士業はマーケティングが9割

2月19日に”士業はマーケティングが9割”という書籍を出版します。

士業は、腕があれば仕事をとれる、その時代は終わっていると感じています。士業の先生は、勉強好きな先生が多い、実務書も読み込むし、セミナーに参加し自己研鑽を励めます。学んだだけでは実際の実務経験は身につかないし、実際に仕事につながらないのが現実です。

”好きなことをして生きる”、世間ではこんな言葉が良く飛び交っています。これを実際に実現するには、自分の情報を発信して、実際にマネタイズしていくことが必要です。これを士業であてはめていうと、お客さんから直接問い合わせを受けるための集客方法や、あの先生なら信頼できると、紹介を誘導できる自分の事務所のブランディング方法を身に着けていく必要があります。

僕も開業当初は、マーケティング方法をほとんど知らずに行っていたため、紹介先担当者の都合に振り回され、休みもなく毎日働き続ける、コンサルティング会社に多額のコンサル費用と広告費を支払うという毎日を過ごしていました。それでは、ダメだ、自分の時間を取り戻そうとマーケティング方法を学び、今では、自分の好きな仕事し、時間を自由に使えるようになりました。

僕は、大人数を抱えたマネジメントはしたくない(好きではない)ので、今は大規模事務所にするつもりはありません。マーケティングを学べば、僕のように自分の好きなスタイルで仕事をすることも、より規模を大きく大規模事務所を目指すことも自分の思い描く未来をつくることができます。

僕が実際に取りくんできたこと、過去の僕に伝いたいことを書籍の中では詳しく記載しています。今回の記事は、出版する記事の前書き部分を抜粋して紹介します。もし、ご興味ある方は是非、お買い求めいただければうれしいです。

年間2000万の失注から士業専門家のコンサル化ビジネスモデルを作る

今から9年前、開業2年で、売上6000万円超、職員もパートさんが主力で10名(社員は1名)仕事もどんどん受注し、今思い返すと調子に乗っていた時期がありました。そして、もっと大きくしていこうと大手コンサルティング会社が主催する司法書士事務所研究会に参加し、表彰される諸先輩のように活躍していきたい、そんな風になりたい…。と思っていました。

しかし、開業3年目に売上が8000万円超え、次は1億円目指そうというところで懇意につきあっていた大手不動産業者に突然仕事を打ち切られました。不動産会社のグループ間の統廃合で取引先の司法書士事務所を整理するという名目で、私の事務所が取引先リストから外れたのです。突然、年間売り上げの2000~3000万円の見込みがなくなりました。スタッフはいまある仕事を頑張ってくれましたが、将来雇用を守れなくなるかもしれないという不安しかありませんでした。

自分が経営する事務所にも行きたくなくなり、自宅にいることが多くなる中、妻をはじめ、コンサルタントの方、メンターの先輩、いろんな人に声をかけてもらい救っていただきました。「これで終わりじゃない、もう一度やろう」と考え始めました。方法は無限にあるという気持ちで色々な事に取り組み、チャレンジを始めました。そこで、コンサルティング会社の経営戦略セミナーに参加したとき、弁護士1人で世界を旅回っている先生の話を聞き、「世界で行ったことがない国、都市、場所、ビジネスを見に行きたい」と強く想いました。「絶対やってやる」と心に誓いました。そこで行ったことは、相続業務へのシフトでした。「とにかくやりまくるしかない」そう腹をくくり、同業の他、近接業種を視察し、セミナーへ行き、ベンチマークとして参考にする…。そういったことを片っ端から行いました。

登記を中心としたすぐに切られかねない下請業から抜け、川上に立ちたいと考えました。ただ、今の自分には何も差別化要素がない…。そこで、近接業の保険代理店に目をつけました。週末など商店街で見ていても、家族連れ、高齢者も保険代理店で相談している姿を見ていて、同じことを私の業務でもできないのかなと考えました。

今後安定的に入ってくる仕事がなくなっていくのが見込まれており、追い込まれ崖っぷちの状態。それまで積み重ねてきた利益を使い、思い切って、2015年に東京都品川区の戸越銀座商店街に行政書士事務所を開設。そして、2016年には、司法書士事務所を横浜の六角橋商店街に移転し、路面店としてオープンしました。当初は反響があり、多数の相談をいただけました。

ただ、商品の作りこみをきちんとしていなかったため、一件当たりの単価がとにかく安かった。相続登記、相続放棄、遺言作成など、平均単価8万円程度。1店舗の家賃付き20万円弱、その他10数名の人件費、HPの広告費…。平均単価8万円の仕事を何件受託し、こなせばいいのかしかも窓口として相談できるのは私と妻の二人のみ、そんな毎日を過ごしてきました。

もがいた行動の先に見えたもの

このジリ貧状態を脱するには、高単価へと商品を変えていかなければならない」そう痛感し、更なる取り組みを始めます。そこで、また、多くのセミナーにいき、視察を繰り返しました。私からみて驚くほど高収益が実現できている他業種を見に行ったのです。

☑ 不動産仲介業の他、保険業務・住宅ローン業務の取り扱いを開始
☑ 売るための商品を増やしお客様へ提案
☑ そして、自分だけでなくスタッフでも受任できるよう、生前対策商品を標準化し、販促物、受任ツール、HP等の制作と整備
☑ 各種雛形の整備と商品パッケージ化に取り組む
☑ 商品を絞り込む
☑ 事務所ブランディングのためにセミナー・勉強会を定期的に自主開催。
☑ 製販分離(登記営業・面談担当者・処理部門)に着手

 やれることをやれるだけやりました。
諸々取り組み過ぎて、担当するスタッフも疲弊し、退職するスタッフもでてきました。保険業務は自社でできなくなったり、住宅ローンは撤退したりとやめた事業も多数あります。2017年の9月末には、マネジメントができる人材不足で、品川の事務所も閉鎖しました。

しかし、結果として、

☑ 書籍、DVD等の出版、制作の依頼を受ける
☑ 各種セミナー会社からの講演依頼を多数受ける
☑ 業界紙などによる取材依頼を受けるようになる 等

「民事信託・生前対策に強い事務所」としてブランディングができたという経緯があります。何度も試しては失敗し上手くいったものを改善してきた結果が今の私です。

士業はマーケティングが9割

本書では、下請けから抜け出して川上に立ち、私が自ら取り組んできた高単価でコンサルティングする方法、士業専門家の方向けマーケティング戦略、利益が出る事務所経営、そして、事務所のデジタル化の方法についてお伝えしてきました。実際に私が取り組んで効果があったものだけを抽出しました。

今後、行政手続きのオンライン化、簡素化がますます進んでいきます。そんな変化が多い時代のなか、士業は新しい知識を貪欲に学び、それを顧客に還元できるように常に自己研鑽しなければなりません。それと同時に顧客にとって実践できる場がなければ、わざわざ得た知識も活用する場がないという状態に陥ってしまいます。自分の前に見込み客を呼ぶために必要なのがマーケティングの知識です。

特に、業界の垣根がなくなり、誰でも同じような業務ができるようになりつつある時代の中、”誰に”相談するのかが問われる時代になってきています。

士業が扱うサービスは形が見えないものです。だからこそ、提供するサービスの売り方を工夫する、すなわちマーケティングの意識をもって経営をしないと、競合との差別化ができません。士業という資格をとった先生たちは、学ぶ力と知識を皆持っています。

でも、知識だけではスタッフを雇い、経費を支払うという事務所経営はできません。経営実務上の知識だけでなく、自分の事務所の見せ方やサービスの売り方を工夫する、すなわち”マーケティングの知識”が必要です。マーケティングを士業が学び自ら実践できるようになると、各種施策を自ら戦略的に仮説、検証ができるようになり、士業がやりたいと思う仕事を自ら受注できるようになります。

この業界で仕事をしていると、同じ時期に開業し、知識と経験は豊富にあるのになぜか、仕事を獲得するのに苦労している方とその反面、自分が望む仕事を受注し活き活きとしている先生を見かけます。その差は何でしょうか?その差の9割を占めるのが、”マーケティング力”だと筆者は思います。

自分のマーケティングスタイルを確立することで、自分が望むような働き方ができる、そのような力がマーケティングにはあるのです。

この本は、士業が最短距離でマーケティングを学ぶための入門書だと思って、読み進めていただければと思います。仕事を受注し、実務を重ねていくことで、実務家として成長していくことができます。実務経験を重ね、様々な問題解決ができる士業が増えれば、その先にいる顧客の家族や周りの人たちの問題も解決できます。多くの士業が全国各地で顧客のベストな提案をし、課題を解決していくそんな未来を一緒につくっていきましょう。

2022年2月

司法書士・行政書士事務所リーガルエステート
代表司法書士 斎藤 竜

堀江貴文が考える日本の士業のこれからとあるべき姿とは

士業は、資格という安定した肩書があるからこそ、国民に広く信頼されており今の士業という仕事があります。

その反面、どうしても資格という枠に捉われ過ぎがちな面があり、本当は色々できるのに、チャレンジできる土台があるのに、〇〇士は〇〇いう業務しかできないという、自分の枠を狭めてしまっていがちです。そして、ある程度、地域の信用を得て仕事を受注できるようになると、「こんなものでいいかも・・・」と思い込んでしまい、小さくまとまってしまいがちです。でも、本当は先人たちがゼロから築きあげた資格、その信用があるから今があり、次の時代の士業につないでいく責任があります。

インターネットが普及し、民間会社がリーガルテックの分野に参入してくるなか、士業はそのまま何もしないでやられっぱなしでいいのか??そんな訳はありません。

なによりも危険なのは変化をしないこと、新たなチャレンジに勇気をもって踏み出せなくなることです。

チャレンジするということは、当然、失敗する可能性も含まれます。
でも、「失敗して失うものなど、たかが知れている」と堀江氏はいいます。

そこで、士業の先生が一人でも新たなチャレンジをするためにも、その一歩を踏み出すキッカケ作りとなるよう、この講演会を企画しました。

第一部は、ロケット、和牛と新たな挑戦をし続ける実業家堀江貴文さんが考える「日本の士業のこれからとあるべき姿、士業がチャレンジする重要性」をテーマに講演いただき、第二部では相続業界に相続モールという新しい業態を作り上げ、今もなおチャレンジし続けるベストファーム斉藤社長に講演いただくセミナーを開催します。
場所はベストファームいわきで、新しい業態相続モールの現地視察も可能です!

もっと成長したい、このままでいいのかと不安に思っている、現状を変えていきたい、そんな想いをお持ちの方は是非、ご参加ください!
オンライン配信します。

本セミナーで学べるポイント

ポイント1
「これからの時代士業に求められる役割の仕事は何なのか?」、士業の未来をホリエモンが語る

士業の人は資格さえ取れば安泰だと思っている人が多くいます。さらにネットの普及、コロナをきっかけに時間ができて、自分で書類手続きをする人が多くなってきた今の時代。士業の仕事はすべてコンピューターにとってかわられます。
では、士業が本質的にすべきこととは、いったい何だろうか?それを1時間半の中で講演いただきます。

ポイント2
専門領域・資格・固定概念など枠にとらわれずに動ける「チャレンジ精神」とは?

堀江さんには「日本の士業のこれからとあるべき姿、士業がチャレンジする重要性」をテーマに講演いただきます。
また、次世代の士業事務所として必ず名前があがるベストファームグループ。登記事務所から相続事務所へ移行した経緯や相続分野のモール型ワンストップサービス事業が軌道に乗るまでの失敗の数々。これまでのチャレンジしてきた軌跡を語っていただきます。

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