大手法人や異業種と士業・専門家が戦うために必要なのは〇〇が必要

今までは士業や専門家など特定の業種だけが提供していたサービスを、最近は金融機関やリーガルテックを標榜する民間会社が手掛けるなど業界の垣根がますますなくなってきています。また、大手法人のネット広告なども増えてきており、競争は激化している感を感じています。

どうしても、大手の戦略を意識して真似をしがちですが、それよりもむしろ今は地域での信用づくりが大事なのではと考えています。コロナ禍のなか、身近な人に相談したいというニーズが高まってきていると感じています。

今回の記事のポイントは下記のとおりです。

  • 異業種との業界の垣根がなくなってきており、異業種が参入してきている
  • 誰もが同じような情報を発信している
  • 信用がないと、あとは価格競争
  • 選ぶ優先順位は、自分が知っている人→知人などからの紹介→ネットではないか??
  • 地元で案件獲得するには、むしろどぶ板営業がよいのでは

地域の先生が大手と戦うために必要なことについて解説します。

業界の垣根がない

今では、士業が手掛ける相続や企業向けの会計など専門サービスも、金融機関や不動産会社、保険代理店のほかにリーガルテックを標榜している民間会社が、家族信託サポートサービス、相続登記、商業登記申請書作成サービス、記帳代行、労務管理手続きサービスを手掛け、結果、士業と変わらないサービス展開を行っています。

つい最近も、私が7年前に遺言作成のお手伝いをしたお客様から連絡を受けました。某大手金融機関から執拗に遺言を書き換えしないかと営業を受けているとのこと。過去、子供がいない夫婦の遺言作成のお手伝いをしたお客様です。
会ってお話をきくと甥、姪などの家族構成が当時と変わっており、遺言を過去作ったという話を、付き合いのある金融機関との話のなかで伝えたら、遺言の書き直しが必要と勝手に遺言案を検討し作り出して、次回は専門の担当者をつれてくるという話になってしまったと困り果てて連絡をいただけました。

同じような情報が氾濫している

この15年で情報量は何倍になったと思いますか?

15年前というと、iPhoneが2007年に登場してまだ1年という状態です。僕自身も勤務先からiPhoneを支給されて利用していましたが、まだまだ通信速度も遅く、サクサクと使用することができない状態でした、、、
その時はまだまだガラケーが普及していた時代。まだまだテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などの媒体が主な情報の発信源でした。

我々の業界でも、2007年ごろから過払い金返還請求の広告が新聞折込広告、電車、テレビ、ラジオなどいたるところに広告が投入されるようになりました。お客様に自社の情報を届けるには、マスメディアを通すことが中心だったため、広告費として多額の資金が必要です。つまり、規模が大きい会社、法人でなければ、その資金が用意できず、必然的にビジネスを行うためには売上、人数、規模を大きくする必要がありました。規模がないと情報を発信することができないのです。

現在は、どうなっているか?
一説では、今から15年前の1996年から10年後、iPhone発売前の2006年の10年間だけで選択可能な情報量は531倍になった(総務省のデータ)とも言われています。2023年で考えるとさらに情報量が氾濫しています。これは、インターネットが原因です。メルマガ、ブログ、YouTube、Facebook、Twitter、、、、など今では個人で気軽に情報を発信できます。ペライチなど、技術がない一般の方でも無料でHPをつくれるサービスもあります。大きな法人に所属していなくても、資金力がなくても、誰でも情報を発信できる時代になっているのです。

ということは、情報が溢れすぎて情報を発信した側の発信や広告が見てもらえなくなるということが頻繁に起きています。

実際にあなたは、テレビ・ラジオを活用していますか?僕自身、YouTubeやネットのニュースサイトなどネットで見て、情報収集しています。なので、テレビをほとんど見ませんし、雑誌も買いません。見たいものを見ていますが、それでも見たい記事、情報、それがありすぎて全てを収集し、見ることができない状態です。

例えば、「横浜 相続」と検索しても先生の顔写真、業務内容、、、、同じような相続サイトが乱立しており、どこがいいのか選べません。例えば、自分と同じ仕事をしている人を見つけようとすると、ウォーリーを探せと同じ状態となってしまう。どこも同じサイトが並んでいて、最後に判断基準がわからない比較できるのは「価格」になってしまいます。しかし、価格競争では、事業者は商売にならないです。

この話は、WEBがそもそも浸透していない地方エリアであれば、HPはとにかく用意すべきです。情報がないので、それだけで差別化できます。でも、過当競争となっている地域では、皆同じようなHPをつくってしまい、結果、競合だらけになってしまっているんです。

資格の価値はどうなってくる?

例えば、中小企業診断士という資格、この資格は、資格自体に独占業務はありません。でも、信用はあります(変な他意はありません)。情報が溢れる時代、今後、僕は資格が信用になると思って仕事に取り組んだ方がいいと思っています。

例えば、僕らは相続業務に携わっていますが、印鑑証明書、権利証も預かり証なくして、預けてくれる、名寄せや保険証券も見せてくれる、それは、「司法書士」という資格には先人たちが培ってくれた信用があるからです。

広告とネットだけでは”信用”をつくるのは難しい

そんな中、思うことは、お客さんはなぜあなたに相談したいと思うのか。選んでもらえる信用づくりが必要だと考えています。

米コロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授による「ジャムの実験」という有名な実験があります。スーパーの入口に有名ブランドの試食コーナーを設けて、24種類のジャムと絞り込んだ6種類のジャムとの2パターンにを入れ替えて販売してみたところ、少ない品揃えのほうが6倍以上の売り上げの効果を出したという有名な実験です。ここでわかるポイントはサービスの種類が増えれば増えるほど、選びづらくなるということです。

今は、情報過多の時代で、同じような専門家のサービスが増えすぎて選ぶのが難しい時代になっています。

普通に困ったな、こういう時にどうすればいいんだろう?
と悩んだとき、最初にネットで情報を検索すると思います。でも、実際に調べていざ誰かに依頼しようと考えたときには、「自分の身近で詳しい人」→「つながりのある知人・友人の紹介」→(誰も思い当たる人がいなければ)「ネットで相談」となると思います。

この流れで考えていくと、大きな要素として、「自分の身近、紹介」など相談をする顧客からの”信用”、つまり、”信用”からのつながりが重要なポイントになりそうです。

私もコロナ禍の緊急事態宣言中、試しに全国向けに信託に関するセミナーの広告を行ってみたことがあります。福岡や広島、北海道などの方にも参加してもらい一定の反響はあることは確認できましたが、実際に仕事の受注率をみていくと地方参加の方はほとんど受注できていません、、。先日も山口県からオンラインセミナーに参加いただいた方へ、ご連絡してその後の状況を確認してみたところ、地元の先生に相談したいという回答をもらいました。

受注するための仕組みをもっともっと考えなくてはいけないですが、思い知ったのは、広告とネットだけでは”信用”をつくるのは難しいということ。

大手法人や民間の会社が全国向けに多額の広告費を使っても、そこから信用をつくることって難しいんですよね。ネットで専門家サービスを利用するのは、「身近な知り合いがいない」だからネットで依頼先を探す。ネットでは閲覧者との信用をつくることが難しいから、大手の信用をつくるために規模を重視する、サービスの比較が難しいから価格を下げるという、大手がとるべき戦略をとらないと難しい状況です。

だから、個人の先生が大手と同じような戦略をとっても物量で勝てるわけがない、では、何が重要かというと、地域でゲリラ戦、つまり一人一人のお客さんとなりうる人との接点を増やし、〇〇といえば〇〇先生という思い出してもらえる状況をつくることなんです。

信用をいかに作るか、益々重要になってきている

アナログで人間関係をつくりつつ、+αでネットを使う、こんなことがこれから大事になってくるだろうなと思っています。

僕自身も4月下旬からの緊急事態宣言後、新規の問い合わせは減りました。でも、既存からの受託案件として、リピート(先ほどの遺言書き直しや遺言執行)、紹介、ずっとメルマガなどを送っていた士業の先生からの信託契約書作成のお手伝い、過去セミナーや無料相談に来てくれた人、紹介案件の顧客との間には価格交渉、値下げ交渉はほとんどないのです。

大手ができないことは、このどぶ板での地域での信用づくり、だからこそ、地域の士業の先生は原点回帰のこの部分をおろそかにしてはいけないのだと思います。

大手と同じような戦略をしても地域の先生は広告費の物量で勝てません。自身の提供するサービスの利用者目線で考えて、ITツールなどシステムやサービスであれば全国の顧客を対象に提供できますが、”人”の属人性がある専門家サービスは地域で近所で信用がある人に相談したいニーズが高いです。

地域では、密接な人間関係をつくるという、ある意味”ゲリラ戦”、”どぶ板営業”が大手に勝てる方法です。ここは、民間のリーガルテックや大手が手を出しづらい領域です。信用を地域でつくり、この地域で〇〇という分野であえば〇〇先生というポジションをつくることが重要だと感じています。

まとめ

  • 異業種との業界の垣根がなくなってきており、異業種が参入してきている
  • 誰もが同じような情報を発信している
  • 信用がないと、あとは価格競争
  • 選ぶ優先順位は、自分が知っている人→知人などからの紹介→ネットではないか??
  • 地元で案件獲得するには、むしろどぶ板営業がよいのでは

情報が多いほど、選ぶのが難しくなってきていると感じています。改めて考えていくと、信用関係がある人からの依頼、紹介は価勝負になりづらいです。ネットは補完するツールであって、直接のアナログ営業がやっぱり最強です。

家族信託・生前対策相談を継続的に獲得するには?

コロナになってからオンライン事業が拡大し、仕事の仕方や家での過ごし方など、さまざまな点で変化が訪れています。こういう大きな過渡期に自分のビジネスを見直すということ。どの経営者でもビジネスマンでも必ずやっていることだと思います。

リーガルエステートも今この転換期にどのように時代に合わせたサービスやビジネスを構築しているのか。それを日々考えているところです。士業・専門家はこれまで手続き代行業務で生計を立ててきました。しかし、今、時代は情報社会。手続き的なものは一瞬にしてWEBメディアで調べ、少し難しい物でもできてしまいます。

では、なぜ顧客は士業・専門家に相談するのでしょうか?
士業・専門家へ依頼するその価値を私達は常に考えなければなりません。

高齢化社会がさらに加速する日本において、多くの人が直面する「認知症問題」や「少子化問題」。
ご家族ごとに状況や家族構成、ご要望が違うことに対し「私はどうやってやればいいのか」というコンサルティングを考えていく。その中でどのように「家族信託」や「成年後見」など生前対策のご提案を提供していくのか、です。

求められているものは、「ご家族円満」。家族信託は一手法です。そのお客様への一つひとつの考え方が家族信託350件の受任につながっている。僕はそう考えています。

見つめ直すきっかけとして、是非本セミナーをご活用ください。
下記のような方にお勧めです。

・税金や不動産は専門外で、何が問題となるのか、どのようにお客様に伝えたらいいのか分からない…
・遺言や家族信託はしたが、不動産や税金対策までは見ておらず問題ないのだろうか?
・家族信託など生前対策の実務は学んだが、集客ができない…

家族信託・生前対策受任力アップセミナー

セミナーでは下記の内容を伝えています。

  • 相続・家族信託のマーケットの状況
  • 士業・専門家業の時代の流れと高収益生前対策案件受任の発想方法
  • 家族信託、任意後見、遺言など生前対策提案の活用方法
  • 生前対策・家族信託コンサル業務における商品設計のコツとは
  • 生前対策・家族信託相談からの不動産提案のポイント
  • 価格競争に陥らず、安定的に相談者を増やすコツ
  • 生前対策から相続手続きまでのLTV(生涯顧客最大価値)を高めるためのポイント
  • 選ばれている士業・専門家のポジショニングの秘訣
  • 提案型業務への移行の7つのステップとは

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