり、手続きに1か月程度かかる場合が多いです。
許認可が必要な業種は、飲食業・不動産業・製造業・ホテル・旅館業・建設業・運送業など多岐にわたります。事業計画を立てる際には、事前に必要な許認可の有無を確認し、余裕を持って申請手続きを進めることが重要です。
4-5.経営管理ビザの申請
経営管理ビザの申請には、事前準備として約1か月が必要です。準備には、事業計画書や損益計画表の作成、申請理由書の作成、必要書類の収集が含まれます。申請書類の準備は、想像以上に時間がかかることもあるため、事前に計画的に進めることが重要です。
その後、入国管理局による審査には1〜3か月の期間がかかります。全体的に、会社設立からビザ取得までには約4〜6か月の期間を見込むとよいでしょう。
5.経営管理ビザ取得費用を決定づけるポイント
経営管理ビザ取得にかかる費用は、様々な要素によって左右されます。専門家に依頼するか、会社設立が必要かどうか、そしてどの行政書士事務所に依頼するかによって費用は大きく変わります。それぞれのポイントを理解し、費用計画を立てることが重要です。
5-1.専門家に依頼するか
経営管理ビザの取得において、専門家に依頼するかどうかは費用を大きく左右する重要なポイントです。専門家への報酬は25〜35万円程度と決して安くはありませんが、申請プロセスの複雑さを考えると、その価値は十分にあるといえます。
経営管理ビザの申請は非常に複雑で、最新の法律や規制に精通している必要があります。自分で手続きを行おうとすると、時間と労力がかかるだけでなく、ミスの可能性も高くなるのは大きなリスクです。専門家に依頼することで、申請書類の作成や事業計画の立案など、細かな点まで適切にサポートを受けられます。
また、行政書士などの専門家は入国管理局とのやり取りに慣れているため、スムーズな申請プロセスが期待できます。追加書類の要求や質問への対応も迅速に行える点が大きなメリットです。
さらに、専門家のアドバイスは、単にビザ取得だけでなく、将来的な事業展開や在留資格の更新にも役立ちます。長期的な視点で見れば、専門家への投資は十分に価値があるといえるでしょう。
5-2.会社設立が必要か
経営管理ビザの取得費用を決定づける重要なポイントの一つは、会社設立の必要性です。経営管理ビザを申請する前に、会社の設立登記を行う必要があるかどうかで費用が大きく変わります。
会社設立を自身で行うか、専門家にサポートを依頼するかでも費用に差が生じます。専門家に依頼する場合、追加の費用がかかるものの、手続きの正確性や効率性が向上するのはメリットです。
さらに、経営管理ビザの取得をスムーズに進めるためには、会社設立と経営管理ビザ申請を同じ専門家に依頼することが効果的です。特に経営管理ビザの専門家である行政書士と会社設立登記の専門家である司法書士の資格がある事務所がおすすめです。これにより、一貫したサポートを受けられ、手続き全体の整合性が保たれます。
会社設立と経営管理ビザ申請を一体的に進めることで、必要書類の準備や申請のタイミングの最適化が可能です。結果として、時間とコストの節約につながります。
ただし、専門家に依頼する場合であっても、経営管理ビザの許可は最終的に入国管理局の判断によるため、確実な取得を保証することは難しい点には注意が必要です。
5-3.どの行政書士事務所に依頼するか
経営管理ビザの取得費用を決定づける重要な要素の一つは、依頼する行政書士事務所の選択です。各事務所によって提供するサービスの内容や専門性が異なるため、費用にも差が生じます。
多くの行政書士事務所は、ホームページ上で料金を明記しています。これにより、事前に費用の比較検討が可能です。ただし、単に金額の低さだけでなく、経営管理ビザ取得の実績や専門知識の深さも考慮に入れなければなりません。
経験豊富な事務所は、ビザ申請の成功率が高いため、追加の手続きや再申請のリスクを軽減できる可能性があります。結果として、長期的には費用対効果が高くなる場合もあります。
6.行政書士への報酬の支払い方法
行政書士への報酬の支払いは、タイミングや方法が事務所によって異なります。事前に確認しておくことで、スムーズな手続きだけでなく、安心して依頼を進められるでしょう。ここでは、行政書士事務所ごとで異なる報酬の支払方法について解説します。
6-1.報酬の支払時期
行政書士への報酬の支払時期は、事務所によって異なりますが、大きく分けて3つのパターンがあります。まず、業務着手時に一括で支払う方法です。次に、業務完了後に支払う方法もあります。さらに、着手時に報酬の一部を支払い、残りを業務完了時に支払う方法もあります。依頼する前にどの方法で支払うのかを確認しておくと、スムーズに手続きが進むでしょう。
6-2.報酬の支払い方法
報酬の支払い方法は、各行政書士事務所によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。一般的な支払い方法としては、現金、振込、クレジットカード払いが挙げられます。自分にとって便利な方法を選ぶためにも、依頼先の事務所が提供する支払い方法を事前に確認し、納得のいく形での支払いを心がけるとよいでしょう。
7.頼りになる行政書士の選び方と判断基準【2025年新制度版】
法改正後の今、行政書士を選ぶ基準はこれまでと全く異なります。以下の3つの基準で判断してください。
7-1.「2025年10月の法改正」への対応実績で選ぶ
最も重要なのは、新しい制度下での申請実績が豊富にあるかです。「経営管理ビザの経験が豊富」というだけでは不十分です。「資本金3,000万円の案件を扱ったことがあるか」「専門家による事業計画確認のプロセスを熟知しているか」など、具体的な新制度への対応力を確認しましょう。
7-2.連携体制で選ぶ
ビザ申請(行政書士)、会社設立(司法書士)、事業計画確認(税理士等)をワンストップで、またはスムーズに連携して進められる体制が整っている事務所を選びましょう。これにより、手続きの漏れや遅延を防ぎ、申請プロセス全体が効率化されます。
7-3. 新しい料金体系の透明性で選ぶ
いまだに旧制度のような安い料金を提示している事務所は、新制度の複雑さを理解していない可能性があり、注意が必要です。新しい業務内容に見合った、透明性の高い料金体系を明示しているかを確認しましょう。何にいくらかかるのか、追加費用の可能性はあるのかなどを事前にしっかり説明してくれる事務所が信頼できます。
8.まとめ
本記事では、「経営管理ビザの取得を検討している外国人に向けて、行政書士へ依頼した場合にかかる報酬相場やビザ取得までの流れ」について解説しました。内容をまとめると、以下のとおりです。
| ✓経営・管理ビザは、日本で会社を経営・管理する外国人が取得できる
✓ 2025年10月の法改正で経営管理ビザの要件が超難関となり、専門家の役割がより重要になった。 ✓ 資本金3,000万円、経営経験3年以上、専門家による事業計画確認など、行政書士がサポートすべき業務範囲が大幅に拡大した。 ✓ 旧来の報酬相場(20〜30万円)はもはや過去のもの。新制度では、業務の複雑化に伴い報酬相場も上昇している。 ✓ 行政書士を選ぶ際は、最新の法改正への対応実績と、他専門家との連携体制が最も重要な判断基準となる |
経営管理ビザの取得は、複雑な手続きを伴うため、専門家である行政書士への依頼が一般的であり、報酬相場は25〜35万円が目安です。
手続きの流れとしては、会社の設立・税務署への届出・許認可申請など事前に準備すべきことが多くあります。スムーズにビザを取得するためにも、実績や信頼性のある行政書士に相談し、早めの準備を心がけましょう。
この記事の監修
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士
斎藤 竜(さいとうりょう)
相談実績5000件超、実務経験10年以上の経験を持つ司法書士。
海外にまつわる相続やビジネスに関する法律、契約書作成、コンプライアンスに関するアドバイスなど、幅広い分野に対応。近年は、当事者の一部が海外に移住するケースなど国際相続の相談が多く、精力的に取り組んでいる。
【主なサポート実績】
年間100件以上の会社設立、不動産・法人登記をサポート。
アメリカ、中国、韓国など、20カ国以上の外国人の不動産取引、起業を支援。
IT、飲食、貿易、コンサルティングなど、多岐にわたる業種の設立実績。
司法書士・行政書士として、会社設立の登記手続きから経営管理ビザの取得、その後の役員変更や増資まで、ワンストップでサポートできるのが強みです。まずはお気軽にご相談ください。





