1月7日にも首都圏で緊急事態宣言の発令がありました。
今回は前回よりも緩やかな制限であること、2度目であることから今回は感染に注意をすればよいという感覚で行動をする方も増えてきていると思われます。前回の緊急事態宣言よりも人出は4割増えているというニュースもあるなか、影響はあるものの前回ほどには人々の自粛の影響は少ないかもしれません。
とはいえ、多くの事業者がオンラインに舵をとるなか、方向性としてオンラインでの競争の激化が増えていきます。これからオンラインの取り組みを行っていこうと考えている士業の先生にとっては、とりあえずHPをつくっておけばいい、YouTubeをやってみるという考えをお持ちの方も多いかと思います。僕自身も過去そういった想いで取り組んで高額なページを業者に依頼して作成し、言われるがままにGoogle、Facebook広告費用を支払っていたもののほとんど集客できなかったという苦い経験があります。
今回の記事のポイントは、下記のとおりです。
- オンラインで新規集客を考える際には、自社のサービスが”今すぐ客”か”そのうち客”どちらを対象にしているのかまず考える
- 今すぐ客へは、「流入数(SEO対策・広告費)×問合せ率(HP内容改善)」がポイント
- そのうち客へは、①リストをつくり、継続的に情報発信を行う、②広告(リマーケティング広告)を活用するという二つの方法がある
- リマーケティング広告は、一度HPに訪問したそのうち客に再アプローチすることができるが、頻度には注意
これからエンドユーザー向けのオンラインでの新規集客を考えている先生が押さえておくべきWeb活用にあたって知っておいていただきたい基本の考え方についてお伝えしていきます。
目次
自分のサービスの利用者は「今すぐ客」か「そのうち客」か?
我々のサービスを利用するお客さんの立場になって考える必要がまずあります。
例えば、今すぐ、会社を設立するので設立をサポートしてくれる先生を探していると起業予定者とこれから起業予定で起業準備をしているサラリーマンの2人がいたとします。
会社設立などのサポートを提供している先生目線で言うと、すぐに仕事に結びつきそうな起業予定者は「今すぐ客」です。今はすぐに仕事にはつながらないが起業するための情報を収拾しているサラリーマンは「そのうち客」です。「そのうち客」は今すぐには仕事にはつながらないものの、将来起業をするにあたってはお客さんとなるので潜在的な顧客と言えます。
この考え方は相続ビジネスに関しても同じで、相続発生後の手続は「今すぐ客」が対象になりますが、遺言や信託など生前対策サービスは今すぐやらなければならないということには繋がりづらいため、基本的には「そのうち客」が対象になります。また、既存企業に対する税理士の税務顧問サービスで言うと多くの企業はすでに抱えている税理士さんがいるため実際に税務顧問サービスとして仕事はあるものの、すぐには税理士交代には繋がらないはずです。この場合は「そのうち客」が対象となります。
このように、まずは自分が提供するサービスによって、どの客層(「今すぐ客」と「そのうち客」)が対象になるのかということを考えておく必要があるのです。自分のサービスの利用者がどの状態の客層をターゲットとしているのかを理解していないと、無駄に広告費を投入する、ブログ、Twitter、Facebook、YouTubeなどのSNS対策への費用と時間を奪われるといったことになりがちなので注意をしてください。
そのお客さんが利用していない媒体にいくら時間と費用を費やしても効果はありません。しかも、制作するコンテンツの内容も変わってきます。
顧客設定の方法は、下記にも詳しく記載しているので確認してみてください。
「今すぐ客」と「そのうち客」とでは集客の導線が異なる
今すぐ客とそのうち客とでは問合せまでの導線が異なります。
①今すぐ客対策
今すぐ客は会社設立の方法など、すぐ取り掛かるための会社設立の方法を調べています。
士業側が行う”今すぐ客”対策としては、事業者側は問い合わせ数を増やすためにキーワードで検索した時に自社のHPが上位にくるようにSEO対策を行う、キーワードに広告費用(リスティング広告)を投資するという方法です。
そして、HPの内容をより問い合わせが増えるように改善するといった対策を行っていきます。
例えば、HPの内容が悪いと出玉率が悪いパチンコ代にいくら投資しても出玉がでないと同じ状態です。
今すぐ客対策としては、この流入数と問合せ率を向上させることがポイントです。
ただ、弱点もあり、ネットで簡単に比較されてしまうため、価格競争に陥りやすいという欠点は頭に入れておいてください。
②そのうち客対策
今すぐ客に対して、そのうち客は現時点では情報を収集しているだけの状態です。
会社設立でいうと下記のイメージです。
皆さんもネットサーフィンで情報収集していると思いますが、それと一緒です。
情報を収集しているだけですぐには問い合わせにはつながりません。Googleなどで検索し、皆さんの事務所の起業に関する情報を伝えるHPの記事(ブログ)への流入にはつながるものの、電話はかかってこないのです。また、YouTubeでの動画投稿やSNS投稿も同様で、その投稿にはいいねがついても電話はかかってきません。書籍発行も同様です。今は出版社を通じなくても、誰でもAmazonで電子書籍を出版することができます。kindleで無料で読める媒体にすることで読者を集めることができますが、読んでもらってもその時点では問い合わせにつながることはあまりないのです。
そのため、そのうち客に継続的に情報を届ける仕組み作りと導線が必要になるのです。
そのうち客への導線づくりの方法
そのうち客への導線づくりの具体的な方法は下記のとおりです。
①リストをつくり、継続的に情報発信を行う
②広告(リマーケティング広告)を活用する
①リストをつくり、継続的に情報発信を行う
顧客リストをつくり定期的に情報発信を行っていきます。そのためには、まずメールアドレスなどを送信するリストを用意する必要があります。
顧客名簿の作り方については、別の記事で詳しく解説していますので、確認してみてください。
具体的には、HPの記事、Twitter、Facebook、YouTubeなどの概要欄、プロフィール欄へのリンク、書籍(電子書籍も含む)の著者プロフィールや末尾欄から、あなたの提供できるサービスでお客さんが欲しいと思える特典をつけてメールアドレスやLINEの登録をしてもらうという導線を作ります。
つくった情報、投稿に爪痕を残すのです。必ず、次につなげる導線をつけます。
僕も発行して発行している書籍やセミナーDVDのほか、YouTube、Facebookなどの概要欄、プロフィール欄等にメルマガ登録用のサイトのリンクを全てつけています。そうすることでその先生の情報を読んでいいな、もっとほしいと思ったそのうち客のリストをつくることができ、継続的に自分の情報を相手に届けることができます。
つまり、各種媒体からHPへ流入させる、そして特典をつけて登録をしてもらうということをまずは第一の目標におきます。これがないといい情報を発信して次につながらない、ということになりがちです。
継続的な役に立つ情報を継続的に届けることで、「教える・教わる」という信用を積み立て忘れられない関係をつくっていきます。その後必要なタイミングでサービスが必要なときに、役に立つ情報を提供してくれる先生に問い合わせをする、その流れをつくるのです。
②広告(リマーケティング広告)を活用する
リマーケティング広告(リマケ広告)とは、一度自分のHPを閲覧したことのある見込み客に対して、再度アプローチを促す広告のことです。よく一度検索したHPのサイトの画像広告が、ほかのサイトの記事を閲覧しているときにでてきませんか?そうです。あの画像広告がリマーケティング広告です。
このリマケ広告は、Google以外のYahoo!やFacebookでも同じように設定できます。一度サイトを訪れたそのうち客は興味を持っている可能性が高く、再アプローチすることで、問い合わせに繋げやすいので、メルマガ等につなげることができなかった場合にも、継続的に追客することができます。
ただし、注意をしなければならないのは①のリストを作る方法と違い、そのうち客が自ら求めてリマケ広告を受け取ることを選択していないので頻度が高すぎると逆に嫌がれる傾向があります。
なので、広告費を投資するときは、その配信頻度とHP初回訪問時から配信する期間など設定できるのでその点は注意して運用してみてください。僕自身も当初長期にわたる期間設定をしていた時期があり、広告頻度が高いとわざわざお叱りの電話を受けた覚えが過去あります(笑)。
やり過ぎると逆に信用を失うこともあるので頻度は気を付けてみてください。
まとめ
- オンラインで新規集客を考える際には、自社のサービスが”今すぐ客”か”そのうち客”どちらを対象にしているのかまず考える
- 今すぐ客へは、「流入数(SEO対策・広告費)×問合せ率(HP内容改善)」がポイント
- そのうち客へは、①リストをつくり、継続的に情報発信を行う、②広告(リマーケティング広告)を活用するという二つの方法がある
- リマーケティング広告は、一度HPに訪問したそのうち客に再アプローチすることができるが、頻度には注意
自社のサービスが”今すぐ客”か”そのうち客”どちらを対象にしているのかによって、HPを作り広告費を投入した方がいいのか、それとも今すぐサービスではないので長期にわたって関係性を構築しそのお客さんのタイミングでサービスを求める仕組みをつくるべきなのか変わってきます。
だから、まずやってほしいのは、自社のサービスの提供先のお客さんの分析です。そこから具体的な手法が決まってきます。そこから始めてみましょう。競合との差別化という意味ではオンラインで集客しつつ、その中で選ばれるためには競合と差別化という面も作っていく必要があります。
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- HPと広告費だけでWEB集客でない新時代のWEB集客方法
- HPを作っただけでは集客できないSEO戦略の考え方
- 顧客別SNSの使い分け~Twitter、note、YouTube、FB~
- 誰に対してサービスを提供しているか?サービス・コンテンツの作り方を実践
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