既存の業務をコンサル化する

明けましておめでとうございます。生前対策・家族信託コンサルタント司法書士の斎藤です。

いよいよ、新年が明けましたね。僕も7日から仕事はじめです年末年始はバリに家族旅行してきました。インドネシアでも「Grab」という配車アプリがあります。空港からホテル、観光までと格安で気軽に移動でき、翻訳もできる。そんな状況です。
スマホ一台もっていればどこにでも行ける、、、そんな時代になってきています。僕らの仕事も今年1年で大きく変わっていくでしょうね。

そんな中、本日は既存の業務をいかにコンサル業務へと転換していくかという視点の記事です
僕自身、これまで、既存の手続き代行業務を徐々にコンサル化し、付加価値をつけるということを試行錯誤してきました。

司法書士目線の記事ですが、他の業種にも転換可能です視点をずらすのがポイントだと思います(^^)
自分の今の仕事をいかに、コンサルへと変えていくかという視点で参考にしてみてください(^^)/

相続手続きをコンサル化する

生前ではなく、相続後の手続きでは、コンサル提案をする余地がないということを先生方からよく話を聞きます。

・多額の借金があるようであれば、相続放棄を検討するのか。
・財産の分割をどのようにするのか。

相続後における選択肢は少ないかもしれません。でも、果たしてそうでしょうか?

不動産関係の営業マン経由で、過去、「自宅を売却するため、亡き父から相続人への 法定相続登記の登記をしてほしい」というよくある相談を受けました。

話をよく聞いていくと、自宅には長女(子供はなし)と母が同居しているとのこと。

10年前に他界した亡父には借金があり、売却予定の自宅は、アパートも兼ねており、今まで母がそのアパート収入と年金から借金を返済してきました。しかし、それもきつくなり、今回自宅を売却して、借金を完済することにした、という内容でした。

売却想定価格は8000万円、借金は3000万円です。手元に残った現金は、家族で法定相続分通り、分配予定です。ちなみに相続税法改正以前の相続のため、負債を考慮すると、相続税はかかりません。

本当に法定相続分で登記をしたほうがいいのか?

ここで検討していかなければならないのは、その後の相談者の将来設計です。今後、不動産の売却代金で借金を返済し、母と同居する長女の生活も考える必要があります。

負債を除く不動産の法定相続分は、母4分の2(4000万円)、長女4分の1(2000万円)長男4分の1(2000万円)です。法定相続分で売却すると、3名全員が売主となります。

ここで、考えていかなければならないのは、不動産売却時の特例ですね。3000万円特別控除が使えるか否か母と長女は物件に居住しているため、居住用財産の3000万円特別控除が活用できます。ここでは簡易にみるため、長期譲渡20%で計算していきます。(実際には復興所得税等の加算があります、、司法書士、行政書士などは税理士さんと連携の上対応必要です)

母 :(4000万円-3000万円)×20%=200万円
長女:(2000万円-3000万円)×20%=0円
長男:2000万円×20%=400万円
トータルで600万円の税金負担の発生

これを法定相続登記ではなく、居住する母(2分の1)と長女(2分の1)の共有とし、長男に代償金として諸費用控除後の法定相続分に相当する金額を設定した上で、その金額を代償金として支払う代償分割を検討します。

その場合、売主は母と長女のみのため、下記のようになります。

母 :(4000万円-3000万円)×20%=200万円
長女:(4000万円-3000万円)×20%=200万円
トータルで400万円となり、法定相続登記との差が200万円となります。

遺産分割提案の差で、支払う税金が変わるのです。

代償分割提案のデメリットは?

法定相続がいいのかそれとも代償分割がいいのかそのメリット・デメリットも考えていく必要があります。

法定相続の場合には、母、長女、長男の3名の共有になるため、売却手続きも3名全員が売主となります。当事者間の家族関係が良くないなど、信頼関係がない場合には、共有の方がベストです。なぜなら、代償分割提案の場合では、特定人が売主となることから、特定人のみで価格設定など売却条件等の交渉をすることになり、物件を取得しない相続人は売却手続きに関与できない、そして、売買代金も物件を相続した相続人に支払われるため、その後、他の相続人に支払ってくれるのか?など、信頼関係がなければ、活用は難しいです。

また、全員が売主となることから、全員に譲渡所得が発生してすること、そして、所得が発生することから、健康保険など社会保険などのことも考慮する必要があります。

代償分割案では、不動産を相続した相続人のみに譲渡所得が発生します代償金には譲渡所得は発生しません。ですが、代償分割提案は信頼関係がないと、価格などについて合意形成がないのに、不動産を相続した相続人が独断で不動産を売却されたなど、の問題もあるため、間に専門家が入り、法務、税務面も鑑み、その信頼性を担保して手続きを進めていく、上記を考慮して進めていく必要があります。

コンサル業務は、身近な相談の中にある

今回の話は、元々は法定相続登記の依頼です。
ですが、そういった簡単な相談の中でも、僕らの持っている知識、例えば、法務の専門家であれば、税務の概要は押さえておく必要はありますが、それで、コンサル業務へと一工夫を入れることで変えていくことができます。

顧客の相談は直線的です。こうしてほしいという依頼でも、多面的に考えると他の選択肢が見えてきます。専門家は自分の分野については、専門家としての知識を求められます。
ですが、他の専門家の分野についても専門的な知識までは持つ必要はなく、応対できる知識を持てば十分です。どうしても、超専門的知識を持とうと先生業は勉強をしがちなのですが、そこまでは持つ必要はなく、適切な専門家につなげることができれば、それで十分です。

本当に顧客にとって必要なことは何なのか?それを多面的にみる能力、こういったことが求められます。情報はググればわかる時代、試験ではないので、専門家としては自分の分野以外の知識は考え方、概要を押さえておき、フックをかけておけば十分です。

顧客相談との中で、フックにかけた情報を引き出し、青写真を設計し、提案する詳細な部分は後で調べる、詳しい専門家につなぐことが必要です(^^)/

今回の記事は、ここまで。また、次回をお楽しみに。

コンサル案件受注のためのポジションづくり考えていますか?

インターネットの普及により、業界・資格の壁は溶け始め、「相続」という一つの業務をみても、士業の他、金融機関、不動産会社など多くの業種が取り組みを始めており、競争は、以前と比べて非常に激しくなっています。

もはや「○○士」・「○○認定資格」といった資格だけでは、事務所・会社を経営することはできません。夢を持って資格を取得したにもかかわらず、この現実に多くの先生業の方が悩んでいます。
また、AI・IT化の進行により、手続業務は簡素化されつつあります。
しかし、その一方で高単価コンサルティングを手掛け、顧客との継続的な関係をつくっている先生もいます。

そんな中、お客様への提案時にどうあるべきか、どのように生前対策コンサル案件を受注していくか、をお伝えするセミナーを開催しています。

【生前対策・家族信託提案力アップセミナー】
日時  2019年1月16日水曜日 14時00分~16時00分
2019年1月23日水曜日 9時30分~11時30分 【満席】
2019年2月13日水曜日 9時30分~11時30分
会場 株式会社東京八重洲ホール

★セミナー内容★
◎10年後、あなたの仕事はある?ない?
◎AI・IT化によっておこるチャンスとは?
◎生前対策業務における確認すべきポイントとは?
◎選ばれている士業・専門家の専門家のポジションニングの秘訣
◎手続き代行から生前対策コンサルに転換するには?
◎家族信託・生前対策コンサル業務における商品設計のコツとは?
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