司法書士は年収が低い?リアルな平均年収をエリア・経験値・働き方などジャンル別に紹介

難易度の高い国家資格を活かした仕事は高年収のことが一般的ですが、難関資格の1つである司法書士の年収はどの程度なのでしょうか。司法書士の年収が低いという話は本当なのか、また、勤務エリアによってどの程度年収が変わるのかなどの疑問もあります。

今回の記事のポイントは以下のとおりです。

  • 司法書士の年収は600万円程度だが、ばらつきがある
  • 司法書士の年収は地域や経験、働き方によって差がある
  • 司法書士が担当できる仕事は幅が広く、将来性も高い
  • 司法書士の仕事には仕入れや設備などは不要のため、お金をかけずに開業できる

本記事では、司法書士の年収について、さまざまな角度から解説します。また、司法書士事務所を開業する前に確認しておきたいことについても具体的に紹介するので、ぜひご覧ください。

1.司法書士は年収が低いって本当?平均いくらなの?

司法書士の平均年収は600万円程度といわれています。会社員全体の平均年収は400万円台とされているため、司法書士は平均的な水準よりは高年収を得られる職業です。

しかし、令和3年度の賃金構造基本統計調査によれば、司法書士などの法務従事者の平均年収は約945万円でした。そのため、弁護士などの他の法務関係者と比べると年収は低めと考えられるでしょう。

また、ニーズが高く給与相場も高いエリアでは、司法書士の年収も高くなると考えられます。企業や官公庁などが多い都市部で司法書士として働く場合は、地方と比べると高年収を期待できるでしょう。

参考:令和3年賃金構造基本統計調査

2.司法書士とは?

司法書士とは、不動産や会社などの登記手続きや、法務局や裁判所に提出する書類の作成などを行う仕事です。また、成年後見人や簡裁訴訟の代理人として働く場合もあり、法律や不動産などに関わる多様な業務を請け負います。

司法書士として働くためには、国家試験である司法書士試験に合格しなくてはいけません。司法書士試験の難易度は高く、例えば、令和2年度の司法書士試験では合格率はわずか約4%でした。また、合格者の平均年齢は約40歳であることから、何年も試験勉強に取り組んだ方が多いと想定されます。

司法書士が求められている職場は少なくありません。実際に求人数も多く、司法書士の資格を取得したものの司法書士として働けないというケースは多くはないでしょう。司法書士の主な働き方としては次の3つが挙げられます。

司法書士事務所などの法律事務所で働く
企業や官公庁の法務関連の部署で働く
司法書士事務所を開業する

司法書士事務所などの法律事務所で働く司法書士は少なくありません。また、法律事務所では幅広い経験を積むことができるため、将来的に独立開業を検討している司法書士も、一度は法律事務所で勤務するほうがよいでしょう。

近年、増えてきているのは企業や官公庁などに勤務し、法務関連の専門家として働く司法書士です。年々、企業や官公庁などの組織に求められるコンプライアンスの基準は高まっています。法令を遵守し、信頼できる組織としての評判を維持するためにも、司法書士などの法律専門家の力が求められているのです。

参考:法務省「令和2年度司法書士試験の最終結果について」

3.司法書士の年収はエリア・経験値・働き方で大きく異なる

司法書士の年収は、エリアによって大きく異なります。一般的には都心部のほうが高く、地方のほうが低い傾向にあります。都心部には大企業も多いため、企業に所属する司法書士としての働き方も選択できます。また、司法書士や弁護士、社労士などのさまざまな有資格者が所属する大規模法律事務所も、地方よりは案件数の多い都市部に偏る傾向にあるでしょう。

司法書士の年収は、勤務先によっても異なります。司法書士事務所などの法律事務所に勤務する場合であれば、事務所の規模が大きいほうが平均年収も高額になることが多いです。また、小規模の事務所であっても、所長が有名あるいはメディアでの露出が多いケースは平均年収が高額になります。

司法書士自身の実績によっても年収は変わります。同じ司法書士事務所で勤務している場合でも、司法書士として働き始めたばかりであれば年収は低くなるでしょう。実績を積み重ねることで徐々に給与が増え、高年収になると考えられます。

また、実績だけでなく能力も年収を左右する要素です。コミュニケーションスキルが高く営業力に優れていたり、実務能力が高くクライアントの満足度が高かったりするときは、司法書士としての経験年数が少なくても、実力に応じて年収が高くなると期待できます。

4.【働き方別】司法書士の平均年収

司法書士の年収は、働き方によっても異なります。個人差はありますが、企業や司法書士事務所などに勤務している司法書士は、独立開業している司法書士よりも年収が低いことが一般的です。企業や事務所に勤務する勤務司法書士と、独立開業して事務所を経営する開業司法書士に分けて、平均年収や年収の傾向について解説します。

4-1.勤務司法書士

日本司法書士連合会の調査によれば、勤務司法書士の平成31年1月1日~令和元年12月31日の賞与を含む年収は300万円台がボリュームゾーン(21.0%)でした。次いで400万円台(18.3%)、500万円台(15.1%)が多く、300万円以上600万円未満の方が半数以上を占めていることがわかります。

また、賞与に関しては、支給を受けていないと答えた司法書士が39.9%にも上りました。次に多いのは30万円以上50万円未満(13.1%)で、年間90万円以上を受け取っている方は11.5%でした。

参考:日本司法書士連合会「司法書士白書2021年版」

4-2.開業司法書士

同じく日本司法書士連合会の調査によれば、開業司法書士が経営する事務所の令和元年分の売上(収入)のボリュームゾーンは1,000万~4,999万円(35.0%)でした。次いで200万~499万円(10.2%)、500万~749万円(8.8%)で、平均売上(収入)は1,683.5万円でした。

また、経費合計は200~499万円と答えた方がもっとも多く、次いで1,000万~4,999万円、1~199万円とばらつきが見られています。売上から売上原価と経費合計、各種引当金・準備金等を差し引いた所得金額の平均額は453.9万円でした。ただし、所得金額は0円と答えた方が17.2%ともっとも多く、経費などを調整して節税していることが伺えます。

5.【勤務エリア別】司法書士の平均年収

司法書士に限らず、年収は地域によっても大きな差があります。一般的に都市部は高く、地方は低めの傾向にあります。

次は勤務エリアが司法書士の年収にどのような影響を及ぼすのか見ていきましょう。企業や事務所に所属する勤務司法書士に絞って解説します。

5-1.関東地域

日本全体を北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄の6つのエリアに分けると、勤務司法書士の平均年収がもっとも高いのは関東です。東京や神奈川などの大企業が多い地域を含んでいることもあり、他の地域と比べると年収は高めの傾向が見られます。

ただし、東京や神奈川は地価も高く、生活費が高めのエリアであるのも事実です。年収が高いからという理由で関東地域で司法書士の仕事をしても、生活にゆとりが出るとは限りません。

5-2.その他の地域

関東地域と比べると、その他の地域の勤務司法書士は若干平均年収が低めです。しかし、もっとも高い関東地域ともっとも低い近畿地域の平均年収の差は20万円弱で、地域によって差はあるものの決して大幅な差があるわけではありません。

また、地域によっても生活に必要な金額は異なるため、都市部で仕事をすれば利益を得やすいというわけでもありません。勤務先を決めるときは、エリアだけでなく仕事内容ややりがいなども総合的に判断することが必要といえるでしょう。

6.【経験値別】司法書士の平均年収

司法書士の年収は経験値によっても異なります。実際に司法書士としての能力は、どれだけ現場で実務を行ってきたかによっても左右されるため、経験が豊富な司法書士のほうが司法書士試験に合格したばかりの司法書士よりも高く評価されるのは当然といえるでしょう。

実務経験のない状態で企業や事務所に就職する場合と、ある程度の経験を積んでから就職する場合の平均年収の違いを紹介します。

6-1.未経験の場合

実務経験がない状態で企業や事務所に司法書士として勤務する場合、平均350万円程度の年棒が提示されるといわれています。司法書士として働いた実務経験がないときは、就職希望者の能力を判断する基準がありません。そのため、本人の能力や属性によらず、すべての司法書士に対して同額の年棒を提示する企業や事務所が多いようです。

6-2.実務経験がある場合

一方、司法書士としての実務経験がある場合は、実績や経験年数などを評価して年棒を提示することが多いです。就職希望者本人の能力などにもよりますが、平均410万円ほどの年棒が提示されています。

一般的に、前職の年収と同程度あるいは少し多めを提示することが多いようです。司法書士は母数自体が多くはないので、低めの年収を提示すると適切な人材を確保できないという企業や事務所側の事情もあります。

7.女性の司法書士の平均年収は?

司法書士に限らず、どの仕事でも性別によって報酬が変わることは違法です。しかし、出産や育児のために一時仕事を中断したことにより経験年数が減ってしまったり、パートやアルバイトなどの働き方を選んだことで安定した収入を得られなくなったりする女性は多く、司法書士も例外ではありません。

そのため、女性の司法書士の平均年収は男性よりも低いと考えられます。女性司法書士の平均年収を示す公的なデータはありませんが、賃金構造基本統計調査を参考におおよその年収を計算することは可能です。

令和3年度の賃金構造基本統計調査によれば、男性の法務従事者の平均年収は約970万円、女性の法務従事者の平均年収は約879万円でした。このことから女性の司法書士は男性の司法書士の9割程度の年収になると考えられます。

参考:令和3年賃金構造基本統計調査

8.年齢別の司法書士の平均年収は?

司法書士の年収は年齢によっても異なると考えられます。一般的に年齢が若ければ経験年数が少ないため、年齢が高い司法書士よりは年収は低くなるでしょう。

ただし、司法書士の資格を取得する平均年齢が40歳程度であるため、他の職業と比べるとキャリアを築き始めるのが遅くなることが想定されます。そのため、単純に年齢に比例して年収が増えるというよりは、司法書士資格を取得するまでに法律関係の仕事をしていたかどうか、専門となる分野があるかどうかによっても、年収の差が表れると考えられるでしょう。

8-1.20代

司法書士としての経験がない状態で企業や事務所に就職する場合、20代では平均340万円程度の年棒が提示されるといわれています。一方、経験ありの場合は平均400万円ほどに上がるようです。

実際のところ、20代で司法書士の資格を持ち、なおかつ実務経験がある状態で転職するケースはあまり多くないと予想されます。また、20代で司法書士の資格を取得している場合、年齢を重ねて資格取得した司法書士と比べると勤続年数が長くなることが期待できます。希少性と期待感から通常以上に高額の年棒を提示し、優秀な人材を確保したいと考える企業や事務所は少なくないでしょう。

8-2.30代

司法書士としての経験がない状態で企業や事務所に就職する場合、30代では平均360万円程度の年棒が提示されます。一方、経験ありの場合は平均410万円ほどに増えるようです。

30代で就職する場合も、比較的勤続年数が長くなると期待できます。また、司法書士としての経験だけでなく、司法書士になるまでの経験なども評価されることで、高額な年棒を提示されることが多くなるでしょう。

8-3.40代

司法書士としての経験がない状態で、なおかつ40代で初めて司法書士として就職するという場合に提示される年棒は平均350万円です。一方、経験ありは平均410万円になります。

ただし40代は経験年数にもばらつきが増えてくるため、提示される年棒も300万円台~700万円台と個人差が大きくなるようです。

8-4.50代

司法書士としての経験がなく、なおかつ50代で初めて司法書士として就職するケースでは、提示される平均年棒は340万円です。一方、経験ありの場合の平均年棒は、450万円となります。

50代は40代よりもさらに経験年数にばらつきがあるだけでなく、職位も高くなっていることが多いため、平均年棒にも反映される傾向にあるようです。

8-5.60代

60代の場合は再雇用制度が適応されることも多いと考えられるため、提示される年棒も他の年代よりも低い傾向にあります。司法書士としての勤務経験がない場合は平均320万円、経験がある場合は平均360万円です。

9.司法書士の年収に関する疑問

司法書士の年収は一般的な会社員よりは高い水準にありますが、資格の難易度が高く、高給だからという理由で簡単に取得できる資格ではありません。また、難関をくぐり抜けて司法書士の資格を取得しても、経験を積むまでは高給を受け取ることは難しく、納得できる年収を得られるまでには長い時間がかかると推測されます。

司法書士の年収に関してよくある疑問とその答えをまとめました。年収に注目して職業を選びたいと考えている方はぜひご覧ください。

9-1.司法書士と行政書士はどちらが儲かる?

行政書士も難関資格ですが、司法書士と比べると合格率が高く、また試験範囲が狭いため、司法書士ほどには難関ではないとされています。個人差はありますが、一般的に司法書士に合格するためには7,000時間以上の勉強が必要とされていますが、行政書士は1,000時間以上が基準です。

平均年収に関しても司法書士と行政書士には差があります。司法書士は年収600万円程度といわれていますが、行政書士の平均年収は400万~450万円程度です。資格取得により高収入を目指す場合は、司法書士のほうが良いでしょう。

9-2.司法書士の雇用状況や将来性は?

司法書士の合格者は増加傾向にあり、資格取得後にスムーズに就職先を見つけられないケースや、人気の事務所では競争倍率が高くなることがあります。司法書士の資格を取得する前から、就職先や将来のプランについて具体的に考えておくことが必要です。

また、司法書士の主な業務としては、登記手続きが挙げられます。しかし近年は登記手続きを自分で行う方も増えてきているため、司法書士の仕事も登記以外の業務にシフトしています。簡裁訴訟の代理人になる認定考査を受けて対応できる業務を増やしたり、語学力を伸ばして国際関連の案件に対応できるようにしたりすることも必要になるでしょう。

9-3.勤務と開業どちらがいい?

司法書士としての仕事に専念するのであれば、勤務司法書士としての働き方がベストです。開業する場合は、司法書士としての業務だけでなく、営業や経営などにも対応しなくてはいけません。

また、安定した収入を得たい方にも勤務司法書士が適しています。原則として給与を受け取れるため、顧客がいないなどの理由で収入がなくなることはありません。

しかし、給与には限界があるため、勤務司法書士で一定以上の高収入を得ることはできません。1,000万円、2,000万円といった高収入を目指すのであれば、収入減のリスクはあるものの開業司法書士に挑戦することができます。

9-4.開業のハードルは高い?

司法書士は開業のハードルが低い仕事です。飲食店やクリニックのように設備投資をする必要がなく、また、小売店のように仕入れも必要ありません。机1つ、電話1本で始めることができるので、独立開業したい方にも適した職業といえます。

9-5.年収1,000万や2,000万は実現可能?

司法書士の仕事で年収1,000万円、2,000万円を実現することは可能です。しかし、勤務司法書士として働く場合はあまり現実的ではありません。高収入を目指すのであれば、独立する、もしくは司法書士などの専門家が複数集まって事務所を開業することも視野に入れましょう。

10.まとめ

本記事では、司法書士の年収について解説しました。内容をまとめると以下のようになります。

  • 司法書士の年収は600万円程度だが、ばらつきがある
  • 司法書士の年収は地域や経験、働き方によって差がある
  • 司法書士が担当できる仕事は幅が広く、将来性も高い
  • 司法書士の仕事には仕入れや設備などは不要のため、お金をかけずに開業できる

司法書士は難関資格で、年収も一般的な会社員よりは高い傾向にあります。しかし、年収には実務経験も反映されるため、司法書士として働いてすぐには高収入を実現することは難しいでしょう。

司法書士として高年収を目指すのであれば、独立あるいは何人かで事務所を開業することを検討できます。とはいえ、事務所を開業する場合、高年収も期待できますが、顧客がつかず、勤務司法書士として働くよりも年収が下がる可能性が想定されます。ニーズのある司法書士事務所にするためにも、特定の分野に特化する、あるいは、国際案件や裁判案件などにも対応できるようにしておきましょう。

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