2024/10/3 2024/10/3

外国人の不動産・ビジネス

日本の不動産投資市場における外国人投資家の割合は?購入時の注意点も解説

外国人の不動産購入の割合は増加傾向にあり、日本の不動産市場において、外国人投資家の存在感は高まっています。2020年には、日本の不動産投資市場における外国人投資家の割合は34%に達し、金融危機以降で最大となりました。

「なぜ、日本の不動産は外国人投資家に人気なのでしょうか?」

今回の記事のポイントは以下のとおりです。

✓ 日本の不動産は収益率や利回りが良好で、円安により相対的に安価で購入しやすい。

✓ 日本は社会情勢が安定しており、外国人に対する追加課税や規制がないため、外国人投資家にとって好条件である。

✓ 不動産を購入するだけではビザや永住権を取得できず、適切な在留資格が必要である。

✓ 不動産購入後は登記や税務手続きが必要なため、専門家のサポートが望まれる

本記事では、外国人投資家の動向や、日本の不動産が人気の理由、そして外国人が日本で不動産を購入する際の注意点について解説します。

1.日本の不動産投資市場における外国人投資家の割合

2021年の国土交通省の調査によると、日本の不動産投資市場における外国人投資家の割合は増加傾向にあります。2020年には海外投資家が占める割合も34%に達し、これは金融危機以降で最大の数値となりました。その中でも、海外投資家の投資総額の98%を上位20社、85%を上位10社が占めています。

主な要因として、国内外の経済変動や日本市場の安定性が挙げられます。特に東京や大阪など主要都市を中心に投資活動が活発化し、物流施設やオフィス、レジデンスなど幅広い分野での投資が進んでいることも特徴的です。このように、日本の不動産市場は多様化が進み、外国人投資家にとって魅力的な投資先となっているといえます。

ここでは、国土交通省 不動産・建設経済局の「令和 2年度 海外投資家アンケート調査業務報告書」を基に外国人投資家の割合や投資先エリア、投資用途について解説します。

1-1.外国人投資家の日本における不動産投資用途の割合

2021年の国土交通省の調査によると、外国人投資家による日本の不動産投資では、オフィスと物流施設がそれぞれ80%と最も大きな割合を占めています。

次にレジデンスが70%であり、新型コロナウイルスの影響で物流施設の需要が増加しています。一方、商業施設やホテルへの投資は外出自粛の影響で低調でした。

さらに、ヘルスケア施設、病院への投資も進んでおり、高齢化社会を見据えた投資先として注目されています。]

1-2.外国人投資家の日本における不動産投資運用期間の割合]

2020年の日本の不動産投資市場において、外国人投資家は短期的な運用をしておらず、3年未満の投資期間はみられません。

運用期間は10年前後に集中しており、短期・長期の投資家が存在します 3〜5年未満の期間で機会的な投資を行う投資家や、20年以上保有し再開発も視野に入れる投資家などがみられます。

さらに、短期的なリターンを狙うファンドや、安定運用を目指す長期的な戦略で投資するファンドもみられ、運用期間は多岐にわたっています。

1-3.外国人投資家が日本での不動産投資先に検討するエリア

国土交通省が2021年に実施した調査によると、外国人投資家の日本における不動産投資先の検討エリアは多様化しています。

すべての投資家が「東京圏」を投資適格エリアとし、「大阪圏」と「名古屋圏」も90%と高い割合を示しました。さらに、「その他の大都市」が80%、「その他の地方都市」も50%と大幅に上昇しています。

このことから、投資対象エリアが拡大傾向にあることがうかがえます。不動産用途の多様化とあわせて、外国人投資家の関心が地方へも広がっているといえるでしょう。

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2.日本の不動産が外国人に人気である理由

日本の不動産が外国人投資家にとって魅力的な理由は多岐に渡ります。収益率や利回りが良好であることに加え、近年の円安により購入が相対的に安価になっている点も重要です。

また、日本の安定した社会情勢や外国人に対する追加課税や規制がないことも、外国人にとっては大きな魅力です。

東南アジア・オセアニア・アメリカと比較しても、日本は外国人の不動産投資に寛容であり、投資環境が整っていることから多くの外国人投資家に選ばれる傾向があります。

以下では、日本の不動産が人気の理由について解説します。

2-1.収益率・利回りが良好

日本の不動産が外国人投資家に人気の理由の一つは、収益率や利回りが良好な点です。東京の賃料はロンドン・ニューヨーク・香港・シンガポールの次に高く、比較的割安な物件価格にもかかわらず利回りが高いことも特徴です。

のアジア諸国と比べても日本の不動産利回りは上回っており、この高い収益性が外国人投資家を引きつける大きな要因となっています。

2-2.円安による相対的に安価な購入費用

日本の不動産が外国人に人気の理由には、円安による購入費用の安さも挙げられます。円安が進むことで、海外の投資家にとって日本の不動産は相対的に安価となり、購入しやすい状況になっていることが特徴です。

また、将来的に円高へ回復する可能性を見越して、キャピタルゲインを狙う投資家も増えています。このように、円安は外国人にとって日本の不動産を魅力的な投資対象としている要因の一つと考えられます。

2-3.安定した社会情勢

日本の不動産が外国人に人気である理由の3つ目は、安定した社会情勢です。日本は地政学的リスクが低く、戦争や政変の影響を受けにくい国と評価されています。

この安定性は不動産の価値が大きく下がるリスクを抑えたい海外の投資家にとっては安心して投資できる要因です。安全性を重視する投資家にとっては、日本の不動産は魅力的な選択肢となっています。

2-4.追加課税や規制がなく外国人にとっては好条件

日本の不動産が外国人にとって好条件である理由の最後は、追加課税や厳しい規制が存在しないことです。

多くの国では、外国人による土地購入の禁止や厳しい制限が設けられています。しかし、日本では外国人に対する特別な課税や制限がないため、スムーズに投資を進められます。

このような環境が、外国人投資家にとって日本を魅力的な投資先としています。ここでは、比較のために東南アジアやアメリカ、オセアニアにおける規制について解説します。

東南アジア諸国での不動産購入に関する規制

東南アジア諸国では、外国人による不動産購入に関して多くの制限が存在します。

フィリピンやタイ、カンボジアなどでは外国人による土地所有は禁止されています。さらに、これらの国々では、外国人が購入できる不動産はコンドミニアムに限定されており、その所有割合にも制限があります。

マレーシアでは外国人による土地の所有が認められているものの、最低不動産価格の規制が存在しています。

アメリカでの不動産購入に関する規制

アメリカでは、軍事施設周辺の不動産取引に対して国籍を問わず厳しい規制が課されています。

2022年に「外国投資リスク審査現代法」が拡大され、外国人投資家は軍事関連施設付近の不動産投資前に詳細な情報を提出する義務が生じました。提出された情報は、対米外国投資委員会によってリスク評価され、必要であれば大統領が取引停止を命じる権限も有しています。

オセアニアの不動産購入に関する規制

オーストラリアとニュージーランドでは、外国人の不動産購入に関して厳しい規制があります。

オーストラリアでは、外国投資審査委員会(FIRB)の許可が必要であり、非居住者は新築不動産にしか投資できず、新築物件の半数以上を外国人が購入することは禁止されています。

ニュージーランドでは、居住ビザを持たない外国人は中古不動産の購入が認められておらず、新規開発物件のみが購入対象です。

3.外国人が日本で不動産を購入する際のポイント・注意点

日本で不動産を購入する際、外国人が直面する独自のポイントや注意点がいくつか存在します。

まず、単に不動産を購入しただけでは、ビザや永住権は取得できません。また、不動産を所有して収益を得る場合には適切な税務手続きを行い、確定申告をしなければなりません。

さらに、不動産を購入した後は、所有権を登記しなければならず、手続きも複雑なため専門家のサポートが必要です。以下では、それぞれについて詳しく解説します。

3-1.不動産の購入だけではビザや永住権は得られない

外国人が日本で不動産を購入する際の重要なポイントは、取得した不動産が永住権やビザの取得に直結しないことです。

日本では、外国人が不動産を所有することに制限はありませんが、日本での生活を希望する場合には適切な在留資格が必要です。

単に不動産を購入しただけでは日本に住むための権利を得ることはできません。しっかりとした計画を立て、必要な手続きを行うことが求められます。

3-2.不動産で所得が発生する場合は確定申告が必要

日本で不動産から収益を得る場合、確定申告が必要です。確定申告は、賃貸からの家賃収入だけでなく、不動産の売却による譲渡所得にも適用されます。

海外に居住する人も確定申告を行う必要があり、申告の際には納税管理人を任命することが求められます。確定申告を行う際は収入から経費を引いた後に不動産所得を計算し、確定申告書は毎年2月16日から3月15日までに税務署に提出しなければなりません。

3-3.不動産の購入後には不動産登記が必要

不動産を購入した場合、所有権を明示するために不動産登記をしなければなりません手続きは専門的で複雑なため、通常は司法書士などの専門家に依頼することが一般的です。

住宅ローンを利用する際には、金融機関が貸付金を回収できるように不動産に抵当権を設定し、登記も必要です。

日本に居住していない外国人が投資目的で不動産を購入した場合、「外国為替及び外国貿易法(外為法)」により、不動産取得から20日以内に日本銀行を通じて財務省に報告しなければなりません

3-4.日本の不動産の相続では被相続者の本国法が適用される

日本で不動産を相続する際には、被相続者の本国法を確認する必要があります。故人の国籍国の法律に、不動産所在地の法律を適用する旨が明記されている場合には、日本の法律が適用されます。

相続人の特定や相続の割合、遺産の分配方法についても、故人の国籍国の法律と日本法に準拠しながら手続きを進めなければなりません。

3-5.外国人も対応可能な不動産業者や司法書士を選ぶ

外国人にとって、不動産取引をスムーズに進めるためには、経験豊富な不動産業者や司法書士を選ぶことが重要です。

日本非居住者の場合、国内に銀行口座がないケースも多く、海外送金の着金日の調整が難航する可能性も考えられます。そのため、多くの場合、事前に不動産会社の口座へ送金し、そこから売買代金を支払う方法が取られています。

多額の資金を扱う不動産取引において、外国人の事情に精通した信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

さらに、不動産登記には専門用語や複雑な手続きが伴います。日本語が不自由な場合は、通訳者を介して司法書士や不動産業者とコミュニケーションを取ることが重要です。専門用語の誤解や認識違いを防ぎ、取引内容を正確に理解することにつながります。

4.まとめ

本記事では、日本の不動産投資市場における外国人投資家の割合やその魅力的な理由、さらに購入時の注意点について解説しました。内容をまとめると、以下のとおりです。

✓ 日本の不動産は収益率や利回りが良好で、円安により相対的に安価で購入しやすい。

✓ 日本は社会情勢が安定しており、外国人に対する追加課税や規制がないため、外国人投資家にとって好条件である。

✓ 不動産を購入するだけではビザや永住権を取得できず、適切な在留資格が必要である。

✓ 不動産購入後は登記や税務手続きが必要なため、専門家のサポートが望まれる

近年、日本の不動産投資市場において外国人投資家の存在感が高まっています。2020年には海外投資家の割合が34%に達し、投資対象もオフィスや物流施設、レジデンスなど多岐に渡っているのが現状です。

日本の不動産が人気を集める理由は、安定した社会情勢や円安による割安感に加え、高い収益率や利回りの良さが挙げられます。また、諸外国と比較して、外国人に対する追加課税や厳しい規制が少ないことも魅力の一つです。

しかし、外国人が日本で不動産を購入する際には、注意すべき点があります。不動産購入だけではビザや永住権は取得できませんし、不動産所得が発生する場合は確定申告も必要です。さらに、不動産購入後の所有権を明確にするため、複雑な不動産登記手続きも発生します。

これらの手続きをスムーズに進めるためには、専門家のサポートが欠かせません。不動産取引や相続、登記などで難しいと感じた場合には、司法書士に相談してみることも一つの方法です。

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この記事の監修

斎藤 竜(さいとうりょう)

司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士

斎藤 竜(さいとうりょう)

相談実績5000件超、実務経験10年以上の経験を持つ司法書士。
海外にまつわる相続やビジネスに関する法律、契約書作成、コンプライアンスに関するアドバイスなど、幅広い分野に対応。近年は、当事者の一部が海外に移住するケースなど国際相続の相談が多く、精力的に取り組んでいる。

【主なサポート実績】
年間100件以上の会社設立、不動産・法人登記をサポート。
アメリカ、中国、韓国など、20カ国以上の外国人の不動産取引、起業を支援。
IT、飲食、貿易、コンサルティングなど、多岐にわたる業種の設立実績。

司法書士・行政書士として、会社設立の登記手続きから経営管理ビザの取得、その後の役員変更や増資まで、ワンストップでサポートできるのが強みです。まずはお気軽にご相談ください。

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