AIを「優秀な助手」に変える魔法の5分設定|左手で話し、右手で撮る「士業専用・省エネ入力術」

司法書士・行政書士事務所リーガルエステートの斎藤竜です。

今、士業の世界は大きな転換期にあります。

人手不足、報酬単価の下落、そして加速度的に進化するAI。

分厚い書類の束を前にして「これを一から説明するくらいなら自分でやったほうが早い……」と感じたり、家族信託の複雑なスキームを打ち込む指が止まってしまったり。鳴り止まない電話と日々の過密な業務に追われ、結局「ChatGPTやGeminiに何を聞けばいいかわからない」「入力を打つのが面倒だ」と、ブラウザを閉じてしまっている先生も多いのではないでしょうか。

実は、AIを使いこなせるかどうかは、あなたの「地頭」や「ITスキル」の差ではありません。

単なる「入力環境の設定」の差なのです。

今回は、私が事務所スタッフに伝えている、AI活用を劇的に楽にする「省エネ設定」を公開します。 この設定を終えた瞬間、あなたのAIは「たまに使う検索ツール」から、あなたの思考を先回りして整理してくれる「優秀な助手」へと変えられるはずです。

なぜ、士業のAI活用は「入力」でつまずくのか

私たち士業の仕事は、極めて言語化のコストが高い仕事です。

相続の複雑な人間関係、家族信託のスキーム、法改正の解釈。

これらをいちいちキーボードで打ち込んでAIに説明しようとすると、それだけで5分、10分と時間が過ぎてしまいます。「これなら自分でやったほうが早い」と思ってしまうのも無理はありません。

しかし、もし「考えるのと同時にAIに指示が伝わる」としたらでしょうか?

もし「見ている画面をそのままAIに見せられる」としたら?

私が提唱しているのは、

左手で話し、右手で撮る

という役割分担です。

キーボードを打つという苦行から解放されることで、私たちの脳は「指示を出す」という、より高付加価値なクリエイティブ・ワークに集中できるようになります。

それでは、具体的な設定方法を見ていきましょう。

1. 左手の役割:思考を「声」で一瞬に言語化する

AIへの指示(プロンプト)は、丁寧な文章である必要はありません。
むしろ、頭の中にあるモヤモヤをそのまま吐き出すほうが、AIはあなたの意図を汲み取ってくれます。
音声入力のポイントは多少の誤字、脱字は気にしないことです。大きな間違いについては、当然キーボードを使うなどして手直しでの修正が必要ですが、多少の誤字脱字は AI が文脈を理解して読み取ってくれるので、そのままEnterKeyを押してしまうのがポイントです。

音声入力の「1ボタン」化(Win + H / F1キー)

Windows 11には標準で極めて優秀な音声入力機能が備わっています。

通常は「Windowsキー + H」で起動しますが、これをさらに効率化するために「F1キー」1発で起動するように設定しましょう。

設定のポイント:Microsoftの無料ツール「PowerToys」を使い、「Keyboard Manager」でF1キーに「Win + H」を割り当てます。

これにより、左手の小指や薬指ポンとF1を押すだけで、いつでもAIと対話が始められます。

必須の「句読点」設定

音声入力で最もストレスが溜まるのは、句読点がない「のっぺらぼう」な文章になることです。

これを解決するために、以下の設定を必ず行ってください。

1.音声入力バーの「歯車マーク」をクリック。
2.「句読点の自動化」をオンにする。
3.「音声入力起動ツール」をオンにする。

これで、「、」や「。」が自動で挿入され、GeminiなどのAIが理解できる正確な指示文が完成します。この「起動ツール」をオンにすることで、入力欄をクリックした瞬間にマイクが待機状態になります。毎回設定を確認する手間をゼロにし、常に『話しかければ動く』状態を作ることが、AIを日常に溶け込ませ、習慣化するための最大の秘訣です。

写真画像、 Excel 、PDF PowerPoint などの資料がすぐにアップロードできる環境であればあればそのままアップすればよいてす。

パソコン上の画像、資料をダウンロードして、再度 AI にアップするためのひと手間を減らす工夫が生産性を上げます。

2. 右手の役割:見たものをそのまま見せる「視覚共有」

「百聞は一見に如かず」はAIの世界でも同じです。 登記事項証明書、名寄せ、顧客から預かった参考書類、作成した提案書、戸籍などの多くの資料。これらを言葉で説明するのは時間の無駄です。

「PrtSc」キーを最強のキャプチャボタンにする

通常、スクリーンショットを撮って、保存して、ファイルを選択して……という手順を踏みますが、これでは遅すぎます。

「保存せず、そのまま貼り付ける」設定に切り替えましょう。

Windowsの設定 > アクセシビリティ > キーボード >「PrintScreenキーを使用して画面切り取りを開く」をオン。
Snipping Toolアプリの設定で「スクリーンショットを自動保存する」をオフ。

これで、右手でキーボード右側の「PrtSc」を押し、範囲を囲むだけで準備完了です。あとはGeminiの入力欄で「Ctrl + V」を押すだけ。
PCの容量を1バイトも汚さないのはもちろんのこと、何よりのメリットは『デジタルなゴミ』が一切溜まらないことです。
士業にとって情報の整理整頓は重要です。デスクトップやダウンロードフォルダが「いつか消そう」と思っただけのスクショ画像で溢れかえることは、それだけで脳のリソースを奪い、思考を濁らせる原因になります。「撮ったら即貼り付け、あとは消える」。このサイクルによって、PC内もあなたの思考も常にクリアな状態を保ちながら、必要な視覚情報だけをAIに届けることができるようになります。

3. 長いページも丸ごと飲み込ませる「GoFullPage」

士業の実務では、縦に長いウェブサイトや、Chatworkなどのチャット履歴を分析したい場面が多々あります。

ここで活躍するのが、Google Chromeの拡張機能「GoFullPage」です。

使い方は簡単です。ブラウザ右上のカメラアイコンを押すだけ.

撮影が終わったら、画像の上で「右クリック > 画像をコピー」を選択し、そのままAIに貼り付けます。

これで、数ページにわたる議論の要約や、長い解説記事のポイント抽出が数秒で終わります。

士業の生命線:セキュリティと個人情報の守り方

設定を実務に活かす前に、一点だけ極めて重要なことをお伝えします。私たち士業にとって最も重い責任は「守秘義務」です。

AIは非常に便利ですが、情報の取り扱いには適切な配慮が必要です。 氏名、正確な住所、生年月日などの特定の個人を識別できる情報は、AIに入力する前に「Aさん」「甲土地」といった伏せ字や記号に置き換えることを徹底する、システム設定するなど社外に情報が流出しないように事務所内整備を必ず施すようにしてください。

重要な個人データはこれまで通り事務所内の安全な環境で厳重に保存し、AIには「法的なロジックの整理」や「文章の構成案の作成」といった、知恵や枠組みを借りるために使う。この一線を守ることで、セキュリティと利便性を高いレベルで両立させることができます。

士業の実務での活用事例

設定が完了したところで、具体的な実務でどう使うかを見ていきましょう。

事例1:進捗状況の即時把握と解決すべき課題の抽出

顧客との打ち合わせ記録やメール履歴、あるいは面談時の音声記録。これらをAIに読み込ませた上で、F1キーを押してこう話しかけます。

「これまでの経緯を踏まえて、現在の進捗状況、表面化している問題点、そしてこれから解決すべき課題を整理して」

この手法は、実際に担当している顧客案件の整理にも使えますし、何より「管理者」としての効率が劇的に上がります。例えば、スタッフと顧客の間で交わされた膨大なやり取りの記録をすべてAIに判断させることで、所長や責任者は一瞬で事案の状況を把握し、的確な指示を出すことができるようになります。

事例2:顧客への提案スキーム検討と顧客への説明

顧客の財産状況をまとめたエクセル、打ち合わせで作成した備忘録や、現在検討中の信託設計図のラフをスクショして送ります。

「この家族信託スキームにおいて、受託者が死亡した場合の第2受託者の指定漏れや、税務上のリスクがないかチェックして。また、このメリットを高齢の相談者に分かりやすく伝えるための『3つのポイント』を箇条書きで作って」

AIはあなたのスキームを検証し、さらには顧客向けのトークスクリプトまで作成してくれます。

事例3:事務所内の事務処理・スタッフ教育

社内で使っているメール、チャットツール、相談記録が記載されたツールの画面をGoFullPageでキャプチャし、AIに放り込みます。

「この案件に関するこれまでの経緯を、時系列の進捗表にまとめて。また、スタッフが次にやるべきタスクを3つ抽出して」

これにより、リーダーであるあなたは履歴を読み返す時間をゼロにし、スタッフへの的確な指示出しだけに集中できます。

士業のポジショニングとAIの共生

私は常々、「スキル×ポジション」という概念こそが、これからの激動の時代に士業が生き残る唯一の道だとお伝えしています。

ここで言う「スキル」とは、条文の知識、書類作成の正確さ、手続きのスピードといった「実務の遂行能力」を指します。一方、「ポジション」とは、顧客との信頼関係、地域での認知度、そして「この先生に相談したい」と思われる独自の立ち位置のことです。

これまでの士業は、この「スキル」を磨くことで報酬を得てきました。しかし、AIの登場によって、この「スキル」の部分は急激にコモディティ化(一般化)しています。人間が何時間もかけて調べていた判例や実務慣行を、AIは数秒で検索し、高い精度で回答を出します。つまり、単純な「スキル」の提供だけでは、価格競争に巻き込まれ、経営基盤を維持することが困難になるのです。

では、AI導入はいかにして私たちの経営基盤を安定させるのでしょうか?

それは、AIに「定型作業(スキル)」を徹底的に任せ、人間が「付加価値(ポジション)」に全リソースを集中させる構造を作ることに他なりません。

具体的な境界線はどこにあるのか。整理してみましょう。

AIに任せるべき「定型作業(スキル)」

・情報の集約と要約: 膨大な資料から概要や経緯、課題を抽出する。
・ドラフト(下書き)作成: 定型的な遺産分割協議書や信託契約の初案作成。
・リスクの網羅的チェック: ケアレスミスや条文の参照漏れの確認。
・専門用語の翻訳: 難しい法務用語を、顧客の属性に合わせた平易な言葉に変換する。

これらは、いわば「作業」であり、費やした時間に比例して価値が出るものではありません。むしろ、ここに時間をかけるほど、事務所全体の生産性は低下します。

人間が担うべき「付加価値(ポジション)」

・顧客の「真の課題」の抽出: 相続人が口に出さない不満や、家族間の微妙な感情の機微を察知する。
・倫理的・戦略的判断: 法律的に可能であっても、その家族の将来にとって本当にその選択がベストなのかを判断する。
・ステークホルダーの調整: 対立する相続人間の感情を和らげ、落とし所を見つける人間関係の調整力。
・最終的な責任の引き受け: 「この決断で大丈夫です」と背中を押し、結果に責任を持つ。

AIに作業を任せることで、あなたは1日に面談できる数が増え、あるいは一人の顧客に対してより深い提案ができるようになります。この「人間による関与の質」こそが、AIには代替できない独自の「ポジション」を築き上げ、結果として紹介の連鎖を生み出し、事務所の経営を強固なものにするのです。

今回ご紹介した「省エネ設定」は、単なる時間短縮のテクニックではありません.。あなたが事務作業という「作業」から解放され、顧客と向き合う「実務家」としての時間を生み出すための、経営戦略上の重要な基盤なのです。

左手でAIに指示を出し、右手で情報を共有する。 このサイクルが定着した時、あなたの事務所の生産性は、これまでの数倍、数十倍へと跳ね上がることができます。

さらにAIを「経営の武器」に変えたいあなたへ

今回お伝えした内容は、AI活用の入り口に過ぎません。

実際の現場では、AIにどのような「問い(プロンプト)」を投げかけるか、そこで生成された情報をどう実務に落とし込むかという、より深い戦略が必要になります。

「AIを導入したいが、具体的にどう進めればいいかわからない」
「スタッフと一緒にAIを使いこなし、事務所の利益率を上げたい」
「相続や家族信託の受任率を、AIを使って高めたい」

今回の設定を試して、そのスピード感に驚かれた先生も多いはずです。しかし、実はこれはまだ序の口に過ぎません。今この設定をして驚いた先生こそ、その先の『プロンプト戦略』を知るだけで市場価値が激変します。この入力術で得た『余白の時間』を、どうやって『新規受任』や『経営改善』に変えるのか。その具体的なロードマップを、私は特別なセミナーでお渡ししています。

ここでは語りきれなかった、AIによる自動化の裏技や、受任を加速させるマーケティング術、これで士業がAI時代にどう生き残るかの具体的な戦略をお伝えします。

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まずは今日の「5分設定」から始めてみてください。
士業の実務が、劇的に変わることを確信しています。

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