司法書士は営業をしないでよいのでしょうか?
実際に目にすることもありませんし、司法書士をはじめとした士業の方が頑張って営業するイメージは確かにありませんよね。
しかし、実際には司法書士も営業をしています。
司法書士業を続けるため、利益を上げるためには営業が必要です。
今回の記事のポイントは下記のとおりです。
- 司法書士の営業の基本は3つで、①顧客になりそうな営業先を決める、②営業先にできることを伝える、③営業先との信頼関係を築く
- 司法書士の営業活動のポイントも3つで、①得意な専門分野を明確にして営業する、②営業先が相談しやすくなる仕掛けをつくる、③営業先ごとに営業の仕方を変える
司法書士の営業の基本と営業活動のポイントについて解説します。
目次
司法書士も必要な「営業」の基本
司法書士の営業の基本は3つです。
(1)顧客になりそうな営業先を決める
(2)営業先にできることを伝える
(3)営業先との信頼関係を築く
ひとつずつ解説します。
(1)顧客になりそうな営業先を決める
まずは、顧客になりそうな営業先を決めましょう。
営業先を決めるポイントは「自分の得意分野が活かせる顧客を選ぶ」ことです。
例えば法人登記書類の作成が得意なら、顧客は「新しく会社を設立する方」がベストです。
会社設立とは何の関係もない学生や主婦を営業先に選んでも、得にはなりませんよね。
営業の効果をより高めるために、自分の得意分野を活かしやすい顧客を営業先にしましょう。
(2)営業先にできることを伝える
司法書士は数が多い上に、司法書士と関わること自体が少ないので、顧客側からすると違いがわかりません。決め手がなければ「有名な大手事務所に頼めば間違いない」と思われてしまいます。
営業先にできることを伝えましょう。
得意分野を明確にし、その得意分野の信頼度が高い事務所だと思ってもらえるようにしましょう。
「得意分野がこれで、得意分野に関しては大手にも負けない実績があります」といったアピールをしておくと、顧客側も「これに関してはあの事務所が得意だったな」と印象付けて覚えてくれやすくなります。
(3)営業先との信頼関係を築く
司法書士の事務所は数多くあるので、信頼関係がうまく築けないと顧客側も「別の事務所に頼もう」となってしまいます。
一人の顧客から継続して依頼を受ける(リピートされる)ことができれば、大きな利益になるので、丁寧な対応で信頼関係を築き、次の依頼につながるよう真摯な対応を心がけましょう。
なお、顧客から継続して依頼を受けることができるよう、リピート化させるために必要なことは下記の記事にまとめてあります。
気になる方は確認してみてください。
司法書士の営業活動のポイント
司法書士の営業活動のポイントは3つです。
(1)得意な専門分野を明確にして営業する
(2)営業先が相談しやすくなる仕掛けをつくる
(3)営業先ごとに営業の仕方を変える
ひとつずつ解説します。
(1)得意な専門分野を明確にして営業する
営業を行う際は「自分が司法書士としてできること・専門分野」を正確に伝えましょう。
特に一般の方には「司法書士」が何をするか、何ができるかをわからない方も多いので、HP制作やチラシ作成等の広告を打つ場合、得意分野を明確に示す必要があります。
成年後見制度の手続きやサポートが得意なのに企業向けに広告を作ってもだれも利用してくれませんし、逆に企業法務をメインとしている事務所が個人向けの広告を作っても意味がありません。
得意分野を必要としてくれる顧客向けの広告を打つことが必要です。
(2)営業先が相談しやすくなる仕掛けをつくる
営業先から相談したくなるような仕掛けを作るのもポイントです。
例えば「過払い金請求」に関するCMや広告を見たことはないでしょうか?
「過払い金請求」広告にはほぼ例外なく「自分もお金が戻ってくるかも」と思わせるようなメッセージや、相談自体は電話だけでできて無料であるという内容が含まれます。
これは相談したくなる仕掛けの一つです。特に、電話だけで相談できるという手軽さは相談しやすくなるので非常に重要です。
また、司法書士には「法律関係の事務所」という難しくて堅苦しいイメージを持つ人が多いので、相談しやすさをアピールすることはそれだけで顧客の心理的ハードルを下げてくれます。
特に広告を使って不特定多数に営業を行う場合、顧客側から相談しやすい仕掛けを用意しましょう。
(3)営業先ごとに営業の仕方を変える
営業先はいくつか種類があり、その性質によって営業の仕方を変えるのも大切です。
司法書士のメインの顧客は
①個人の顧客 、②新規の不動産事業者、 ③司法書士以外の士業の事務所
ですので、それぞれ見ていきましょう。
1.個人の顧客
個人の顧客は数が多く、司法書士に求めるものもそれぞれに違います。
個人相手に個別に営業したとしても得意分野を活かせる顧客を確保できる確率はかなり低いと言えます。
労力に対して成果があがらず、効率はよくありません。
個人の顧客に対する営業は個別に営業するのではなく、事務所の特徴を前面に押し出した広告を打ち、事務所を必要としてくれる顧客を確保しにいくのがいいでしょう。
例えば、ホームページで顧客の悩みに対するQ&Aページを作成する、悩みで検索した顧客をフローチャートで個別の相談ページに誘導する、などが効果的です。
2.新規の不動産事業者
不動産会社の多くは不動産登記業務を委託するために、基本的に司法書士事務所と提携をしています。既存の不動産会社では既に司法書士事務所と契約をしていることが多いので、営業しても無駄になってしまうことが多いです。
しかし、新規の不動産事業者はまだ司法書士事務所と契約していない可能性も高く、契約をとれる可能性があります。
もし契約できれば継続的に仕事が入ってくることが約束されるため、事務所にとって非常に大きな収入源になるでしょう。
不動産会社と契約を狙う場合は、新規の事業者をピンポイントに狙って営業をかけましょう。新規の不動産会社を探す場合は、定期的に公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会や全国宅地建物取引業保証協会といった不動産業界団体のホームページから会員を検索するのが効率的です。
3.司法書士以外の士業の事務所に対する営業
士業には司法書士以外にも行政書士や公認会計士など多くの種類があります。
営業先としては主に「8士業」と呼ばれる戸籍や住民票への請求権が認められているものが中心となります。
「8士業」は弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士、海事代理士の八種類の士業を指し、これらは法律で「独占業務」と呼ばれる他の士業ではできない業務が定められています。
法律上、似た業務であっても提出先が違うだけで顧客からの要望に応えられないことも多いです。
司法書士以外の士業事務所への営業は、顧客の要望に応えられない業務の振り先にしてもらうためのものになります。
例えば、司法書士は裁判所・検察庁や法務省といった法律に関する省庁への書類作成はできますが、官公署に提出する書類の作成はできません。官公署に提出する書類作成依頼が来た場合は、提携した行政書士事務所に依頼を回すことで顧客の要望に応えることができます。
このように、お互いに得意分野や業務範囲をカバーしあうことで顧客からの要望に応えやすくなり、信頼感と顧客満足度を高めることができるのです。
まとめ
司法書士の営業の基本と営業活動のポイントについて解説しました。
- 司法書士の営業の基本は3つで、①顧客になりそうな営業先を決める、②営業先にできることを伝える、③営業先との信頼関係を築く
- 司法書士の営業活動のポイントも3つで、①得意な専門分野を明確にして営業する、②営業先が相談しやすくなる仕掛けをつくる、③営業先ごとに営業の仕方を変える
顧客をつかむ営業は大変です。顧客をつかんだら、その後も離さないように真摯な対応で顧客対応をしましょう。
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