士業事務所でスタッフを守るためにキャッシュレス化すべき理由とは?

最近、PayPay、LINEpayのQR決済やクレジットカード決済ができる店が増えてきました。リモートワークができるようになった今、海外視察にいけず地方に行くことが多いのですが地方の飲食店やタクシー、最近僕がはまっているサウナでよく行く町場の銭湯にいたるまでキャッシュレス決済ができる店舗が確実に増えてきています。

自分自身もクレジットカードやSuica、Quickpay、IDQRコード決済など、キャッシュレスで済ませる場所であれば、すべてキャッシュレスで支払っています。現金は現金でしか使えないところでしか、もう利用していません。

キャッシュレスを徹底していると、経費の管理も明細があるので楽だし、いちいち現金を補給(ATMにいく)こともなくなります。利用者にとっても、現金管理がなくなる事業者にとっても便利なキャッシュレス化。

今回の記事のポイントは下記のとおりです。

  • キャッシュレス化のポイントは事務所での小口現金管理を一切やめること
  • 現金授受での商慣習をやめることで、キャッシュレスは一気に進められる
  • キャッシュレス化と共に行うのが、勤怠管理の自動化
  • 勤怠管理、経費精算自動化することで、スタッフの勤怠・経費処理時間を減らし、現金管理業務をなくすことで結果的にスタッフを守れる

今日の記事は、キャッシュレス化をいかに進めていくか?について解説します。
これから、キャッシュレス化を進めていこうと考えている方の参考になれば幸いです(^^)/

士業事務所もキャッシュレス化ができる

士業事務所は伝統的にどの事務所においても現金の小口管理をしています。業務上、戸籍収集、登録免許税、印紙など立替費用が発生するためです。特に司法書士事務所でいうと登録免許税は多額になるため、不動産取引時に現金でその場で登記費用をいただき、収入印紙を購入し、納付するということを繰り返ししてきました。

でも、これって、多額の現金をスタッフが預かり、印紙を購入するということをしていますが、現金の管理リスクがあるし、その管理するための人材も必要になります。不動産取引に伴う決済業務でいうと、多額の登録免許税(売買だと不動産固定資産評価価額の1.5~2%、1億円の土地だと約150万円)の預かり金として当たり前のように数十万円から場合によっては数百万円の現金を不動産決済にたちあう司法書士が預かります。また、収入印紙で支払う必要があるため、収入印紙も大量に購入しスタッフに持たせることもあります。

会社の現金の金庫管理を長年勤めている信頼できる経理スタッフに任せていたそうです。でも、あるとき、顧問税理士の指摘で、現金と帳簿残高が合っていないと言われて調査したところ、その経理スタッフが家庭の事情で使い込み(横領)をしてしまったのです。社長はこう言っていました。

「悪いのはスタッフではなく、出来心が生じた時に止める仕組みをつくらなかった社長の責任だ」

僕もその話を聞いて、現金をなくす仕組みをつくろうと、今でいうキャッシュレス化を進めました。

開業時には、スタッフがいない、開業資金・人材も限りがあるなかだからこそ、そこに人を充てるわけにはいかなので、試行錯誤しながら、下記を進めていきました。

・経費支払方法を振込、クレジットカード払いを原則とする
・全ての登記申請をオンライン申請で電子納付する
・スタッフの立替経費を給与時支払にまとめて支払い(高額立替時・他希望があればスタッフ給与口座に都度払い)
・事務所での小口現金管理金庫をもたない

そのため、開業以来、小口現金管理・出納帳への記入業務がありません。この現金管理・出納業務がないというのがポイントです。キャッシュレス化をすすめることにより、現金管理業務の仕事を減らすことができるとともに、出来心による使い込み、横領を未然に防ぐ仕組みができます。

司法書士にとって現金支払い慣習が根強く残っているものそれは、不動産取引時にお客様からいただく登記費用です。商慣習として、不動産取引時に現金で司法書士へ支払いをするというルールがあります。でも、これもよくよく考えてみると、商慣習を鑑みて少額の振込手数料を事務所負担にすれば、

・取引後の自社口座への入金作業の時間削減
・スタッフの現金持ち運びリスク、横領リスクなし
・収入印紙の紛失リスクなし
・現金の数え間違いリスクなくなる

などなど、多くのメリットがあります。

最初、取引先にお願いするのも相手が嫌がるかなと思いつつも、意外とお願いしてみれば不動産売買などの代金支払いは振込で行っているし、振込手数料をこちら負担としてしまえば多くのお客さんも特に問題なく導入できてしまいました。そして、振込手数料の経費負担ですが、スタッフがそのあと印紙を購入したり、事務所の経費管理口座に入金するという人件費やリスクを考えると手数料の方が圧倒的に安い。

クレジットカード、QRコード決済などの決済方法も考えましたが、実費で事務所立替部分の登録免許税が多額なので、手数料(3~7%)を考えると難しい、QRコード決済は少額決済が中心で司法書士業務には向いていないと判断しました。

振り込みを受領した口座から、登記などオンライン申請すればオンライン決済で登録免許税の支払いもできるので現金の介在を減らせます。いかに業務で現金をスタッフに持たせないかをポイントに組み立てました。事務所には一銭もお金をおかないことがポイントです。

キャッシュレスを進めればお金の管理業務を減らせるし、リスク回避にもつながります。

勤怠管理・経費精算を自動化する

勤怠管理

キャッシュレス化と併せて行う必要があるのが勤怠管理の自動化です。キャッシュレス化は経費精算とも連動するので、勤怠と金銭管理をどのように効率化するのがポイントとなってきます。

僕の事務所でも、当初はタイムカードでの勤怠の管理のほかに、交通費の精算をExcelでやっていました。でも、これっていちいち会社に来てタイムカードを打ち、領収書も付け合わせて申請させる時間を考えると1スタッフ当たり1か月2~3時間くらいかかる作業です。

今では自宅などからのリモートワークも認めているので、タイムカードとExcelの勤怠管理システムにあっていません。他にも複数の勤怠管理システムはあるのですが、僕の事務所では、「ネクストICカード」という勤怠管理システムをつかって交通系ICカードと紐づけて管理することで、

・出退勤記録と交通機関利用記録がICカードを活用する自動的に転記
・交通費の精算の手間を減らす
・経費の支払いを給与と一緒に支払うことで現金管理をなくす

などのメリットがあります。

ICカードをかざせば、出退勤管理と交通機関利用履歴が自動で算出され経費精算ができるので便利です。ほかに少額の立替費用があれば併せて追加で経費申請ができるので、給料とまとめて振込で経費精算を行っています。

いくつかはスタッフの方で少額な立替金は発生します。その立替金は給与支払いと同時に精算し支払いをしています。当然、遠方への出張やスタッフが事前に大きな金額の立替が必要な費用が発生することもあります。その場合は、給与口座に直接必要な金額を前払いをしています。

まとめ

  • キャッシュレス化のポイントは事務所での小口現金管理を一切やめること
  • 現金授受での商慣習をやめることで、キャッシュレスは一気に進められる
  • キャッシュレス化と共に行うのが、勤怠管理の自動化
  • 勤怠管理、経費精算自動化することで、スタッフの勤怠・経費処理時間を減らし、現金管理業務をなくすことで結果的にスタッフを守れる

いずれも現金管理業務とそのコストをなくし、業務効率化を図っています。働き方改革、生産性向上、IT/AI化など、業務効率向上をどのようにしていくかと日々ニュースで流れていますが、大切なことは、実際にその記事を見て、自社の業務効率をどう見直ししていつもやっている業務を別の角度で見てみる、、、そうすると意外と業務改善って出てくるんだと思います。キャッシュレス化をすすめると業務効率化に加えて、スタッフの出来心による横領リスクも防げ、結果スタッフを守ることができます。

思ったことを実際に試して、試してやってみる、、、その繰り返ししかないですね!

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