無料相談でこんな悩みってありませんか?
・お客さんにはすっきり帰っていただくものの仕事に繋がらない
・クロージングにうまく繋げることができない
これからコンサルティング業務を始めようとする方、新人のスタッフに相談を任せる際によく出てくる悩みです。 上記のことをよく同業の先生から相談を受けます。
今回の記事のポイントは下記の通りです。
- 無料相談では全て解決せず、課題は深く対策は広く浅く伝えることがポイント
- 何もしないでいることの課題(リスク)を数字を含めて説明する
- 即断できないお客様に対して、低額のフロントサービスを用意する
- 先生の資格の範疇の概念にとどまらず、提供するサービスの範囲を広げ、やったことがない業務でも自信を持って対応する
- 今がタイミングでないお客様に対しては、定期的な情報発信を届ける仕組みを作る
無料相談から受任へと繋げることができない先生が、どのように繋げていけばいいのか、その方法をお伝えします。
目次
まずは、無料相談で断られる理由から考える
無料相談で断られる理由から考えていくことが必要です。
断られる理由として多いのが次のようなものです。
・費用が思っていたより高く、即決できない
・自分だけで決められない、周囲の人間にも話を聞く必要がある
・その先生では解決できそうもない
・今の段階で解決すべき問題ではない
まずは無料相談の中でお客様の声をヒアリングしていくことが必要ですが、その中で断られる理由・課題を探しながらその理由を一つ一つ潰していく、そのことを考える癖をつけていく必要があります。
価値の伝え方を工夫する
・無料相談で概ね解決でき、後は自分で手続きが進められると感じた
士業や専門家の先生は自分の提供する知識やノウハウが商品なので、ついつい無料相談では口頭だけで課題に対する対策の内容を伝えがちです。顧客対応を第一に誠実に対応している先生であればあるからこそ、その手続きに対する対策から各種試算まで行い、一から十まで全て伝えてしまうといったことも他の先生の面談に同席していてありました。
話を聞いていて、僕自身もこれなら自分で解決できるかもと思わせてしまう程、素晴らしい説明です。でもこれだと、この対応が有料相談であれば構いませんが、目的が僕らのサービスにつなげるための無料相談であれば、満足してしまいサービスにつなげることはできません。
場合によっては、その実務に対する本当のリスクを理解しないままでお客さんが進めてしまうことでかえって問題がややこしくなってしまう、そんな可能性もあることに留意する必要があります。
無料相談でのポイントは、課題は深く、解決方法は広く浅く伝えるということです。
抱える課題にフォーカスし、何もしないでいるとどうなるのかを伝え、解決方法とその対策としてどんな方法があるのか、その費用やスケジュールはどの程度のものなのかということの概要を伝えるということをしてください。
そして価値を伝えるために、対策を説明するためのシートや自社で仮に行った場合にこのような資料や成果物を提供するということを具体的に見せることで自社のサービスを目に見える形で伝えることができます。
サービスの伝え方と見せ方がポイントです。これを意識してみてください。
フロントエンド、バックエンドサービスを用意する
・費用が思っていたより高く、即決できない
・自分だけで決められない、周囲の人間にも話を聞く必要がある
自分の仕事を手続きという概念で捉えていると、即決できないお客さんに対しては、提供するサービスが解決する手段の手続きしかないことから、仕事にならないということになりがちです。
即決ができないというような課題に対しては、自分のサービスの価値をお客様にきちんと伝える、まずはお試しサービスを提供する、他の関係者も巻き込む仕組みなどを考えていく必要があります。
①何もしないでいることの課題(リスク)を数字を含めて説明する
士業や専門家のサービスはどうしても形がない商品を提供してます。 お客さんにその提供する価値をちゃんと伝える必要があるのです。
例えば家族信託や民事信託のサービスではそのコンサル費用が数十万円することがありますが、仮に何もしないままで成年後見制度を活用した場合には後見人の報酬が毎年定期的にかかってくることを比較検討することで価値を伝える、相続税の問題も対策をしないでいると税理士さんと試算の上、数百万から数千万円かかるのがこれから対策をしていくことによってその税金が大幅に減るといったようなことをちゃんと伝えられているのかその提供する価値の教育していく必要があります。
同じようなサービスを提供している競合が同業以外の異業種も増えている中、その価値の提供というところをよく伝えることで費用が思っていたよりも高いという問題はクリアできます。
そもそも、なぜその先生に頼むか頼むのかという、その先生のブランディングも価値提供に影響するポイントです。
このブランディングに必要なプロフィールの考え方などは別の記事で詳しく解説してますので、そちらを確認してみてください。
②低額のお試しサービスを用意する
時間がない、期限があるなど緊急性がない限り、初回でいきなり高額サービスを購入してもらうことは当然ですが、難しいです。他社からの紹介や相談に至るまでのホームページや SNS 、メルマガ、セミナー などで事前にその先生との信用ができていれば、初回で高額サービス受注もできますが、信用関係がない無料相談では難しいと言わざるを得ません。
そこで、低額のお試しサービスを用意します。
例えば、そのお客さんの状況を分析した診断書、家族信託や生前対策サービスであればそのお客さんの状況を踏まえた生前対策の設計図、税理士と連携した相続税の簡易診断とその対策など数万円程度の定額サービスを用意します。サービスもバックエンドとなる先生のサービスを依頼いただいた場合には、お試し商品の費用は充当するので実質無料という形で提供すれば本気で悩んでいるお客様は購入して頂く可能性が高まります。
また、他の家族への根回しが必要な方についてもその家族に説明するための資料を作るということで低額サービスからまずは進めるということもできるのです。
口頭のみだからその価値が伝わらない、実際にサービスの一部を診断書など、顧客が見える資料として提供することで自身のサービスの価値を伝えることができます。
まずは、その先生のサービスの一部でも提供する試してもらうという機会を作るのです。
こういった低額のサービスを用意することで本当に悩んでいるお客様であれば、受任に繋がりますし、受任につながらなければ見込みが薄いお客様という判断をすることができます。
提供するサービスの範囲を広げ、自信を持って対応する
・その先生では解決できそうもない
この問題については、考えるポイントは2つです。
提供するサービスの範囲を広げる、そして、やったことがない業務でも自信をもって対応する、ということです。
提供するサービスの範囲を広げる
自分が提供するサービスだけでは解決できないと言った場合にそのままで終わらせるとそのお客さんとの関係は終わってしまいます。どうしても特に士業の先生に多いのですが、自分の資格の範疇で提供するサービスを考えがちです。
例えば、司法書士で言うと登記や成年後見といったような枠組みに縛られる、そうではなくて仮に不動産の売却事案や税金の問題が発生した場合には提携する専門家と連携して対応する、自分の資格だけにとどまらず連携してやるもしくは提供するサービスの範囲を広げて見る、そういったことを心がけてみてください。
特にこれからの時代は、”誰に”相談するかが重要になってきます。
相談の川上のポジションを取るためには、自分の仕事の概念を狭めるのではなく広げるといったことを意識して、川上に立つことが一番重要です。そして、自社でできないところは他社に繋げるということを心掛けていきましょう。
やったことがない業務でも自信を持って対応する
やったことがない業務でも、自信をもってできると回答する、これが意外とできていない先生が多いです。
例えば、あなたが病院で手術を受けなければならないというときに自信なさそうに対応する先生と、リスクはあるが自信をもってできると対応する先生とどちらに手術をお願いしますか?これができなくて、この先生では難しそうと思われてしまっていることがよくあります。
それと同じで、初めての業務で業務経験がないと自ら言ってしまうと相手も本当にその先生に仕事を依頼していいのかと躊躇が発生します。私も当初業務経験がなくてもとりあえずはできると言い切り、そのあと必死に周りの助けを得て、なんとかこなしてきて実績を積んできました。今思えば、最初の信託案件もまずは受託して、そこから必死に仕上げています。
最初は、嘘はダメですがある程度のハッタリが必要です。とりあえず、自信をもって受任して、そのあと必死に仕事を完成させ、成果を上げればいいのです。難しければ、業務に精通している方に一緒に対応してもらえればなんとかなります。
まずは、ハッタリを含め、自信をもって受託してしまいましょう。
関係性をつくる
・今の段階で解決すべき問題ではない
相談者の中には、課題はあるものの今解決すべきタイミングではない方もいます。その場合に無理に対策につなげる必要はありません。
それでも、無料相談において、お客さんの課題に誠実に向き合うことでそのお客さんとの信用関係を作れているはずです。今がタイミングでなかったとしても、時期が来れば再度相談を受け、紹介が発生します。
そのために、相談対応したお客さんもについては顧客名簿に残しておき、その後定期的なメルマガや LINE 事務所通信の発送など忘れられない仕組みづくりを作ってください。
定期的な仕組みを作ることで、顧客が本当に先生のサービスが必要な時に、〇〇といえばこの先生というように思い出してもらえるような仕組みを作っておきましょう。
この顧客名簿の考え方については、別の記事で詳しく解説してますのでこちらを確認してみてください。
まとめ
- 無料相談では全て解決せず、課題は深く対策は広く浅く伝えることがポイント
- 何もしないでいることの課題(リスク)を数字を含めて説明する
- 即断できないお客様に対して、低額のフロントサービスを用意する
- 先生の資格の範疇の概念にとどまらず、提供するサービスの範囲を広げ、やったことがない業務でも自信を持って対応する
- 今がタイミングでないお客様に対しては、定期的な情報発信を届ける仕組みを作る
どうしても、士業や専門家の先生はお客さんのために一から十まで解決方法を伝えてしまうといったことをやりがちです。
そうではなく、どのようにお客さんと信用関係を作り、受任に至るまでの導線を作るのかといったところや、サービスを提供するために何をしていくべきか、是非、一度考えてみてくださいね。
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