実際の案件受任ができない士業・専門家の先生が今すぐ取り組むべきこととは?

これから相続や生前対策などの新規事業集客を行っていきたいと考えている士業・専門家の先生に、法務や税務は勉強したが、実際の案件を受注できない、何から取り組んでいけばいいのか??っていう相談をよく受けます。

いくら法務や税務を学んだとしても実際に自分の目の前にお客さんを連れて来なければ売上を作ることはできないですし、事務所を維持するための経費を作ることができません。

今回の記事のポイントは次の通りです。

  • 士業や専門家サービスは仕入れがないため、意外と固定費は安く損益分岐点は低く利益が出やすい
  • 事務所を棚卸して、固定費及び損益分岐点から考えて、どれぐらいの売上と仕事を受注すべきを分析すべき
  • リアルでの人間関係をまずつくり、その後、リアルとオンラインでの信用の積み重ねをしていくのがベスト
  • まずは、自分のお客さんにしたい人の名簿を持っている人の信用をつくることからはじめ、情報発信を通じてその分野の地域の第一人者になるステップを進めていく

士業や専門家が事務所を経営するために必要な売上づくりの考え方についてお伝えします。

自分の事務所の固定費から何件受託すればいいのか逆算する

ここで、意外と見落としがちなのか実際に自分の事務所がどれぐらいの経費で回るのか、を今一度、考えておく必要があります。

士業や専門家が提供するサービスは基本的に仕入れがないので、かかってくる費用といえば事務所家賃や人件費、その他経費ぐらいしかかかりません。そのため、一般企業に比べると損益分岐点は低いんです。

だから、そもそもの固定費が少なければ、大手事務所がやるような大量のマーケティング広告費用や人件費を支払う必要なんて全くないんです。 自分の事務所にとって最低どれぐらいの案件を受託すればいいのか、何人お客さんがいればいいのかということから考えていくべきです。

自分の事務所を拡大拡大していきたい先生であれば、事務所家賃、人件費を増やす、その経費を支払うためにさらに売上を上げていくと言うことを繰り返し続けていけばいいですが、 そうではなく自分の目が届く範囲で事業を行い、地域に貢献していきたいと考える先生であればそこまで経費をかけて拡大する必要もありません。

今は昔と違って人を雇わなければ書類を作成できない、 役所に行くことができないといったような大量処理の案件を受託する必要もなくなったため規模の拡大を追わなくても、十分事業を行うことができるようになりました

だから、自社のサービスの単価が安すぎず適正対価であれば、損益分岐点がそもそも低いので、大量のお客様を獲得する必要がそもそもなかったりします。

なので、今一度、固定費から考えて自分の事務所が必要な売上を考えてみてください。
自分の事務所の仕事の棚卸しをしてみると意外と、この仕事に余分な人件費をかけていたり固定費をかけている、業務効率化することで固定費を削減することができるといったことが分かったりします。その棚卸を行ってみることで、思ったよりもそこまで売上や集客もやる必要がないということが意外とわかるので、一度事務所の棚卸をしてみましょう。

損益分岐点から考えて、どれぐらいの売上をつくり、仕事を受注しなければならないのかということを把握すべきです。

集客はリアルとオンラインどっちで行うべき?

事務所にとっての必要な売上が分かった上で、次に考えるのが集客です。

ホームページやブログ、 SNSでの情報発信は お客さんに忘れられない仕組みを作るためには重要なツールですが、情報発信を通じてエンドユーザーを獲得しようとなるとそれなりに時間がかかります。僕自身もエンドユーザー向けのホームページを立ち上げ、ブログやメルマガ、 YouTube など情報発信を1年以上かけてようやく広告費をそこまでかけずに問い合わせを獲得することができるようになりました。

Web のみで集客をしようとするとその地域に競合がいないという状況であれば別ですが、そうでない限りは、それなりに時間と労力、経費がかかるのが現状です。

そもそも、 そこまでの売り上げを必要としていないのであれば、大手が行うような資本力をかけた Web 集客を行う必要もありません。

なので、今すぐお客さんを獲得したいと言うのであれば、リアルでの営業活動が有効です。
まずはリアルで人間関係を作る、そしてその名簿を活用し、 メルマガや SNS などで関係性を構築し、 相談事が出た時に自分のことを思い出してもらうポジショニングを作る、つまりリアルでの人間関係をまずつくり、その後、リアルとオンラインでの信用の積み重ねをしていく、というのがベストです。

僕の感覚で言うと、都市部であればリアルとオンラインは50:50、地方だと65:35の割合です。
僕もコロナ禍でリアルセミナーが出来なかった時、オンラインセミナーを全国を対象にやりました。地方のお客様も多数参加されましたが、やっぱり地方のお客さんから案件を受託するとのは難しく、よく言われたのがやっぱり地元の先生で進めていきたいという感想です。士業・専門家サービスはその地域の先生に相談したいというニーズがやっぱり強んです。

だからこそ、リアルも重要という認識はしっかり持っておいてください。

まずは、自分の信用を積み重ねることが大事

僕が昔、最初に取り組んだことそれは提携先の開拓です。

自分に信用が当初ない、、、。だから誰からも相談が来ないんです。
〇〇といえば、〇〇先生と思い出してもらうポジションにいなければ相談は来ません。

これがスタート時の状況です。

だからこそ、まず取り組むべきことは自分がお客さんにしたい顧客の名簿を持っている人とタッグを組むこと、僕はそこから始めました。

紹介であれば自分に信用がなくても、その提携先の先にいるお客さんと長年仕事をしている、信用関係があることから、自分ではなくその提携先の信用をもとにビジネスを行うことができます

最初にやるべきことは、仕事を紹介してくれる見込みがある人との信用を作っていくことなんです。その方法は自分の足で実際に会いに行き、名刺交換をし、その人の悩みを引き出し、ひとつずつ解決していく、信用の積み重ねが必要です。

僕の場合は、当初不動産登記を中心に仕事していました。何もないからこそ、平日午前中は金融機関に営業に行き、金融機関の窓口が閉まる15時以降は不動産業者や住宅展示場に営業に行くという形で常に自分の足を使って営業していました。

自分の足を全て使うとなると、どうしても効率が悪いので、その後はメルマガを送る、FAX で事務所通信を送るなど自分の足で訪問できない部分を、オンラインの仕組みを使って補完し、そのお客さんに仕事に役に立つ情報を提供していくことで信用を積み重ねていきました。

そうすることで、 相続や家族信託といえば斎藤先生という認識を持ってもらい、地域で相続や信託などの勉強会を開催し参加してもらうといった取り組みを行い、定期的な相談を受ける仕組みを作りました。

具体的に提携先開拓にあたってどのようなアプローチをすべきかは、別の記事でも詳しく開設していますので、こちらを確認してみてください。

これから売上を作っていきたい士業・専門家がとるべき紹介先開拓の4つのステップ

生前対策・家族信託紹介案件獲得のためのBtoB攻略方法とは!?

まとめ

  • 士業や専門家サービスは仕入れがないため、意外と固定費は安く損益分岐点は低く利益が出やすい
  • 事務所を棚卸して、固定費及び損益分岐点から考えて、どれぐらいの売上と仕事を受注すべきを分析すべき
  • リアルでの人間関係をまずつくり、その後、リアルとオンラインでの信用の積み重ねをしていくのがベスト
  • まずは、自分のお客さんにしたい人の名簿を持っている人の信用をつくることからはじめ、情報発信を通じてその分野の地域の第一人者になるステップを進めていく

まずは、何よりも重要なのは、実際に動いてチャレンジしていくことです。 行動しなければ成果は出ないし、うまくいかなかったこともそのうまくいかなかったことを題材に改善することもできません。そして何よりも士業・専門家サービスは固定費がそもそもかからない、だからこそまずは実際に自分に必要な売上と仕事の受注量を考えてそこから取り組み始めていてくださいね。


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