【セミナーレポート】信託契約書実務家養成講座「認知症対策信託契約書」編

今回、LFT定例会も兼ねて信託契約書実務家養成講座「認知症対策信託契約書」編が2月8日に開催されました。初講座の初回ということで多くの参加者にお越しいただきました。

その内容の一部始終をダイジェストにしてレポートいたします。

【セミナーコンテンツ】
・裁判例から見る信託法の基本原則と別段の定めの考え方
・自益信託と他益信託。信託契約書で注意すべきポイントとは?
・後継受託者、受益者代理人及び信託監督人の活用と指定条項の留意点
・信託終了時の出口戦略から考える信託終了事由と帰属権利者条項


「信託契約書は、まずやっぱり基本となってくるのは、認知症対策の契約書です。どのように信託を組むか考えるにあたってまずは一代限りの信託を基本として押さえることでその後の講座内容である

・連続型信託
・複数契約型信託
・信託融資対応型信託
・事業承継対策

などの土台となる知識を身に着けることができます。

そして、何より顧客からニーズが高く多くの専門家が信託を始めるきっかけになるのが認知症対策のための家族信託ですので…そんなところから当事務所で使っている契約書のひな型をベースに皆さんと一緒に考えていきたいと思います。」

と、そんな挨拶から始まりました本講座。リーガルエステートとして、当事務所の契約書のひな型を活用し解説していきます。

間違った契約書を作成した場合の3つのリスク

まずは、間違った契約書を作成するとどんなことが起こるのかについて実際の経験談をもとに解説がありました。

「最近、私も信託契約書のチェックを依頼いただくことが多いのですが、

・特定条項を設けていない
・帰属先の指定が甘くなっている
・軽減措置の適応をしていない

といった契約書を目にします。そうすると、本来支払う必要のない税金が課税されてしまい、顧客に対して損害となってしまうような契約書になってしまいます。

また、専門家がしっかりと金融実務を理解していないということから、

◎公正証書で信託契約書をつくったのだけれど、金融機関に顧客が契約書を持ち込んだのに口座開設できなかった
◎信託契約書を作って金融機関に持ち込んだが委託者の口座から信託口口座への振り込みができなかった

といった事例を耳にしています。本来考えればわかることですが、振込自体は受託者ではなく、資産を持っている委託者本人にしかできません。当たり前のことなんですが…

信託契約書を作ったとしても受託者は委託者代理人ではないので、信託財産以外の財産を管理はできないわけで。そういった部分もしっかりとサポートする必要があるので、実務に精通しておくということはすごい重要です。
3つ目の信託した不動産の売却や処分ができないと言ったことも・・・・」

実務はやはり経験をすることでしか身につかないものです。最初家族信託を始めるに当たってはこのあたりが心配が多いかと思いますが、多くの失敗事例を知っておくのは重要なことですよね。

その後、前半部分として事例に基づいて信託契約書の目的や条項の定め方の基本について解説が進んでいきました。
そして、後半に入って、実際のひな型を見ながらの一つひとつ注意するポイントについてお伝えしました。

信託契約書作成例

「では、ここから先は、これまでお伝えしてきたことを基に契約書の内容・条項について説明していきます。

まず、信託契約書の冒頭ですが、契約当事者について特にお伝えすることはないですが、委託者と受託者間での契約として締結すること。そして第一条の中では、『信託をした』という信託設定の事実を書きましょう。
今回の契約書では、第3条で信託財産を定めていますので、『委託者は、第3条第1項で定める財産を受託者に信託し、受託者はこれを引き受けた』と言った形で書いています。

そして契約を作る際は、以後同じことを何度も書くと手間なので定義づけも非常に重要です。忘れないようにしましょう。

そして、第2条の信託の目的。こちらは先ほどお伝えした通り、顧客の置かれた状況に基づいて『何のための信託なのか』を明確に書いてください。契約書のチェックしていて感じているのですが、目的があいまいな契約書が多いなと感じます。士業・専門家の皆さんはこの信託を顧客が何でやりたいのかをしっかりとヒアリングしているんですね。

例えば、

・特定の人には財産渡したくない
・信託不動産を有効活用してアパートなどを作れるようにしたい
・今後施設に入って売却する可能性があるからその準備をしておきたい

とか、聞いているはずなんです。目的に非常に落とし込んでいないものをよく目にするんです。

この目的のところは、超重要です。今後信託の見直しをしたいとか、依頼者から『これはできるの?』って運用聞かれたりとかした時、ここがあやふやに書かれていると困るんです。たとえばね・・・・」

と言った形で一条一条をしっかりと解説させていただきました。


本講座は、超実務的なセミナーになります。契約書をベースに、条項の定め方で注意するポイントや考え方を学ぶことができる内容となっています。これから実務に携わる方も、契約書作成に不安があって勉強されたい方にもオススメできます。

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