仕事につながるセミナーとつながらないセミナーの違いとは!?

セミナー

士業・専門家が行うセミナー開催には、参加者の深い満足度を得ること、仕事を受注することの2つの目的があります。ここで注意しなければならないのは、参加者の深い満足度を得ても仕事にはつながらない可能性があるということです。実際に仕事につなげるためには、よくあるセミナーの内容とは構成を変えていく必要があります。

今回の記事のポイントは下記の通りです。

  • 情報提供型セミナーはセミナー参加者の満足度を得ることが目的とするのに対して、顧客獲得型セミナーでは個別相談やサービスに誘導することが目的
  • 情報提供型セミナーでは「問題の明確化」と「情報提供」が3:7の割合に対して顧客獲得型セミナーでは7:3の割合となる
  • 顧客獲得型セミナーでは、複数のセミナーコンテンツを作る必要はなく、一つの同じセミナーコンテンツをブラシュアップしてより受注率が高いものに作り変えていく

セミナーの目的から考えたセミナーの構成の考え方について解説します。

セミナーの目的は情報提供か、顧客獲得か?

セミナーについては、下記の2種類があります。

・情報提供型セミナー
・顧客獲得型セミナー

情報提供型セミナーとは?

参加者の深い満足度を得ることを目的とするセミナーが情報提供型セミナーです。
各種士業団体やセミナー会社が開催する法務・税務などの専門的知識を伝えるセミナーや、民間団体がエンドユーザー向けに外部の専門家を呼んで講演するセミナーなどが該当します。情報提供型セミナーでは、セミナー参加者の満足度が重要視されるのでコンテンツも情報提供がメインとなります。

士業などは、「自社でセミナーを主催して顧客を獲得する」というより、「金融機関、不動産会社、セミナー会社など主催者が企画したセミナーに呼ばれて講演する」という形式が非常に多く、どうしても、自分の持っているノウハウや専門知識を中心に話しをしてしまいがちです。私も、司法書士試験受験予備校で受験生に対して講義を担当していた時代は受験予備校が集客していました。そのため、講義の目的は受講者がわかりやすく、満足いく講演内容にするということが中心となっており、情報提供が講義の中心となっていました。多くの参加者から好評をいただき、私もこの罠に当初陥ってしまいました。

ビジネスの悩み

多くの士業・専門家が参加する士業団体の研修やセミナー会社でのセミナーも私が担当していた受験対象の講義と同じく一般的にこの情報提供型です。
しかし、士業が事業活動の一環としてセミナーをやる際の目的ってなんでしょうか?アンケートで高い満足度をとることや喜ばれること、これらが目的であればそれで構いません。そうではなく、本当は実際に講演内容に満足頂いた方から個別相談をもらい、実際の仕事につなげていくということが目的のはずです。

士業の先生はどうしても「お客さんに喜んでもらいたい」その気持ちで仕事をしているので、講演内容も伝えたいことを満載にわかりやすく、たくさんの情報を盛り込み過ぎな状態で情報を提供していることが多くあります。これが講演料を増やすために、主催者からの再度の講演依頼を目的とするのであれば問題ありません。そうではなく、顧客獲得を目的としているのであれば、情報提供型セミナーから次に説明する顧客獲得型セミナーへと構成を見直していく必要があります。

顧客獲得型セミナーとは?

情報提供型セミナーは主催者や参加者の高い満足度を得ることがゴールでした。一方、顧客獲得型セミナーは、その先生の個別相談やサービスに誘導することが目的です。つまり、顧客に対するセールスを個別面談ではなくセミナーを通して行っていきます。

セミナーの内容として、当然、専門知識やノウハウについても話します。それは受講生が聞きたい内容であるからです。
そのため、一部の部分については専門的に掘り下げて説明します。例えば、遺言や家族信託セミナーであれば、遺言や家族信託の概要、活用事例についてきちんと解説します。そのことについて話さなければ、満足度をとれないので、個別相談につなげられないからです。しかし、専門的に話す部分は特定の一分野です。こうあるべきという理想の状態の話をして問題提起する、そして、今置かれた状況と理想の状態の乖離を認識してもらう、そして、その理想の結果を得るための解決方法を伝えます。情報提供型セミナーと違い、ノウハウの一部しか開示しないのです。

顧客獲得型セミナーにおいて開示するノウハウの割合とは!?

 

顧客獲得型セミナーでは何を伝えるべきなのか、大きく分けると二つあります。

・顧客の問題を明確にし、理想と現実の乖離を認識してもらうこと
・解決方法の情報提供

士業・専門家がよく行う情報提供型セミナーでは、この「問題の明確化と「情報提供・ノウハウ」が3:7くらいの割合になりがちです。しかし、これだと、お客様は解決策を全て教えてもらっているため、高い満足を得られる一方セミナーを受けて自分でもできると満足してしまいがちなので、仕事につながりません。では、顧客獲得型セミナーの割合はどうなるのでしょうか。「問題の明確化」と「情報提供・ノウハウ」の割合を7:3くらいにします。つまり、参加者の悩み、相談、背景、何もしないでいるとどういう問題があるのか、という問題の明確化部分について時間を使います。そして、「情報提供・ノウハウ」は全て伝えるのではなく、その解決に必要な一部のエッセンスとノウハウを深く提供するのです。

顧客獲得型セミナーは1種類だけで良い

ポイント

再度講演依頼をもらう、参加者に再度参加してもらうということを目的とした情報提供型セミナーにおいては、次のセミナーに誘導するために毎回テーマを変えて新しい内容のセミナーコンテンツを作成する必要があります。セミナー講演で収益を立てるビジネスモデルであればこれで問題ありません。しかし、仕事を受注することが目的の顧客獲得型セミナーは参加費が低額又は無料であることが多くあります。

これを続けるとどうなるかというと、同じ方が何度も参加し続ける、つまり、仕事に繋がらない見込み客が何度もセミナーだけを聞きに来るという状況が発生します。高評価であることから気付きづらいのですが、費用と時間をかけて集客したものの仕事に繋がらないままです。

それよりも、仕事につながる顧客獲得型セミナーをつくり、個別相談や有料サービスへの受注率を高めるために一つの同じセミナーコンテンツをブラシュアップしてより受注率が高いものに作り変えていくことで、準備の時間を削減しセミナーを開催しつづけることが可能となります。つまり、顧客獲得型セミナーは1つで充分、ブラッシュアップしつづけていけばいいという認識をもっておいてください。

まとめ

  • 情報提供型セミナーはセミナー参加者の満足度を得いることが目的とするのに対して、顧客獲得型セミナーでは個別相談やサービスに誘導することが目的
  • 情報提供型セミナーでは「問題の明確化」と「情報提供」が3:7の割合に対して顧客獲得型セミナーでは7:3の割合となる
  • 顧客獲得型セミナーでは、複数のセミナーコンテンツを作る必要はなく、一つの同じセミナーコンテンツをブラシュアップしてより受注率が高いものに作り変えていく

セミナーを単なる情報提供の場ではなく、仕事を受注する、セールスの機会として活用していく意識を変えていくことで、価格競争ではなく適正対価で受託していくことができます。誰でも同じようなサービスを提供できるようになった時代、”誰”にお願いするのかという部分を決定づける要素としてセミナー開催を検討してみてください。

【9月8日開催】負債、負不動産対策としての相続放棄・限定承認の実務と活用方法

相続というと、被相続人が持つ不動産や資産などのプラスの財産を思い浮かべる人がほとんど。しかし、マイナスの財産である借金や連帯保証といった負債も承継されます。

今、「相続放棄」の件数は、平成元年以降増え続け、平成14年に相続税納税者の数を上回って以降も、さらにその数を伸ばしています。2018年度の「裁判所司法統計年表家事編」によると相続放棄の件数は、21万5,320件。もちろんこの中には、資産を放棄したいといった方も含まれますが、それはごく一部。この数字のほとんどは、「負債相続の放棄」の数と言っていいでしょう。

基本的に、我々士業・専門家は相続対策を考えるとき「相続税対策」か「争族対策」に目が行きがちです。プラスの財産の対策を主に仕事としている士業・専門家にとって、相続放棄や限定承認、そのほか対策の有効な活用方法、実務のノウハウを知らない人もいるのではないでしょうか。2024年にも創設される予定の所在不明土地問題の対策として土地所有権放棄制度が創設されますが、負不動産対策として相続放棄制度との取捨選択など判断すべき材料が増えています。
相続放棄は期限も決まっているので、スピードと実行力が必要な制度です。もし、故人に借金があることを知って、負債相続を回避したいと相談に来た場合、その不安を取り除き対策できるかどうかはあなた次第であると言っても過言ではありません。

今回、負債相続支援をライフワークとして年間3000件以上(事務所合計)の相談を受けている司法書士法人ABC 代表司法書士 椎葉基史氏をお招きして、負債相続について実例に基づいた提案方法やポイント、注意点を解説いただきます。

【生前対策・家族信託コミュニティー~LFT~2021年9月定例会】
負債、負不動産対策としての相続放棄・限定承認の実務と活用方法

  • 負債の相続対策と相続承認、放棄の概要と現状
  • 2024年創設予定。土地所有権放棄制度の概要と相続放棄の選択基準
  • 相続放棄・限定承認・土地所有権放棄制度の手続き選択のポイント
  • 専門家が注意しなければならない単純承認事由の落とし穴
  • 相続放棄・限定承認の手続きの流れと実務運用の注意点

【日   程】:2021年9月8日(水)
【時   間】:13:30 ~ 16:30
【参 加 費】:お一人様 11,000円(税込)

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