コロナウィルスの影響で、お客様の問い合わせ、集客状況など影響が出始めています。
私の事務所が開催する一般向けのセミナーでは、8名以下、少人数でのセミナー開催を継続的に行っていますが、やはり、コロナの影響で参加を見合わせる方が出てきており、通常の集客状況から考えると、40%以下の集客状況となっています。
また、実際の施設への訪問もウイルス対策として、施設側が外部から部外者の施設訪問受け入れを断っているケースもあるので、本人への面談、出張による公正証書作成が進まないケースも出始めています。
士業・専門家のビジネスは3月が繁忙期ということもあり、現在は忙しい時期が続いてます。飲食、観光、イベント業などがコロナの影響を強く受けていますが、影響を受けている業界にお金が回らないという事は、そこで働いている人たちが消費できなくなり、結果、他の業界、つまり士業・専門家にも影響が出ることでしょう。
そこで、僕らは考えていかなければいけないこと、それは、アフターコロナを見据えた動きをしていくことをお伝えします。それでは、どうぞ(^^)/
目次
アフターコロナを見据えて行動する
冒頭でもお伝えした通り、私の事務所でも新規問い合わせ案件・セミナー集客は減少しています。しかし、ご紹介や問い合わせがあった新規お客様については、高い成約率を維持できているので、生前対策ビジネスについてはやはり、コロナの影響で訪問、直接面談ができないというアナログという面での影響が大きく出てきている状況です。
それでも、潜在的な将来の不安を解決したいというニーズは根強いので、こういう状況だからこそ、士業・専門家がお客様のサポーターとして果たす役割は重要です。
コロナウィルスの影響がひと段落したのちは、従来に戻り、アナログという面談という動きも当然戻ってきますが、頭に入れておかなければいけないのは、顧客はオンラインの便利さに気付き始めていることです。
先日、新規受託した子供世代からの相談のお客様。初回面談は出張し、直接お会いして受託しましたが、お客様の会社では、リモートワークが推奨されているため、業務でchatwork、slackなどのチャットツール、ビデオ会議システムとしてzoomなども利用されており、二回目以降の打ち合わせはチャットとビデオ会議で進めていくということになりました。
オフラインからオンラインへの移行への受け入れが社会全体として進んできています。今回の問題が落ち着いたとしても、オンラインへの移行という変化は変わりがないと思われます。
事務所・会社をオンラインへ移行する
事務所をオンラインへ移行する際のポイントは、下記の3つです
・コミュニケーション
・資料管理
・クラウド化されていない業務ソフト
上記については前回の記事で詳しく紹介していますので、そちらを参照してみてください。
ビジネスをフロー型からストック型ビジネスへと変える
士業・専門家の仕事として、税務、不動産管理などの顧問型、管理型のストックビジネス(今のトレンドでいうと“サブスク型モデル”)と相続税申告、不動産登記など、単発型のビジネス(フロービジネス)があります。
単発型のビジネスは、一度の商品提供で売り上げが発生するので、高単価を目指し、客数を増やすことで大きな売り上げをつくることができますが、その反面、今回のようなウイルスの影響で、客数が減少したり、競合が増え、低単価になると、一気に売り上げが下がってしまうビジネスモデルです。
ストックビジネスでは先ほど伝えた税務顧問、不動産管理などの他、applemusic、Chatwork、ネットフリックス、Amazonプライムなど、単価は安いので一度に大きな売り上げをつくることはできませんが、一度契約すると毎月継続的に売り上げがあるため、安定性が見込まれます。
ストックビジネスは、今回のコロナなど景気の影響を受けづらく、顧客数が増えれば、安定的に売り上げが想定できるのです。
士業・専門家というと、〇〇〇〇というように顧客認知が強いことがメリットである反面、逆に、サービス提供する事業者側は〇〇〇〇しか仕事ができないという発想になりがちです。
だから、なかなか自身のビジネスモデルを変換する意識が弱くなる傾向があります。
僕自身も当初、不動産登記業務を中心に仕事をしていましたが、大手不動産会社の仕事を失注を機に、いかにストックビジネスに切り替えるべきかずっと頭をつかってビジネスをしてきました。生前対策・相続案件については、フロービジネスなので、ストックビジネスに切り替えることは難しく、業務終了でそのお客様との関係を終了させてしまいがちです。
しかし、逆の発想をして、当初の仕事を契機にその後の関係をつくるという発想をすることもできます。相談、セミナー、業務など、すべての接点で僕らの仕事は、士業・専門家という信用の元、顧客情報を得ています。そして、いい仕事をすれば、お客様との信用は得られているので、継続的な関係を構築しやすいポジションです。
そこを活かして、その後のお客様との関係づくり、ファンづくりができます。信用があるからこそ、その後、事務所からのメルマガ、DMなどもおそらく見てもらえる確率がおおいにあるのです。(関係性がない広告・メルマガは僕自身もそうですが、即スキップ、解除されてしまいます)
顧客と継続的な仕組みをつくりことで、その後の新たな悩みや出来事についての相談、そして、紹介へと仕事をつなげることができるので、ビジネス自体はフロービジネスだけど、信用をいただける顧客を持つという意味で継続型のビジネスへと変えることができます。
何より最初の相談の窓口となることで、その問題が、自社では解決できなくても、解決できる協業先と一緒に取り組むことでその後、自社につがなるビジネスへと繋げる機会をつくることができます。これだけだと、売り上げがつくれないので、僕自身も他の士業の先生でやられているサービスを参考に、改善を加え、今は下記のようなサービスもつくりました。
生前対策案件終了後のアフターフォローサービスです。イメージでいうと、Apple製品を購入すると、付帯でつけられるAppleCareです。
生前対策や相続手続きは相談を受けた時点での解決方法なので、その後の家族関係の変化や法務税務などの改正があるので、将来的な見直しが必要な商品です。見直しが必要な時や新たな悩みがあった時に真っ先に相談を受けられる
ポジションを作る必要がありますが、顧客側の心理にたつと、再度、先生に無料で相談して迷惑ではないのかという不安が発生します。
そこをちゃんと敢えて費用をいただき、いつでも相談を受けるという下記の内容の商品をつくりました。
・10年間3万円(当初は1万円でやっていました)
・チャットを通じて相談対応、無制限
・お尋ね通知、事務所通信を定期的に発送
・遺言書や信託契約書を事務所で保管する
apple製品購入時限定で提供されるappleCareのイメージです。案件終結に差し掛かったころにこのサービスを紹介します。
この商品も関係性がない状態で、販売するのは至難の業ですが、生前対策サービスを提供し、信用がある状態でこの商品を提供すると、概ねのお客様はその後の実際のスキームの運営方法などやはり不安があるし、安心ができるので、喜んで購入いただけます。僕の肌感覚でいうと、7割超のお客様が購入いただいています
しかも、そのお客様との間ではメルマガ、チャットを通じたホットラインができ、こちらからの案内が確実に届くようになります。無料のサービスをパッケージ化して販売する、そして相談しやすい環境をつくるということを実現させました。
フロー型から顧客との関係という視点でのストック型への変換です。今回のコロナの影響も鑑みて、是非、自身のビジネスの中で、下記の観点を取り入れてみてはいかがでしょうか?
・何かストック型ビジネスをつくれないか?
・自身のサービスを見直しして、
・ストック型ビジネスに近い形でつくれないか?
今この厳しい時期だからこそ、時間をとって考えてみてください
今後の活動を見据えて、資金調達を考える
現在、日本政策金融公庫で、コロナウィルス感染症特別貸付を行っています。当初3年間の基準金利より‐0.9%、資金用途が運転資金で借入でき、無担保です。しかも、元金据置が5年以内で設定できるため、据置期間は利息のみの支払ですることができます。
2020年3月時点での中小事業での基準金利が1.11%なので、実質、金利0.21%で借入をすることができます。例えば、1000万円の借入を受けた場合でも、年間約21000円(月当たり約1750円)の利息支払い(元金は据置期間のため当初返済不要)で1000万円を手元におけるという安心感を得ることができます。
融資後は、利息の返済は必要ですが、後日、低減した利率の利息部分について、利子補給の制度が政府において検討されており、利子補給を受けることで、実質的に無利子で利用できる可能性もあります。とりあえず融資を受けておいて、利用しなかったら、後日繰り上げ返済してしまうというのも選択肢の一つです。
今後のオンライン化を見据えた投資、そして、事務所スタッフ雇用などを考えておくと、実質無利子で資金を手元におけるので、私も融資を受ける予定で動いています。
士業・専門家は仕入れがない業界のため、融資を受けるということになじみがないことが多いですが、今は問題いかもしれません。しかし、手元に活用できる資金があれば、リモートワークに必要な設備資金、今後、大きな事務所としての設備をもつ必要性がなくなることから、その事務所移転コスト、ストック型ビジネスモデルに変えていくための投資資金など機動的な活用ができます。
なんといっても、実質無利子に近い状態で、資金調達ができるので、今後の資金調達については検討しておいてもよいと思います。その他、東京都限定ですが、事業継続緊急対策(テレワーク)助成金を募集していたり、政府からも支援策が発表されているので、確認をしておき、活用すべきものは取り入れたほうがいいです。
経済産業省
》新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ
》東京都 事業継続緊急対策(テレワーク)助成金
アフターコロナ対策にむけて必要な“資金”と、士業・専門家にとっては、一番重要な資源である“時間”を確保して、アフターコロナに向けた投資をしていくことを進めていきましょう
まとめ
- アフターコロナ後は、オフラインからオンラインへの移行への受け入れが社会全体として進んでいくことが予想される
- 事務所のデジタル化、自身のサービスを単発(フロー)型から継続(ストック)型へと変えられる部分はないか見直しをする
- コロナ対策についての融資や助成金など制度を活用してビジネスモデルの変換に必要な資金調達や時間の投資を検討すべき
先週に引き続き、今回の記事もコロナ対策にむけた士業・専門家がとるべき考え方についてお伝えさせていただきました。こういう状況に陥るとは、昨年末の段階で誰もわからなかったことです。
今の時代は変化の時代、未来がどうなるか確実に予測することはできません。必要なことは、変化が起きたときに、必要な情報を収集し、学び、変化に対応することです。このタイミングで、皆さんのビジネスの全てを一気に変えることはできなくても、少しずつ変えていくことが重要です。
やれることからやっていく、まずは行動していくしかありません。
士業・専門家が面談、セミナーをオンライン化する際のポイントとは?
今まで対面で行ってきた士業・専門家がどのように面談やセミナーをオンラインに切り替えていくのか、そして、オンラインへ移行し、メールでの事前教育、オンライン面談・セミナーから実際の受任につなげるためのコツやポイントを詳しく解説し、大評だった2020年5月のセミナーを動画コンテンツとして視聴できるようにしました。
セミナーの中では今回の記事の中で紹介したオンラインセミナーの導線づくり、顧客への事前案内メールの雛形など実際に使っているツールも公開しています。ご興味のある方は、下記ページで詳しい内容を紹介しているので、是非確認してみてください。
最新版!実例に基づく生前対策提案・IT・ZOOM活用WEBセミナー
★セミナー内容★
- ZOOMを活用した顧客面談、セミナー手法とは!?
- オンライン面談、セミナーまでの導線づくりのポイント
- オンラインセミナーへの誘導、そして受任率を向上させるコツとは
- 家族信託と金融機関が提供する認知症対策型商事信託の使い分けのポイント